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36(サブロク)協定の新様式、変更のポイント

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36(サブロク)協定の新様式、変更のポイント

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第19回 ホワイト企業人事労務ワンポイント解説   

Q

「働き方改革」で時間外労働時間の上限規制が導入されますが、これにあわせて「36協定」の様式や記載事項が変更されると聞きました。
従来の様式と比べて何が変わるのか、ポイントを教えてください。

A

ご承知のように、法律で定められた労働時間の限度は「1日8時間、及び1週40時間」。これを「法定労働時間」といい、この時間を超えて労働させる場合には、企業規模に拘わらず労使で36協定を締結して労基署長に届け出ることが必要になります。
今般の法律改正で、労基法第36条が全面的に改正されました。これまで省令や時間外限度基準告示等で定められていた事項の多くが法律条文に格上げされ、その分制度の重みが増したのです。今回、新たに法律で定められた上限規制の内容を表にまとめると以下となります。

 

 

 これにともない36協定にも種々の変更が必要で、届出の際の新様式として特別条項がない「様式第9号」と特別条項がある「様式第9号の2」の2種類が用意されることになりました。以下、それぞれの新様式について変更点を中心に見ていきます。

特別条項を設けない場合(様式第9号)

 この様式第9号(下図)が基本になり、時間外労働の原則としての限度時間(月45時間・年360時間)以内の労働に対して必要事項を協定して記載します。

 

上図を拡大表示するにはここをクリック 様式第9号.pdf

 この際の対象となる期間について、従前の様式では、「1日、1日を超える一定の期間」とされていましたが、新様式では図にあるように「1日」、「1箇月」そして「1年」と3つの期間区分で記載することになりました。

 

 1箇月、1年についての原則としての限度時間(右表参照)は従来の告示の時間数と同じですが、今回法律に格上げされたことにより、この時間数を超えた協定は法律上無効になるので注意が必要です(様式第9号の2「特別条項付」を除く)。
 新様式では「法定労働時間を超える時間数」と「所定労働時間を超える時間数(任意)」を記載するようになっていますが、あくまで法定労働時間を超える時間数が問題で所定労働時間数は参考(任意)記載になっています。
 この欄で記載する延長時間には(法定)休日労働時間は含まれませんが、『時間外労働と休日労働を合算して1ヶ月100時間未満、かつ2~6ヶ月までを平均して80時間を超えてはならない』という別の法規制があり、これについては、様式の下部にこの文言と共にチェックボックスが設けられていて、労使で確認の上でチェックを付けないと有効な協定届とは認められず受理されません。
 また、協定の「対象期間」について、従前は3ヶ月等の短い期間を定めて届け出ることも可能でしたが、改正後は「1年」以外の選択肢はなくなり1年の「起算日(年月日)」を記載する欄が設けられています。

特別条項を設けた場合(様式第9号の2)

 様式第9号の原則の限度時間(前掲表)を超えて延長して労働させる必要がある場合は、「臨時的に限度時間を超えて延長することができる時間数」を協定する「特別条項付(様式第9号の2)」を使用します。
 現在、36協定締結事業所のうち約半数が特別条項を設けているといわれており、従来は特別条項付用の別様式はありませんでしたが、今回、新様式(様式第9号の2)が用意されました。


上図を拡大表示するにはここをクリック 様式第9号の2.pdf

 内容は限度時間までの時間を協定する1枚目に加え特別条項を定める2枚目(上図参照)の2枚組になります。特別条項付の場合、1枚目の限度時間に関して記載する内容は様式第9号と同様です。特別条項を記載する2枚目(延長時間の記載等)についても、1枚目と同様に業務毎に分類して細かく「1日」「1ヶ月」「1年」における延長時間等を協定し記載します。
 その際、左欄の『臨時的に限度時間を超えて労働させることができる場合』の記載について、改正法では「当該事業場における通常予見できない業務量の大幅な増加等」の発動要件が定められており、できるだけ具体的に記載することが求められます。それぞれの業務についての延長時間は下表の上限時間の範囲で協定することになります。

 

 また、限度時間を超えた延長労働に対する割増率の記載欄が新たに設けられています(法定の割増25%を超える率とすることが努力義務とされています)。
  さらに様式の下部には『限度時間を超えて労働させる場合における手続き』の欄(記載例:「労働者代表者又は対象者への通知」等)と、『限度時間を超えて労働させた場合の健康・福祉確保措置』の欄が設けられていて、健康・福祉確保措置として裏面に記載される9項目(「医師による面接指導」、「深夜業の回数制限」「勤務間インターバル」「有給休暇の取得促進」など協定書の裏面に記載あり)の中から該当する措置(一つ以上)とその内容の記載が求められます。

適用される時期(施行日)など

 以上の新ルールに基づく36協定は、2019年4月1日(中小企業は2020年4月1日)以後の期間のみを定める協定について適用されます。この法施行日をまたぐ期間を定めた36協定については改正前のルールが適用され、期間経過後は、新たな36協定の締結が必要になります。なお適用が猶予される期間については、従来の様式で届出しますが、上限規制を遵守する内容で36協定を締結する場合は、新様式で届け出ることも可能です。

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