評価制度の設計・導入
評価・人事制度の設計や見直しはおまかせください
プライムコンサルタントは、事業への貢献意欲(エンゲージメント)を高めて人材を活躍・成長させ、納得感のある賃金処遇を実現する決め手として、評価制度の設計・導入や運⽤⽀援に力を注いでいます。
これからの⼈事評価のキーワードは組織・社会への「役割貢献」と「自己成長」です。
これは、⾃分たちは何を目的に、どのような組織能力を発揮し、どのように顧客価値を実現するのかという事業コンセプトを問い続け、社員の内発的な貢献意欲(エンゲージメント)に基づく具体的な成果と行動のレベルアップを評価するやり方です。
その仕組みづくりとして、
- 経営のイニシアチブのもと戦略・価値観・ゴールを共有し、各人に期待する役割・職務とその⽬標、組織⾏動の基準を明確化します。
- 各人の仕事の問題点や課題、成長テーマについて上司・部下の対話を深め、期初の目標設定、期中の1on1(1対1のミーティング)、期末の振り返り、評価・フィードバックなど評価制度の運用を通してメンバーの事業への貢献、主体的な学びと自己成長を促します。
- 役割貢献と成長に対する評価結果を合理的に報酬に連動させ、納得感と説明力のある人事処遇を実現します。
評価制度への考え方
「評価」の意味
およそ人間の主体的な活動は、評価なしには語れません。
遊びでも学びでも、仕事や日常生活でも、人はすべて自分の活動が少しでもより良いものになるよう、「自己評価」や「相互評価」とそのフィードバックによって活動を調整しながら生活する社会的な生き物です。
図は、自営業者が売上や世間の評判というフィードバックを得ながら、自身の仕事について絶えず自問自答(自己評価)し、仕事のすすめ方や日常の態度・習慣を変えていく様子を表わしています。
評価とそのフィードバックがなければ、そもそも物事の良し悪しは判断できませんし、人間として何を大切にしたいかという目的(価値)さえも見失われてしまうでしょう。
企業の「⼈事評価」の意味
企業では事業活動が少しでもより良いものになるよう、事業の成果や経営者の活動、そこで働く人の仕事ぶりや能力などが絶えず評価されます。これによって、企業の投資や生産・販売プロセスの適否、経営者・社員の働きの適否が判断され、企業活動の最適化を図ることができるのです。
図は、企業の経営者がよりよい顧客価値を実現するために、「マネジメント」の一環として社員の働きや能力を評価し、その評価に基づく人事処遇が社員の思考・行動に決定的な影響を及ぼすシステム的なつながりを表わしています。
「評価制度」の3大理由と必須要件
企業が評価制度を導入・実施する理由は大きく図の3つに集約され、それぞれ右の要件を備える必要があります。
経営者にとって、⼈材の育成と動機づけにつながる評価制度の重要性はいまや常識といえます。しかし自主性が欠けていたり個が尊重されない組織風土では、⼈材の育成も絵に描いた餅に終わるでしょう。
また、どんなに精緻な評価基準であっても、事業戦略や組織運営、人材活用に紐づかない評価制度では、事業へのつながりや貢献が実感できない「評価のための評価」に陥って経営者と社員の信頼関係を空洞化させます。
最後に、いくら評価制度に力を注いでも、等級・評価・賃金のつながりに説明力がなく、いわゆる「ブラックボックス」の状態では、働く人の納得感は得られません。
せっかく評価制度を取り入れても、これらの不満が嵩じて、大事な社員の気持ちが離れたり、離職したりするケースが非常に多いことにご注意ください。
評価制度の設計の流れ
評価のニーズと評価の対象
企業は、採用、配置、昇進・昇格、育成、賞与・昇給など、人事イベントの種類ごとになんらかの評価手続きが必要です。
人事制度の運用として特に重要なものは、昇進・昇格のための「能力判定」、育成のための「スキル認定」、賃金処遇のための「貢献度評価」の3つでしょう。
中でも、貢献度評価と能力判定は、社員との信頼関係を築くためにも、人事制度の説明力・納得感を確保するうえでも最優先で整備すべき部分です。
評価対象 | 評価制度 | イベント | ねらい | 着眼点 |
ポテンシャル |
試験制度 |
採用 | 人材発掘 | 将来性 |
能力判定 適性検査 アセスメント |
配置 | 役割付与 | 経験・適性 | |
昇進・昇格 | 成長期待 | キャリア段階 専門・管理能力 |
||
パフォーマンス | スキル認定 | 育成 | スキルアップ | 仕事の知識・技能 |
貢献度評価 | 賞与 | 成果報酬 | 役割貢献 | |
昇給 | 習熟報酬 | 役割期待 |
⼩規模企業の評価ニーズ
⼩規模企業では、経営者のリーダーシップや社員の協力関係で「評価制度がなくても何とかしてきた」という企業が非常に多いと思います。
しかし、経営者も管理職もいずれ世代交代は避けられません。また長年の属人的な人間関係に依存したマネジメントのもとでは、社員の自主性や創発性が発揮しにくく、閉鎖的な組織風土や成長機会に疑問を持った優秀な若手社員が離職したりするリスクが高まります。
そこで、どんな小規模企業であっても、図のような仕事相手(顧客・取引先・市場)からの評価と自分の仕事とのつながりを常に意識させる、「成長振り返り面談」を運用の中心においたしくみをお勧めします。
評価制度の設計にあたっては、業態特性に応じて、仕事の成果に焦点を当てる業績評価、社員の知識・スキルアップを取り上げるスキル評価、組織人としての行動のレベルアップを促す⾏動評価などを、テンプレートを用いてコンパクトに組み合わせればよいでしょう。
一般的な評価制度の設計の流れ
ステップ1:ご相談からご提案まで
ここでは、すでに何らかの評価制度を運用している100人前後の中小企業から、500人~1000人前後の中堅企業を想定した一般的な評価制度の改善の流れを説明します。
- 必要情報の共有:企業の業態と組織・人員構成、現行の評価制度や目標管理のしくみなどの事実関係を確認・共有します。
- 組織課題と⼈事評価制度の診断:事業戦略や人材活用方針を確認したうえで、現行の人材マネジメントや人事・評価・賃金制度が抱える問題点と解決課題を把握・整理します。当社では、⼈事・賃⾦制度や人材活用の実情も必ずチェックし、例えば賃金・賞与等の配分に問題がある場合はその内容に踏み込んだ分析も行います。
- 改善策の提案:以上の分析結果を共有したうえで、最適な評価制度のロジックとテンプレートを提示し、改善策を提案します。
ステップ2:基本設計
評価制度の基本設計では、以下の内容について企業の実態に合った最適なしくみを検討し、評価制度運用マニュアルや目標設定・評価シート、具体的な評価基準などのドキュメントにまとめていきます。
- 事業年度と評価イベントの整理
- 評価イベントの目的と評価方法の検討
- 評価者・調整者・被評価者の整理
- 評価項目、評価基準の設定
- 評価シートと評定作業・評価面談の流れ
被評価者、評価者、参考意見者、調整者、評語決定者の関係を整理する
評価者:目標設定面談・振り返り面談・目標進捗管理・フィードバック面談等のマネジメントを行う
調整者:評価者の評価のばらつきを解消し、評価者のマネジメントを必要に応じて支援する
参考意見者:評価補助者として特定の部下に参考意見を出させる場合がある
ステップ3:ツールの設計
当社が特に力を入れているのは、評価制度の運用で問題となりやすい目標設定の運用支援ツールや、行動評価の具体的な等級別評価基準づくりなどで、数多くの事例を蓄積しています。
- 組織目標の明確化と目標連鎖のフレーム
- 下位等級の基本業務の洗い出し
- 目標設定の手引きの作成
- 行動評価の基準の作成(図)
ステップ4:導入手続き・運用支援(評価者研修)
評価制度に実効性を持たせるには、評価制度の趣旨・しくみの丁寧な説明だけでなく、評価制度の実施スケジュールに合わせて、評価者・被評価者がそれぞれ、どこで何をしなければならないかをわかりやすく説明することが不可欠です。当社では、そのための評価者研修に力を入れ、評価制度の運用をとおした社員のリーダーシップ開発に効果をあげています。
- 評価制度説明会:管理職・⼀般社員に、等級・賃金制度とのつながりを含めて評価制度運用マニュアルや目標設定、評価シートのしくみ、評価基準等を説明・共有します。
- 評価者研修:目標設定までの準備や⽬標設定面談、進捗管理と1on1、振り返り⾯談と評価の留意点、評価のフィードバック面談など、大事な評価イベントごとに具体的な事例を交えた研修を定期的に実施できるよう支援します。