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賞与制度の設計・導入

中堅・中⼩企業に最適な賞与制度の設計・導⼊のコンサルティング

企業業績に連動した賞与原資の決め方と、役割・貢献度の評価に基づく個人別の賞与配分基準

賞与の支給実態

賞与の支給方法は企業によってまちまちです。賞与を支給するかどうか、それをどんな額にするかについて、法律は何も規定していません。最低賃金法のような最低基準もなく、当事者の意思にゆだねられています。

(注)「賞与とは、定期または臨時に原則として労働者の勤務成績に応じて支給されるものであって、その支給額が、あらかじめ確定されていないものをいう」(昭和22年9月13日基発17号)

厚生労働省の毎勤統計をみると、2022年は1,000人以上の企業で年間154万円、3.9カ月分、100人未満の小企業でも約69万円、所定内賃金の2.4カ月の年間賞与が支給されています。

年収の15~25%にも相当する賞与を支給する以上、経営者としては確実な投資効果を狙わないといけないはずです。しかし実際は、賞与の決め方に確信が持てないまま、なんとなく惰性的に支給されている会社が多いのではないでしょうか。

 

規模別賞与の額と支給月数の推移(厚生労働省)

賞与の支給目的

賞与本来の基本機能は、半期ごとに利益(賞与を払う前の広義の利益)の一部を社員 に分配することにあります。その目的は、利益に貢献した社員の努力に報い、継続的な利益創出に向けて社員の意欲に投資することです。

そのためには、分かりやすい方法を使って、会社・事業の業績にふさわしい総額決定(原資の確保)を行い、個人の貢献度に応じた納得のいく賞与配分を実現し、社員のモチベーション・アップにつなげなければいけません。

しかし現状はどうかというと、これまで定例的に賞与を支給してきたため、毎回の賞与が賃金の後払い・既得権となり、さらにいえば一種の生活給のような感覚で支給する傾向が広がっています。

賞与の個人配分についても、全員一律月数で支給したり、あるいは対極的に部門業績の格差や職種別加算、個人の評価部分などが入り混じった複雑怪奇な方式も多くみられます。これでは半期の貢献褒賞という意味でも、将来への動機づけという意味でも投資効果は期待できません。

 

 

賞与の「あるべき姿」と現状

◎賞与の「あるべき姿」

  • 基本機能:利益の分配
  • 目的:半期の貢献褒賞+次の半期への投資
  • 原資(総額)の決定:会社・事業の業績に連動して決める
  • 個人配分:個人の貢献度に応じて配分する

×賞与の現状

  • 賞与が定例化して既得権のようになっている
  • 原則として賞与は支給しないという慣行
  • 企業業績や貢献度の評価との連動が不十分で生活給の性格が強い
  • 「前年・前回支給実績±α」で原資(総額)を決めている
  • 支給目的も配分方法も曖昧、または複雑化して意味不明

貴社に最適な賞与制度を設計

多くの企業では、「各人の賃金×○カ月分×査定率」などの賃金比例賞与を基本に、企業業績や人事評価に基づく調整を行う方式が一般的です。しかしこのような賃金比例方式は、どうしても前例踏襲的な年功重視の賞与になりがちで、世間相場に対しても受け身に流されやすいのが難点です。

当社では、賞与本来のあるべき姿を実現するため、⑴企業業績に連動した賞与原資の決定、⑵役割・貢献に基づくポイント制賞与配分という二つの方式を軸に、クライアントの業態や経営の実情に合った賞与制度の設計・導入をお手伝いしています。

賞与の決定方法の見直し・改革

業績連動賞与とは?

業績連動賞与は、「利益の分配に基づく、継続的な利益創出意欲への投資」という賞与本来の機能に着目し、企業業績に基づく弾力的な賞与を支給して社員の納得感と経営参加意識を高める手法です。

業績連動賞与にはいろいろな方式が考案されていますが、当社では中堅・中小企業でも運用しやすい営業利益連動型の業績連動賞与をお勧めしています。

これは「賞与配分前の営業利益」という概念からスタートして、利益の創出が賞与原資の合理的な決定に連動し、利益の増大・蓄積へのインセンティブとなるしくみを社員に公表し、毎期の実際の収益に連動した賞与を支給する考え方です。

賞与配分前営業利益の分配

業績連動賞与の計算⽅法

営業利益に基づく業績連動賞与の代表的なしくみを紹介します。これは図のように固定原資と変動原資 の2階建てで賞与原資(総額)を計算します。

  1. 決算期を上半期・下半期に区切り、半期間の賞与の最低保証分をあらかじめ「固定原資」として引き当てておきます。一般的には、「対象社員の基本給総額の○カ月分」を毎月均等割にして積み立てていきます。これが「1階部分」になります。
    (例)夏季・冬季それぞれ 対象社員の基本給月額×1.0カ月 ⇒ 固定原資
  2. 「2階部分」は、半期決算の変動原資を確保する前の営業利益の一定割合X%を「変動原資」として上乗せします。
    (例)変動原資前の営業利益×25% ⇒ 変動賞与原資
  3. 固定原資変動原資の合計が賞与原資(総額)となり、これを後から説明するポイント制賞与で対象社員に配分します。
  4. 変動原資を含めた賞与総額を社員に支給した残りが、実際の営業利益となります。

この方式のメリットは、あらかじめ固定原資を確保したうえで「実現利益の一定○%」を変動原資として確保することにより、賞与の安定性と変動性を両立できることです。

営業利益に基づく業績連動賞与の計算式

業績連動型賞与のメリット

業績連動賞与を導入する最大のメリットは、労使で客観的な算定式を共有しながら、実際の収益に連動した夏冬の賞与原資をガラス張りに決定できることです。これは社員、会社の双方に次表のような利点をもたらします。

これからは、毎年の賃金のベースアップも避けて通れませんが、業績連動賞与を通して収益の裏付けのとれた賞与原資が決定できれば、ベースアップ可能な収益状況かどうかも的確に判断できるようになります。

 

ポイント制賞与配分について

ポイント制賞与分配とは?

賞与の原資が決まり、これを個人に配分するときには、会社業績のよしあしだけでなく、各人の貢献度の違いが明確に賞与額に反映され、6カ月間の評価も本人に明確なメッセージとして伝わるようにしなければなりません。

ポイント制賞与は、このようなニーズにぴったりのシンプルな賞与配分方式で、数多くの企業に導入されています。

これは、図の例のように等級と評価の2つの要素をクロスさせた賞与の配分点数表をあらかじめ用意しておきます。半年ごとに各人の貢献度を等級別にSABCDで評価して全員の配分点数(持ち点)を求め、その持ち点に基づいて賞与原資を対象社員に比例配分するやり方です。

この配分点数表は、次のような特徴があります。

  1. 等級が高いほど点数が高い
  2. 貢献度が高いほど点数が高い
  3. 2段階一致で同じ点数になる(下位等級のA=上位等級のC)

これによって、従来型の賃金比例の賞与に頼ることなく、メリハリの効いた貢献度に応じた賞与の個人配分が容易に実現できます。

ポイント制賞与の配分基準

ポイント制賞与配分の⽅法について

賞与を支給するにあたり、各人の貢献度の違いは、次の二つの面から把握することができます。

  1. どれだけ困難な難しい仕事を担当し、重い役割を担ったか等級
  2. その役割の中で実際にどれだけの貢献をしたか評価

前者は、各人の担当する役割の重さの違いとして、役割等級で区分します。

後者は各人の半年の仕事を振り返り、通常は等級別の貢献度の個人差をSABCDで評価します。

責任が重く困難な役割(等級)の業務を担当し、しかも6カ月間の仕事の出来ばえ(評価)が最高であれば、その人は社内で最大級の貢献を果たしたといえるでしょう。

反対に簡単な役割でしかも出来ばえが最低ならば、その人の貢献度はミニマムになります。

この貢献度の違いを相対的な「賞与配分点」の大きさで表現しようというのが、ポイント制賞与のもとにある考え方です。

一度決めた配分点数表は、通常、給与規程に開示して固定します。

なお企業によっては、賞与原資が増えた時は配分点数の格差を拡大し、逆に賞与原資が小さくなったときは格差を縮小して弾力性を持たせ、納得感を高める工夫をする場合もあります。

貢献度の大きさを賞与配分点の大きさで差別化

ポイント制賞与の計算方法

ポイント制賞与を用いると、各社員の賞与支給額は次の手順でとてもシンプルに決めることができます。まず、上の事例(標準型)のような配分点数表を用意しておきます。そのうえで、

  1. 半期ごとに等級別に評価を行い、評価結果と配分点数表に基づいて各人の配分点数(持ち点)を決定します。
  2. 各人の配分点数を足し合わせて、全員の配分点数合計を求めます。
  3. あらかじめ決定した賞与原資全員のポイント合計で割り算して、1点単価を決めます。
  4. その1点単価を各人の配分点数(持ち点)に掛け算して、各人の賞与基準額を計算します。
  5. 賞与基準額出勤係数(※)を掛け算して、実際の賞与支給額を計算します。

※出勤係数は、賞与対象期間中の欠勤や休職、短時間勤務、途中入社などの勤務状況を反映するための係数です。

 

このような計算は、エクセルなどの表計算で瞬時にでき、いろんなシミュレーションが容易に行えます。

ポイント制賞与の計算方法

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