第14回 退職勧奨の限度について

中川恒彦の人事労務相談コーナー
Q
仕事に対する意欲、成果等からして、あまり当社の仕事に向いていないのではないかという社員がいます。
いろいろと助言、指導もしてきましたが、まったく向上の気配がみられないので、退職を勧奨したいと考えていますが、勧奨の仕方、回数等について、どの程度であれば法的に許容されるのでしょうか?
A
退職の勧奨は、使用者側の明確な解雇の意思表示と異なり、労働者の自発的な退職の申し出を促す説得行為です。したがって、退職の勧奨に応じるか否かは、当該労働者の自由な意思によるべきものです。
そのような趣旨を超えて労働者に心理的圧力を加えるような場合は、「退職勧奨」の範囲を逸脱し、民事上の不法行為となる場合があります。