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第24回 ミドルの目標設定とトップを支える役割

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第24回 ミドルの目標設定とトップを支える役割

前回は、経営目標管理のための、ミドルマネジメントの役割について説明しました。
今回は、ミドルの目標設定の考え方と、トップマネジメントを支えるミドルの役割について述べたいと思います。

経営目標管理(4) ミドルの目標設定とトップを支える役割

(1) ミドルの目標の立て方

 ミドルの日々の仕事は下から決まります。ミドルは、担当する組織の業務とそのプロセスを決め、部下に仕事を割り振り、日々のオペレーションと部下の働きに責任を負わねばなりません。

 しかし組織全体の成果に対するミドルの役割と責任は上から決まります。ミドルの目標は、常に会社全体の成果に向かって、上向きに設定することが求められます。

 ミドルは、自部門が達成すべき目標そのものを、自らの目標としなければなりません。
 例えば販売部門長は、部下と分け合って設定した個人的な販売目標の数値や、自分の担当取引先との商談だけを達成すればよいわけではありません。

 部下がそれぞれの目標を達成することを支援し、成果をあげさせ、部下とともに販売部門全体の目標を達成する責任があります。
 1人のプレイヤーとして自分が担う販売目標は、部門目標達成のための当然の仕事としてこなさねばなりません。

 ミドルが上からの役割と責任に応えるためには、全員が上位部門の目標設定に参画し、トップマネジメントそして上司とビジョンを共有することが重要です。組織全体の成果と、ミドルの担当部門の成果にとって、何が最大・最高のインパクトになるのかを、上司と一緒になって考えるのです。ミドルにとって、これ以上の動機づけはありません。

 そのうえで、ミドルは担当部門の目標を部下とともに検討します。部下全員である必要はありませんが、右腕やキーマンとなる部下は必ず巻き込む必要があります。

 このように部下を目標に参画させてはじめて、部下に対して何を要求すべきかをミドル自身が知ることができ、同時に、何のために、何に対して貢献すべきかを部下に伝えることができます。

 また、要求されている成果を部下がどれだけ理解しているかも知ることができます。
 さらに、部下自身の目標設定を一緒になって考え、目標達成を支援することが、部下とコミュニケーションをとり、リーダーシップを発揮する最良の機会にもなるのです。

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(2) 「一匹狼」タイプの取り扱い

 組織のすべての構成員は、組織全体の成果という共通の目標に向けて足並みを揃え、一致した行動を取らなければなりません。ミドルは特に、このことが重要です。
 もし、足並みを揃えられない問題や、結束・一致できない理由があるなら、その原因をお互いに明らかにし、原因にさかのぼって解決する必要があります。

 例えば、組織全体の成果に対する考え方にズレや対立がある場合、そのズレや対立を生みだしている認識や価値観に原因があるのかもしれません。表面的な違いを議論するのではなく、根本的な前提まで遡って議論すれば、考え方のズレや対立も解消できる可能性があります。

 しかし中には、あえて足並みを揃えようとしない「一匹狼」タイプの人もいます。彼らは、組織の価値観より個人の価値観を優先しがちで、踏み込んだ議論を避けたがるかもしれません。
 その行動が、組織全体の成果と最終的には矛盾・対立しないのであれば、それでも構いません。彼の考える成果が、将来的に組織全体に貢献するのであれば、むしろ大事にすべきです。

 しかし、彼の考える成果と、組織全体の成果とが根本的に相入れないのであれば、その人にはいずれ退出してもらう必要があります。
 末端の社員であれば、その解釈や認識に多少のズレがあっても、本人の気持ちの中に収めさえすればなんとかやっていけるかもしれません。

 しかし、組織の上層と下層のベクトルを合わなければならないミドルの立場は、ごまかしが効きません。ミドルの仕事を任せる方も、任せられる方も、そのことをよく理解しておかねばなりません。

(3) トップマネジメントを支えるミドルの役割

 ミドルは、トップが行う組織全体の重要な意思決定とその意味や影響を理解し、自分の担当部門、担当分野の仕事に関わる重要な知識や情報を提供する義務があります。それがたとえ言いにくいことであってもです。

 その義務を果たすためには、ミドルは事業の目的とミッション、経営目標と戦略、組織の行動規範をよく理解している必要があります。そうでないと、ミドルは物事の判断基準を持てず、トップに意見を具申する優先順位をつけることができません。

 もし、トップがこのような方向性を明らかにしていないのであれば、明らかにするように要求し続ける必要があります。

 トップ自身も、ミドルを担当部門や専門分野の唯一の責任者として扱い、彼らから意識的に学ばなければなりません。自らがどれだけ有能なたたきあげであろうと、自らの経験に絶対的な自信があろうと、ミドルをないがしろにするようなトップのもとには、いずれ正しい現場の情報が入ってこなくなります。

 会社にとって極めて重要な機会やリスクの情報が入ってこなくなれば、経営トップも現場を踏まえた事業の展望、ビジョンが持てなくなってしまいます。
 トップが裸の王様にならないためには、ミドルを自らの頭脳、感覚器官の延長と捉え、賢明に活用する方法と習慣を持たなければなりません。

 次回は、組織の一人ひとりの仕事を生産的なものにするための、個人の自己目標管理について述べたいと思います。

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