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第196回 副業・兼業の促進に関するガイドライン(改定版)について -1-

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第196回 副業・兼業の促進に関するガイドライン(改定版)について  -1-

 中川恒彦の人事労務相談コーナー

中川恒彦先生のプロフィールはこちら

今回は、2020年9月に発出された「副業・兼業の促進に関するガイドライン(改定版)」を取り上げます。注意深く読み解かずにガイドラインの内容を鵜呑みにしてしまうと、会社に不利に作用することがあるかもしれませんので、注意すべき文章を実際に例示しながら、ガイドラインの法的拘束力や、就業規則に新しい定めを置く際の留意点について解説します。(ホームページ編集部)

Q

先般、「副業・兼業の促進に関するガイドライン」の改定版が出されました。随分と詳細なガイドラインですが、当社従業員が他社において副業に従事するとした場合、どのように適用するかという視点を含め、わかりやすく説明いただけないでしょうか。

A

本コーナーにおける通常の記述のように、回答の要点を数行で説明することはできませんので、労働時間の通算、労働時間の把握、割増賃金の支払、簡便な労働時間管理等について項目ごとに説明したいと思います(数回に分け連載予定)
なお、労働時間管理に関する部分の解説を中心とし、安全配慮義務、競業避止義務、労災保険、雇用保険適用に関する部分等については省略します。

〔解説〕

1 はじめに

 「副業・兼業の促進に関するガイドライン」は、平成30年(2018年)1月に出されましたが、令和2年9月(2020年)改定されました。
 はじめの「ガイドライン」はA4で6ページという比較的短いものでしたが、今回改定された「ガイドライン」は、20ページという詳細なものとなりました。
 特に労働時間管理に関しては8ページをさいており、自社の労働者が他社で労働する場合の労働時間の通算、時間外労働となる部分の考え方、割増賃金支払義務者は自社か他社かなどといった点について、詳細に示しています。
 はじめの「ガイドライン」に関しては、2018年5月頃から5回連続で、本コーナーで解説し、昨年10月頃から4回連続で、当社従業員が他社で副業をした場合の割増賃金について解説しましたので、今回の解説はそのときの解説と重複する部分もありますが、今回の新「ガイドライン」の解説のために必要と考えましたので、ご了承ください。
※過去に掲載したガイドラインの連載はこちら(連載第1回) 
※過去に掲載した副業の割増賃金について連載はこちら連載第1回
 なお、本ガイドラインで示された労働時間に関する内容の多くは労働基準法の適用と直結するものであり、本ガイドラインに準拠しなければ労働基準法に抵触することとなる場合もありますが、当然のことながら、ガイドラインに書かれていることであっても、労働基準法に定められていないものについては、対応は強制されません。
 たとえば、
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