第148回 「同一労働同一賃金ガイドライン案」について

中川恒彦の人事労務相談コーナー
昨年12月20日に公表された「同一労働同一賃金ガイドライン案」は、従来から論じられてきた「同一労働同一賃金」とは相当に性格が異なっています。 法的には、今後、労働契約法、パート労働法、労働者派遣法に「ガイドライン」の考え方を盛り込むことによって、その実現を図る形になると思われます。 今回は、従来から論じられてきた「同一労働同一賃金」とガイドライン案でいう「同一労働同一賃金」の違いに触れながら、今後の予定、見通しなどについても解説していきます。(ホームページ編集部)
Q
昨年暮れ「同一労働同一賃金ガイドライン案」が公表されましたが、去る3月14日に開かれた「働き方改革実現会議」では、時間外労働の上限規制等と合わせ、早期に関係法案の国会提出を図るといった報道がなされていました。
時間外労働の上限規制は労働基準法の改正を伴うものと理解していますが、「同一労働同一賃金ガイドライン案」の方はどういった形になるのでしょうか。当然「案」がとれて「ガイドライン」になるのでしょうが、その法的位置づけ、施行の日程等はどのようなものになるのでしょうか?
A
「同一労働同一賃金ガイドライン案」は、従来から論じられてきた「同一労働同一賃金」とは相当に性格が異なっており、「無期雇用労働者」と「有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者」との間の合理的な説明のできない格差を(賃金のみならず、処遇の格差等も)なくそうとするものであるといえます。
法的には、労働契約法、パート労働法、労働者派遣法に「ガイドライン」の考え方を盛り込むことによって、その実現を図る形になると思われます。
これらの改正法案の国会への提出時期は不明ですが、秋の臨時国会ないし次の通常国会(平成30年1月召集)が予想されます。