第194回 午前半日年休、午後労働、その後残業に対する割増賃金支払の要否

中川恒彦の人事労務相談コーナー
今回は、いわゆる半日有給取得時の残業代計算について取り上げます。「半日有給取得日の超過勤務に対して1.25倍の残業代支給は必要?」「結局のところ、半日有給分の他にどれだけの賃金を支給すればよいのか」このような実務上のお悩みにこたえるポイントを解説していきます。半日有給制の根拠となる通達も紹介していますので、ぜひご確認ください。(ホームページ編集部)
Q
午前中に半日年休を取得して午後から出社し、所定終業時刻後引き続き3時間労働した場合、その残業に対して割増賃金を支払うべきでしょうか。年休は労働したものとして取り扱う必要があると思われますから、割増賃金を支払うべきでしょうが、午前中は実際には労働をしていないのですから、実労働時間は8時間を超えていません。どう考えるべきでしょうか。
A
時間外労働に対する割増賃金制度は、具体的に労働に従事した時間が8時間を超えた場合に支払が義務づけられているものであり、自己都合による欠務であれ、年休であれ、実際に労働に従事していない時間が含まれている場合には、その時間を控除した時間が8時間を超えた場合に割増賃金支払義務が生じます。
〔解説〕