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中堅・中小企業におけるこれからの管理職のあり方ー20ー

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中堅・中小企業におけるこれからの管理職のあり方ー20ー

第20回『マネジャーに必要な素養とは?』(11)

 こんにちは。人事コンサルタント・CDA・中小企業診断士の渡辺俊です。
 さて、ここまでご紹介してきた、現代マネジメント研究会代表 菅野篤二氏の提唱する「管理者に必要な5つの技法」も、いよいよ最後の5つ目になります。5つ目は、「ヤル気の起きる職場づくりの技法」です。

1.ヤル気の起きる職場ってなんだ?

 菅野氏は、ヤル気の起きる職場とは、「社員一人ひとりがヤル気があり、自分で考えて行動できる職場」=「職場全体が活気に満ち、ヤル気があり、目標達成している職場」と言っており、具体的には、下表のような8つの特徴があることを示しています。

 このような職場であれば、確かに、一人ひとりがおのずとヤル気になり、職場全体が活性化するように思えます。

 先日、ある会社の管理職研修で、「すばらしいチームについて考えよう」というワークをしました。自分がこれまで所属してきた「すばらしいチーム」または、世間で見聞きする「すばらしいチーム」を思い起こし、そのチームが持っていた良かった点、特別な点を、思い思いに書き出してみようというワークです。

 それぞれが取り上げた「すばらしいチーム」は、高校時代の部活動、地域の草野球チーム、学生時代の仲間、同業の若手社員同士の勉強会、家族・親族、など様々でしたが、書き出された「要素」には、いろいろと共通点がありました。
 それらをまとめてみると、おおむね下記のように整理することができました。

 このワークでは、「すばらしいチーム」について特に定義づけはせず、「それぞれが考えるすばらしいチーム」を想起してもらいました。しかし、こうして出てきた要素をあらためて眺めてみると、以下の点で、菅野氏の言う「ヤル気の出る職場」と共通していると言えます。

 ◆信頼関係がある
 ◆コミュニケーションが、密に、フランクにとれる
 ◆全員で目指す目標がある
 ◆失敗を恐れずチャレンジできる
 ◆個々の意見が尊重される
 ◆自分たちで考え、決める
 ◆互いに支援・協力し合う
 ◆成果が出る

 つまり、「一人ひとりが尊重されることで活躍し、それが相乗効果となって、組織全体の活力や成果につながっている状態」こそが「ヤル気の起きる職場」であり、ひいては、チームとしての理想の姿だと言えるのではないでしょうか。

2.ヤル気の起きる職場に影響するものは?

 しかし、このような「ヤル気の起きる職場」が、どこでも普通に見られるというわけではありません。自身の職場を考えてみても、簡単にできるものではないと感じる方が少なくないと思います。

 菅野氏は、実際にこのような「ヤル気の起きる職場」になるかどうかは、
 〇職場全体の風土
 〇部下のヤル気
 〇管理者の行動
の3つの要素が影響し合って決まると言っています。

 1つ目は、職場全体の風土です。すなわち前例、その職場の歴史、伝統、メンバー間の申し合わせなど、その職場に定着している慣習です。この職場慣習は個々人の考え方、行動を越えたところに存在して、個々人の行動を規制します。

 もちろん、それが、個々人の行動をよりよい方向に促進、後押しすることもありますが、制限する、踏みとどまらせる方向に働くこともよくあります。

 たとえば、何か新しいことを提案し、実行しようとした時、「それはうちの風土に合わない、今までそのようなやり方をやってきていない、今までどおりでもやれるのだから」というように、職場慣習が新しいことを排除する力になりやすいことは、組織で働く多くの人が感じるところではないかと思います。

 2つ目は、個々人のヤル気です。人は誰しも様々な欲求を持っています。個々人のヤル気とは、それぞれが持っている欲求を満たすための行動目標を言います。

 職場のメンバー一人ひとりが、どれだけ行動目標を持って仕事に取り組んでいるかが、職場全体のヤル気に大きく影響するのです。
 ただ、ここで難しいのは、欲求というものは、人それぞれ異なるということです。その人の人生観、価値観によって欲求はさまざまです。

 相互作用によって、それぞれの欲求がよき相乗効果を生む場合もあれば、足を引っ張りあう可能性もあることを理解しておかなければなりません。

 3つ目は、管理者の行動です。個々人のヤル気は、本人の欲求だけから生まれるものではありません。管理者の行動、特に接する機会の多い直接の上司の行動の一つひとつが、部下の行動、ヤル気に大きな影響を及ぼします。

 部下の目に映る上司の行動が、すごいなと尊敬できるものであったり、なるほどと納得できて、自分もそうなりたい、真似してみようと思えるものなら本人によき影響を及ぼします。
 しかし、言うこととやることがかけ離れていたり、見習うべきこと、学ぶべきことがないように思える上司は、かえって好ましくない影響を及ぼすでしょう。

 管理者が、自身の役割と部下に対する影響の大きさを十分認識し、率先してその立場にふさわしい行動をとるかどうかが、部下のヤル気を左右し、ひいては職場のヤル気に影響するのです。

 また管理者は、組織の運営を通して、過去から定着している慣習を継続・強化することもできれば、逆に、古い慣習を打ち破り、変革することもできます。つまり、部下のヤル気に大きく影響する慣習そのものに、直接かかわることができる立場でもあるのです。

 そう考えると、先に掲げた3つの要素のうち、もっとも影響度が大きいのは「管理者の行動」だと言えるように思います。「ヤル気の起きる職場」にする鍵は、管理者が握っているのです。

3.管理者がすべきことは何か?

 とするならば、「ヤル気の起きる職場」を生み出し、維持していくために、管理者は具体的に何をすればよいのでしょうか?
 菅野氏は、管理者が、以下の6つを実行することが、ヤル気の起きる職場づくりにつながると言っています。

 6つの項目を俯瞰してみると、これまで紹介してきた「リーダーシップの技法」「目標管理の技法」「コミュニケーションの技法」「部下育成の技法」を、統合したものであることがわかりますね。

 「ヤル気の起きる職場」というものは、管理者が、これらの技法を日ごろから意識、トレーニングし、必要な時に、状況に応じて随時繰り出すことを、あきらめずに地道に継続していくことによって、いつの間にか生まれ、イキイキとした個の集合である組織という有機体として、自己成長していくものではないかと、私は思います。 

 ここまで11回にわたり、マネジメントという多岐にわたる役割・仕事を担うためにマネジャーが持つべき素養について、ヒューマン・スキルを中心に考えてきました。

 次回からは、ここまでの学びを振り返りながら、経営・人・組織を取り巻く環境がさらにめまぐるしく変化していくと予測される中で、これからのマネジャーはどうあればよいのか、いわば「マネジャーの未来」について探求していきたいと思います。

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