第130回 裁量労働者の年休に対してみなし残業手当も支給すべきか

中川恒彦の人事労務相談コーナー
今回は、年次有給休暇取得時の賃金と裁量労働者のみなし残業手当の考え方を、関連する通達を紹介しながら解説します。
(ホームページ編集部)
Q
当社では、研究室において新商品の研究開発の業務に携わる者について専門業務型裁量労働制に関する協定により「1日10時間労働したものとみなす」ことにしており、1日につき2時間の時間外労働があったものとして時間外手当を支払っております。
ところで、裁量労働従事者が年次有給休暇をとった場合、基本給等月額所定の手当を支払うことは当然ですが、この2時間分の時間外手当も支払わなければならないものでしょうか?
A
年次有給休暇に対する賃金として「所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金」を支払うこととしている場合には、裁量労働制に関する協定に基づき支払うこととなっている割増賃金を支払う必要はありません。