第121回 オール歩合制は違法かー2ー

中川恒彦の人事労務相談コーナー
固定的賃金制度を設けないオール歩合給の制度は違法ではありませんが、労働時間に応じて一定の保障給を支払う必要があります。
では、この保障給と日給や月給などの固定的賃金は何が違うのでしょうか。
また、固定的賃金と歩合給を併用している場合、保障給はどのように考えればよいのでしょうか。
今回は、意外と勘違いされやすい、歩合給制度における保障給と固定的賃金について詳しく解説しています。(ホームページ編集部)
Q
当社は運送業を経営していますが、ときどきオール歩合制は違法であるということを聞きます。現在オール歩合制を採用してはいませんが、違法であるとすればなぜ違法なのかを説明していただけないでしょうか?
A1
月給、日給といった固定的賃金制度を設けず、売上げ、輸送量等に応じて賃金を支給する歩合給制度のみであっても、必ずしも労働基準法に違反するものではありません。
ただし、労働時間に応じた一定額の賃金保障は必要です。
A2
本体賃金が歩合給だけの場合であっても、労働者が1日8時間、1週40時間等の法定労働時間を超えて労働した場合には、歩合給を基礎賃金として割増賃金を支払わなければなりません。