第122回 オール歩合制は違法かー3ー

中川恒彦の人事労務相談コーナー
今回は、歩合給の労働者に対して割増賃金を支払う必要があるのか、支払う場合、その計算方法は一般的な賃金支払いの労働者と同じで良いのか、歩合給の中に割増賃金が含まれていることにして良いのか、などといった問題について考えていきます。(ホームページ編集部)
Q
当社は運送業を経営していますが、ときどきオール歩合制は違法であるということを聞きます。現在オール歩合制を採用してはいませんが、違法であるとすればなぜ違法なのかを説明していただけないでしょうか?
A1
月給、日給といった固定的賃金制度を設けず、売上げ、輸送量等に応じて賃金を支給する歩合給制度のみであっても、必ずしも労働基準法に違反するものではありません。
ただし、労働時間に応じた一定額の賃金保障は必要です。
A2
本体賃金が歩合給だけの場合であっても、労働者が1日8時間、1週40時間等の法定労働時間を超えて労働した場合には、歩合給を基礎賃金として割増賃金を支払わなければなりません。