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第25回 個人の自己目標管理

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第25回 個人の自己目標管理

前回は、経営目標管理を進める中核となるミドルマネジメントの役割について説明しました。
今回は、組織目標を受けとめ、自主的に行動する社員一人ひとりの「自己目標管理」について述べたいと思います。

経営目標管理(5) 個人の自己目標管理

(1) 自発的な自己目標を導くためには

 自己目標管理とは、担当者が個人として目標を持ち、その進捗を自分で追求・管理することです。
 ただし、自己目標管理と言っても、個人にいきなり自分の目標を設定させるような方法をとってはいけません。

 それでは、各人が自分の頭の中で大事だと考えているものをそのまま目標にしてしまいます。全員が自分の立てた目標を達成しようとして一生懸命仕事をしても、組織の目標が達成されるとは限らず、逆に矛盾や軋轢を生む可能性もあります。

 このような事態を招かないためには、 必ず、所属組織の目標は何かを組織メンバー全員が理解・共有しなければなりません。あるいは、もし自分が所属組織のキーマンであるならば、自分も上司と一緒になって組織目標を考えるところから始める必要があります。

 組織の責任者であるミドルマネジメントの場合は、会社全体の目標に対して、担当組織として何を目標とすべきか、そのために、メンバーに何を期待し、何を要求できるかを考えます。そして、メンバーをその目標検討に巻き込みながら、組織目標そのものに参画させるのです。

 メンバーは組織目標を自分のことと受け止めて初めて、自分に何が要求されており、どのような目標を設定すべきかを理解できます。このことにより、ミドルは部下に具体的な目標設定を促すことができるようになり、目標の自発的な達成を促すことができるようになります。

 ただし、一方的に要求するだけで、思い通りに部下一人ひとりが自己目標を設定できるわけではありません。ミドルは部下の目標設定を助けるとともに、部下の立てた目標の意味、方向性、価値を一緒に吟味しなければなりません。本人の意見を汲み、しかし、必要があれば修正し、本人が意欲を持てるように支援する必要があります。

 目標が決まったら、引き続き仕事の進め方を助言し、相談に乗り、上司として目標の達成を支援します。もしうまくいっているようであれば、本人の自己管理に任せ、様子を見守るだけでよいでしょう。

 しかし、うまくいってないようであれば、何が問題になっているのかを質問し、解決策を指示する必要があります。あるいは問題を一緒になって考え、解決策を探ったり、時には率先垂範してやり方を示す必要があります。このような支援的な活動を通して、ミドルは上司としてのリーダーシップを発揮することができるのです。

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 最後に、部下の業績評価を行います。組織としての成果と個々の部下の出した成果、その仕事ぶりについて検討し、本人にその詳細をフィードバックします。その際には、上司の一方的な考えを伝えるのではなく、部下とともに成果と活動を振り返ります。

 部下はこのフィードバックを受けて初めて、自分の仕事ぶりと生み出した成果の意味、その価値を知ることができますし、自分の評価について、上司と共通認識を持てるようになります。

 また、自分の仕事や出した成果の意味・価値を知ることは、仕事を改善し、思考や行動を高めるための明確な情報を本人に提供することにもなります。このことが各人の仕事の自己管理を可能にし、高い成果をあげるための強い動機づけにつながるのです。

 自己目標管理は、仕事や成果の管理を通して、人の行動を支配することではありません。それでは、上からの押しつけになり、本人とっては苦痛となるノルマでしかありません。

 より大きな全体成果の理解、上位目標への参画、そこから必然的に導かれる自主的な目標の設定、自己管理による仕事への意欲、動機づけこそが自己目標管理の価値なのです。

 経営目標管理についての解説は以上で終わりです。
 次回からは、仕事の成果をあげる(あげさせる)ためのポイントについて述べたいと思います。

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