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継続雇用ー2ー

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継続雇用ー2ー

著者・米田徹氏のプロフィールはこちら

賢い会社の就業規則・人事規程作成のポイント(39)

Q

前回は定年後の継続雇用制度で雇用される社員は通常「嘱託社員」等と呼び、「継続雇用規程」を定めるのが良いというお話でした。
具体的には、どのような内容になるのでしょうか。

A

「定年制」のある会社の就業規則では、必ず「定年」の定めをしますね。

 そして、定年後も引き続き就労させる者に対しては継続雇用契約を締結して、嘱託社員として処遇することになります。
 そのような嘱託社員の取扱いについて定めるのが「継続雇用規程」の目的です。

継続雇用規程例
(目的)
第1条 この規程は、当社の従業員であって、就業規則第○条に定める定年年齢後に引き続き継続して雇用される者の取扱いについて定める。

 嘱託社員は定年後も継続して雇用されることを希望する社員というわけですから、会社では「継続雇用申請書」のようなものを用意し、例えば 定年退職日の○○日前までに提出するといったルールを定めておくのが望ましいと考えます。

 前回も説明しましたように、改正高年法の施行により平成25年度からは、満60歳で定年を迎える社員が継続雇用を希望した場合、会社は原則としてこれを断ることはできないことになります。

Q

労使協定で継続雇用の基準を定めている会社の場合には、その基準が使えるのは年金が支給開始される61歳(平成25年4月2日から平成28年4月1日まで)以上ということでしたね。

A

経過措置を利用する会社の場合はそうなります。厚生年金の支給開始年齢は男女で異なっていて女性は男性より5年遅れのスケジュールになっているので、女性社員はまだ60歳から老齢厚生年金を受け取ることができるのですが、継続雇用の基準の適用年齢の下限は男女同じになっています。

 なお、定年を迎える社員が継続雇用を希望した場合であっても、「心身の故障のため業務に堪えられないと認められること、勤務状況が著しく不良で引き続き従業員としての職責を果たし得ないこと等就業規則に定める解雇事由又は退職事由(年齢に係るものを除く。)に該当する場合には、継続雇用しないことができる。」(厚労省)とされていますので、「解雇」相当の事由のある社員は継続雇用の対象外であることを規定しておきましょう。

Q

次に継続雇用における契約期間ですが、嘱託の場合には期間を1年とし65歳に達するまで毎年更新するという場合が多いと思います。

A

そのような会社が多いと思いますので、「継続雇用規程」にも1年更新であること等を明記します。

 それから、毎年の契約の更新基準についても定めておくべきでしょう。

 改正高年法の趣旨から言えば、「更新できない特段の事情がない限り」、嘱託社員は65歳に達するまでは契約を更新するのが普通でしょうが、労使協定で継続雇用基準を定めている会社の場合には、毎年の契約更新時にもその基準等を使うことを「継続雇用規程」(及び労使協定)に定めておけば毎年の更新基準として使うことも可能だと考えます。

 更新する嘱託者の身分については、期間の定めのある従業員、又は契約社員といった言い方もできるでしょう。

 また、嘱託であっても役職者として扱っている会社もあるので中小企業の場合、「嘱託者は役職につけない」といった条項は特に入れる必要はないと考えます。

Q

次に労働条件について伺います。まず、継続雇用者の年次有給休暇の扱いです。
再雇用時の年休の付与はどのようにすべきなのでしょうか?

A

定年退職で年休は一旦すべてリセットするという会社がありますが、雇用は定年前後で継続しているわけですからそのような扱いは不適切です。

 勤続年数は通算継承して考える必要があり、勤続6年半を超えていれば年間20日(通常勤務日数の嘱託社員の場合)付与することになります。

 また、未消化分の年休は翌年に限り持ち越せるという繰越しルールもそのまま適用されることになります。

Q

賃金、賞与また退職金のような労働条件は、各人ごとに個別の嘱託雇用契約書で定めるとしてかまいませんか?

A

嘱託者についての労働条件は各人毎の職責や能力によりかなり異なることが考えられますので、「継続雇用規程」で画一的に定めるのは困難な場合も多いでしょう。

 その場合を考慮して、「嘱託社員の賃金は嘱託雇用契約時に締結する」といった形で良いと思います。

 しかし、毎回の契約更新時に賃金改定があるか否か、賞与や退職金が支給されるか否か等は、トラブル防止の観点から嘱託社員に共通する原則ルールとして「継続雇用規程」に明記すべきだと考えます。

Q

「継続雇用規程」を作成する上で、その他に留意事項などはありますか?

A

嘱託社員は1年間の有期契約が多いわけですが、期間途中で退職という場合を想定していない規程も多いので、中途の「退職」についても定めておくと良いでしょう。本人の都合による「自己都合退職」や、会社が「正常な就業が期待できないと判断した時」は期間途中でも退職となりうる旨を定めると良いでしょう。

 なお「継続雇用規程」は定年後の嘱託者に関する継続雇用に関する規定ですので、正社員用の就業規則に書かれているような内容をすべて盛り込むことのは煩雑になると考えます。
 ですから、継続雇用規程と嘱託雇用契約書に定めのない事項については、就業規則の規定を準用するといった定めを入れておくとよいでしょう。

 この場合、「退職金」の有無や「休職規定」の有無については「継続雇用規程」できちんと定めておかないと正社員規則と同様とみなされてしまうリスクがあるので十分注意してください。
 その上で、「服務規律」「懲戒規定」「育児介護休業規定」また「安全衛生」などは正社員の規則に準じるといった扱いで問題なければ以下のように規定します。

(就業規則の準用)
・この規程及び嘱託契約書に定めのない事項については、正規社員用の就業規則の規定を準用する。

 それでは、次回はパートタイマーなど非正規社員の就業規則について検討しましょう。

今回のポイント

  • 「継続雇用規程」は、定年後も引き続き嘱託社員として継続雇用される社員の取扱いに関する規程である。
  • 嘱託者との契約は通常1年更新とする場合が多いので、毎年の契約の更新基準についても明確に定めるようにする。
  • 定年後の年次有給休暇の扱いは定年前後で雇用が継続しているので、勤続年数の通算や未消化分の繰り越しが必要である。
  • 賃金等の労働条件は個別の雇用契約書で定めるのが一般的だが、賃金改定、又賞与や退職金の有無などの原則的なルールは「継続雇用規程」に明記すべきである。
  • 「服務規律」など正社員の規則に準じるといった扱いで問題ない項目については準用規定を定める。
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