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パートタイマーの就業規則ー1ー

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パートタイマーの就業規則ー1ー

著者・米田徹氏のプロフィールはこちら

賢い会社の就業規則・人事規程作成のポイント(40)

Q

当社では正社員以外に多数のパートタイマーを雇用しています。今回はパートタイマーに適用する就業規則を作る際の留意点について教えてください。

A

これまで、このシリーズでは企業の労働力の中心は正社員という前提で正社員用の就業規則を中心に説明してきました。

 また、正社員が定年を迎え再雇用制度により嘱託として働く人も増えていることから、 前回は嘱託社員に適用される「継続雇用規程」について解説しました。

 しかし、平成23年の総務省の発表によれば雇用に占める非正規社員(パートや派遣)の割合は35.2%に達しているとのことですから、多くの企業にとって非正規社員の労働力は格段に高まっていると言えそうです。

 派遣社員については、派遣元に就業規則作成義務がありますが、自社で雇っているパートタイマーについては当然、 それらのパート労働者に適用される就業規則を整備する必要があります。

Q

今やパートタイマーが企業の主戦力になっている企業も多々見られるわけですから、就業規則を整備し組織だった労務管理をする必要がありますね。

A

法律的には、「常時10人以上の労働者を使用する使用者は、就業規則を作成し、行政官庁への届出をしなければなりません」。

 正社員も含め10名以上いれば、パートタイマーがその事業場に1人、2人でも、パートタイマーに適用される就業規則が必要です。

 正社員の就業規則を適用(準用)している会社もありますが、パートタイマーと正社員では労働条件が大きく異なるはずですから、そのようなやり方には限界があります。常時一定数のパートタイマーを雇用しているのであれば専用の就業規則を作成すべきでしょう。

Q

パートタイマー用の就業規則を作成する場合、その規則が適用されるパートタイマーについての定義はどうすればよいでしょうか?

A

パートタイマーをどのように定義づけするかは慎重に検討する必要があります。

 正社員に比べ所定労働時間が短い場合だけでなく、フルタイムパートと呼ばれ所定労働時間は正社員と変わらないという場合もあると思います。

 賃金については正社員は月給制だがパートタイマーは時給制(又は日給制)という場合もあるでしょう。いずれにしても、正社員と何が違うのかをきちんと定義して適用される労働者の範囲を明確にする必要があります。

例.(パートタイマーの定義)
第○条 この規則でいうパートタイマーとは、正規社員に比べ所定労働時間が同等又は短いもので、かつ、時給制によって雇用された者をいう。

Q

当社の場合、パートタイマーと呼んでも実際には所定労働時間は正社員と同等で賃金も月給制という者もいます。
ただパートタイマーは有期雇用で、契約は1年単位に反復更新する者が多く、この点で契約期間に定めのない正社員と区別できると考えているのですがいかがでしょうか。

A

所定労働時間が同じで月給制という点は正社員と同じで区別がつかないので、有期労働契約か否かという点で正社員とパートタイマーを区別するわけですね。

 労働の実態は、パートタイマーと正社員とは採用の方法も人材活用の仕組みも異なっていると想像しますが、パートタイマーを定義付けるとなると明確な基準が必要になりますからね。

 おっしゃるように従来は、有期労働契約か否かで正社員か非正規社員かを区別することもできたかもしれませんが、今年(平成25年)4月から施行される、「改正労働契約法」では、同じ会社で通算5年を超えて有期労働契約の更新を繰り返した場合、本人が無期への転換を申込めば無期労働契約に転換すること(拒否は不可)とされました。

 この場合、雇用期間が有期(1年等)から無期に変わったこと以外の労働条件は原則として変わりません。
 したがって、労働契約が有期か無期かということだけで正規、非正規(パート等)を分けている場合は今後十分な注意が必要になります。

 なお、契約期間(通算5年)のカウントは平成25年4月1日以降に開始する契約が対象になるので、1年契約であれば「無期転換の申込み」ができるのは法施行後5年以上先(実際に無期転換が生じるのは平成30年4月以降)のことになります。

Q

なるほど、今後は当初は有期労働契約者として雇用しても更新を繰り返していれば無期労働契約に転換する場合がありえるのですね。
無期契約になった時点で正社員にするのなら別ですが、そうでない場合には無期労働契約の非正規社員(パートタイマー等)という取扱いが必要になりそうですね。

A

そうです、無期転換者が出る可能性がある5年先を見据えて検討が必要になります。

 さて、「パートタイマー就業規則」を作成する際には、特に正社員とパートタイマーで処遇がどのように異なるのかを明確にする必要があります。
 通常考えられる相違は、「退職金の有無、賞与の有無、給与体系、休職の取扱い、特別休暇の取扱い、勤務地や業務の変更、契約期間。」等々といったあたりでしょうか。

 正社員とは扱いが異なる点については、「パートタイマー就業規則」の中で明確に記載しましょう。
 パートタイマーとは個別の労働契約書を交わすと思いますが、就業規則の内容に満たさない契約部分は無効で就業規則の規定が適用されますのでご注意ください。

 それから、パートタイマー就業規則を作成したら正社員にもしっかり理解させておきましょう。
 現場の正社員がきちんとパートタイマーの就業条件を理解していなければ誤った情報を伝えてしまい、混乱をきたす可能性があるからです。

Q

当社では、パートタイマーのうち特に勤務成績の良いものを正社員に登用したケースがあります。このようなことも就業規則に規定すべきでしょうか?

A

正社員への転換制度ですね。

 パートタイム労働法では、通常の正社員への転換を推進するために、「正社員を募集する際、その募集内容を社内に掲示するなどしてパートタイマーからも応募を募る。」または「正社員登用のための試験制度など転換制度を導入する。」等の正社員への転換推進措置を講じなければならないとしています。

 パートタイマーの人材活用を進めるうえでも、自社にあった制度を導入して、パートタイマー就業規則にも「正社員への転換」について規定することが望ましいと考えます。

例:(正社員への転換)
第○条 会社は、勤続○年以上のパートタイマーが正社員への転換を希望した場合、以下に適合する者を正社員として採用する。
(1)勤務時間について正社員と同様の勤務が可能であること
(2)所属長の推薦があること
(3)所定の面接試験に合格すること

 次回も「パートタイマー就業規則」について検討します。

今回のポイント

  • パートタイマーが1、2名でも常時10人以上の労働者を使用している事業場ではパートタイマーに適用される就業規則が必要になる。
  • フルタイムのパートタイマーがいる職場等ではパートタイマー就業規則で適用されるパートタイマーの定義を明確にする必要がある。
  • 改正労働契約法の施行により、将来的には無期労働契約の非正規社員(パートタイマー等)が増加することが予想される。
  • パートタイム労働法ではパートタイマーの正社員への転換を推進する措置を講ずることが義務付けられているので就業規則等に定め適切に対応する。
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