第60回 高年齢者雇用安定法の改正についてー2ー

中川恒彦の人事労務相談コーナー
Q
高年齢者雇用安定法の改正に関し、次の疑問に回答いただければ幸いです。
1 これまでは、定年後継続雇用の場合、1年契約を更新するという形をとっていましたが、今後は原則として希望者全員を定年後65歳まで継続雇用しなければならないということは、5年契約ということになるのでしょうか?
2 今後は、心身の故障のため業務に堪えられないと認められる者、勤務状況が著しく不良で引き続き従業員としての職責を果たし得ないと認められる者以外は希望者全員を定年後65歳まで継続雇用しなければならないということのようですが、そのような理解でいいのでしょうか?
3 定年年齢に達していない正社員に対して希望退職を募ったり、整理解雇を考えなければならない状況のときにも、定年到達者を継続雇用しなければならないのでしょうか?
4 現在当社では、「継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準」が存在しています。この基準は経過措置により平成37年3月まで一定の範囲内で有効ということですが、この基準を今後も適用する場合、就業規則にはどのように定めればいいのでしょうか?
A
1 これまでどおり1年契約を更新するという形態でも差し支えありません。
2 質問のように、心身の故障、勤務状況不良という2つの理由に限定されるものではなく、就業規則に定めた解雇事由、退職事由に該当する者は継続雇用する必要はありません。
3 高年齢者雇用安定法が定める定年後の継続雇用制度は、企業に雇用義務を課するものではありませんから、年齢のみを理由とするのでなく、事業経営の必要上やむを得ない場合は、65歳前であっても解雇は可能です。
4 就業規則の規定は、少し長くなりますので、以下の解説をご覧ください。