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定年再雇用者の業務内容や貢献度に応じて処遇を決定する方法はー1ー

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定年再雇用者の業務内容や貢献度に応じて処遇を決定する方法はー1ー

賃金制度Q&A-ケース別処遇のポイント(8)

Q

従業員200人の製造業です。定年後再雇用者を業務内容や貢献度に応じて処遇する分かりやすい方法があったら教えてください。

A

支給率方式と賃金表方式のいずれかを選択する

ポイント⇒大きく分けると次の2通りの方法がある。
(1)定年前の賃金に一定の支給率を乗じて減額する「支給率方式」
(2)再雇用者を対象に短期決済型の賃金の決定基準を適用する「賃金表方式」

 多くの会社の定年後再雇用の事例をみると、65歳を上限とする1年ごとの有期雇用契約に切り替え、定年前と同じ仕事をフルタイム勤務で続けてもらい、賃金は定年時よりも大幅にダウンするというのが典型的なパターンです。

 しかし類似業務や関連業務に変わることも少なくなく、定年前とまったく関係のない職種に移る場合もあります。
 ご質問は、このようなケースも含めてのものと思います。

 はじめに、定年前と同じ仕事をフルタイム勤務で続けてもなぜ賃金がダウンするのか、その理由をみておきましょう。

 一つは、 定年前の正社員の賃金が年功的要素を含め高くなりすぎていて、定年後は賃金を下げないとオーバーコストになることが考えられます。
 二つ目に、再雇用賃金を減額しないと在職老齢年金や高年齢雇用継続給付などの公的給付がフル活用できないという制度上の理由も大きな影響を与えています。

 これまでは老齢年金定額部分が支給開始されるまでの期間を再雇用賃金によって補う恩恵的・福祉的雇用の考え方でも事足りたのですが、今後は厚生年金報酬比例部分の支給開始年齢引き上げにより年金の完全空白期間が生じます。
 雇用の義務化に対応するだけでなく、再雇用賃金も見直しが必要になります。

 ところでこれまでの労働法制や判例では、いったん定年退職した後の再雇用賃金は、定年前と切り離して決めてよいという論理が認められてきました。

 しかし、従業員側の受けとめ方は別です。同じ仕事をしているのに賃金が下がるのはおかしいと考える従業員は少なくありません。実際、再雇用で賃金が下がったとたん、モチベーションが落ちたという話をよく聞きます。中には行き違いから労務トラブルに発展した例も少なくありません。

 このような残念な結果にならないようにするには、再雇用者の賃金処遇を一律に決めるのではなく、一人ひとりの能力・意欲・適性を見極め、その人材価値をできるだけ活用する仕事を与え、貢献にふさわしい賃金処遇を行うことです。

 厚生労働省の平成24年『就労条件総合調査』によると、企業が定年後に勤務延長制度や再雇用制度を適用するときに何を基準においているかを質問したところ、「職務遂行能力」83.8%、「専門的な資格・技術」41.3%、「健康」79.7%、「仕事に対する意欲」74.4%となっています。

 このように企業の多くは健康だけでなく、仕事に対する能力・意欲の有無も継続雇用の条件として重要視していることがわかります。
 再雇用者の処遇を考える場合、ご質問のように業務内容や貢献度に応じた弾力的な賃金処遇を考えることが大事でしょう。

 定年後再雇用者の賃金の決め方には、大きく分けると2通りの方法があります。
(1)定年到達時(定年前)の各人の賃金を計算基礎に、一定の支給率を掛算して再雇用賃金を決める「支給率方式」
(2)再雇用者を対象に1年ごとの契約更新を想定した短期決済型の賃金の決定基準(賃金表)を用意しておき、個別に適用する「賃金表方式」

 (1)の支給率は、通常50%~100%の範囲で決めますが、全員一律に適用する会社もあれば、仕事の内容や能力・意欲等で支給率を使い分ける会社もあります。
 いずれにしても、各人の定年到達時賃金の違いが再雇用賃金にも反映されるのがこの方式の特徴です。

 他方(2)は、定年到達時賃金の違いを一度リセットし、改めて定年再雇用者用の賃金表に当てはめ直す方法です。
 仕事の内容や能力・意欲等で異なる金額基準を適用することが多く、全員一律金額ということはまずありません。

 (1)と(2)を比較すると、(2)の賃金表を用意するにはやや専門知識が必要になることもあってか、(1)の支給率方式のほうが実施比率は高いようです。

 次回は、一般になじみのある支給率方式を用いた業務内容や貢献度に応じた運用方法ご紹介します。

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