第69回 職種等の変更を命ずる配転命令の有効性について

中川恒彦の人事労務相談コーナー
Q
この度、営業分野の拡充のため、採用後、主に事務職として机上の事務処理をさせていた従業員のうち数名を営業部へ配転し、渉外業務等を担当させることにしようと思っていますが、これに難色を示している者がいます。
どのような仕事をさせるかは会社の方針によると思いますので、従業員は配転に応じるべきであると思いますが、法的にはどうなのでしょうか?
A
採用時の労働契約書や就業規則に「業務の必要により、職務、職種の変更を命ずることがある」といった規定がある場合は、それに基づき職種の変更が可能な場合が多いでしょう。
そのような規定がない場合でも、明確に職種を限定して採用された場合でない限り、基本的には配置転換命令は有効に発することができます。