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大切な昇給を売り上げアップにつなぐ仕組みづくりー7ー

大切な昇給を売り上げアップにつなぐ仕組みづくり(7)

 皆さんこんにちは。コンサルタント・社会保険労務士の津留慶幸です。

 前回、職能等級、職務等級、役割等級という3つの代表的な等級制度をご紹介し、何を軸に等級を構成するかによって人事制度全体の性格が決まると述べました。
 人事制度には、等級の種類に対応して、能力主義、成果主義、役割貢献という3つの「考え方」があります。

 人事制度を構築する際は、自社のこれからの成長・発展に最適な「考え方」を見極めることがとても重要ですので、今回は、これらの3つの「考え方」についてご紹介していきます。

9.活躍・成長・学習を支援する役割貢献人事制度へ

(1)能力主義人事制度と成果主義人事制度
 前回述べたように、職能等級、職務等級、役割等級それぞれに特徴があり、適した環境(組織風土、人員構成、時代背景など)があります。

 かつて、日本の多くの企業が採用していた職能等級を軸とした能力主義人事制度は、「個々の能力(知識、技能等)を伸ばすことが会社の成長にもつながる」という考え方で、日本全体が右肩上がりの時代には大きな役割を果たしました。

 しかし、バブル崩壊後はうまく機能しなくなりました。
 能力主義人事制度では、会社の業績が悪くても社員の能力アップに合わせて賃金を上げざるを得ないため、景気が停滞する中、運用に苦しむ企業が増えてきたのです。

 代わって出てきたのが「ハイパフォーマー人材を動機づけて成果を上げさせよう」という成果主義です。
 成果主義の人事制度は、能力主義を維持できなくなった企業を中心に導入が進み、中小企業でも採用するところが出てきました。

 ただ、この成果主義人事制度を導入して成功した会社は、それほど多くありません。
 「ハイパフォーマー人材を動機づけて成果を上げさせる」という考え方自体は間違ってはいませんが、導入企業の多くは、その裏側に、「ハイパフォーマー人材以外の報酬を低く抑えたい」という思いがあったようです。
 実際、人件費抑制を目的として制度を設計したところが多かったと言われています。

 また、成果主義人事制度では、目標を上から与え、その達成に向けて個々の社員を報酬というインセンティブ(=外部からの力)によって動かそうという、どちらかというと中央集権的で管理統制型のマネジメントを行います。
 このような考えに基づいた仕組みだったので、運用が進むと次のような弊害が指摘されるようになりました。

  • 個人の成果(評価)が報酬に直結するため、個人プレーを助長し、組織的な協力意識が希薄になる。
  • 達成が困難な高い成果を求められるが、大多数の標準的な社員は頑張っても達成できないのでモチベーションが下がる。また、目標未達だと賃金は上がらない(下がる)ので、さらにモチベーションが下がる。
  • 短期間で成果が出るものばかりに目が向くようになり、中長期的な取り組みがおろそかになる。
  • 中央集権的な上からの一方通行の指示は、複雑に変化する現実に的確に対応できないだけでなく、現場の自発的な発想や柔軟な対応を阻害することにもなり、業績に悪い影響を与える。

 その結果、導入企業は再度、人事制度の修正を迫られることになりました。

(2)役割貢献人事制度
 前述したような能力主義の行き詰まり、成果主義の失敗を経て、これからの時代に適した制度として注目されているのが、役割と貢献を軸とした人事制度です。

 役割貢献人事制度は、文字通り、組織内における役割や貢献を重視する制度ですが、個人の能力や結果としての成果だけに着目するものではありません。

 かみくだいて言うと、さまざまな個性を持つ人たちが仕事を通してお互いに影響を与え、支え合い、ともに学ぶことで組織の内部からの成長を促し、組織全体として成果を上げていこうという考え方です。
 図に表すと次のようになります。

 本シリーズの第2回(通算第53回)でもご紹介した通り、経営環境の変化は非常に速く、激しくなってきており、顧客ニーズも多様化しています。
 このような中で市場のチャンスをつかみ、顧客のニーズに応え続けるには、個人の力だけでは限界があります。

 必要なのは「高い組織力」です。
 組織力を高めるためには、個々の社員が内発的動機に基づいて行動し、自発的なリーダーシップを発揮しながら連携し、お互いに支え合うことによって組織を内部から成長させていくことが重要になります。

 したがって、これからの人事制度や人材マネジメントは、組織の内部成長を促し、支える必要があります。
 役割貢献を軸とした人事制度は、このような新時代の要請に応えようとするものです。

 自社のこれからの成長・発展につなげるために新たに人事制度を導入したり、制度改善を検討されるのでしたら、役割貢献の考えに基づく等級、報酬、評価制度の設計・導入をお奨めします。

※本シリーズは、2015年5月19日に開催した当社主催のセミナー内容をもとに執筆しています。

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