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米国人材マネジメント協会 年次大会に参加してー7ー

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米国人材マネジメント協会 年次大会に参加してー7ー

米国人材マネジメント協会 年次大会に参加して(7) 

 新年あけましておめでとうございます。コンサルタントの田中博志です。
 今年もよろしくお願い申し上げます。

 今回と次回は、数千人を収容する超特大ホールで開かれた各界著名人による特別講演を紹介しながら、課題が山積する現代を共に生きていく上で、忘れてはならない大切なことについて考えてみたいと思います。

1. ファリード・ザカリア氏
(Fareed Zakaria/CNNやタイムで活躍するジャーナリスト、国際問題評論家)

 初日のオープニング・セレモニーの後、トップバッターとして登壇したのは国際問題の第一人者であるファリード・ザカリア氏。
 複雑性を増す現代社会において、希望を見つける視点を教えてくれました。
 人類が苦難の末に実現した東西冷戦終結の果実をよりよい社会づくりに役立てる必要性を 痛感しました。

【概要】
 リーマンショックを起点とした大不況や、中国、ブラジルの成長鈍化、欧州危機などによって世界中の雰囲気がどんよりしているが、悲観的になりすぎてはいけない。
 インド生まれの自分が留学のために渡米した1970年代はスタグフレーション(景気後退とインフレが同時に起きる極めて厳しい状況)だったが、やがて経済は持ち直した。
 現在の世界は、東西冷戦の終結の結果、(1)政治的な安定性、(2)経済的な安定性、(3)技術の連携性の3つの特徴を持つ。
 これらの特徴によって、従来、世界の表舞台に立てなかった国にも台頭するチャンスが訪れた。
 つまり、どの国も経済の主人公になれる環境が整ったということだ。
 成功のカギは間違いなく人材であり、人材マネジメントの役割は大きく、再教育も含め、教育も非常に重要になってくる。

2. ヒラリー・クリントン氏
(Hilary Clinton/上院議員、前国務長官、ビル・クリントン元大統領の妻)

 続いて、次期大統領選への出馬期待が高いヒラリー・クリントン氏。
 シカゴ出身ということもあり、熱狂的なスタンディング・オベーションで迎えられて登壇しました。

 冒頭、「あなたは、どんな国に住みたいか?」「あなたは、子供たちにどんな国を残したいか?」と投げかけ、豊富な国際政治の経験から得た数々の「学び」を語ってくれました。
 子を持つ親として、社会を支える働き手として、心に響くメッセージをもらいました。

【概要】
(1)「良い決断はイデオロギーでなく客観的な証拠から得られる」
例えば女性の労働力。女性の労働参加が進んでいる国ほど生産性が高い。米国で女性参加を阻む障壁が全てなくなればGDPが9%上昇するという試算があり、検討に値する。

(2)「リーダーシップはチームスポーツである」
成功の度合いは「人々の協働」の引き出し方によって決まる。関係者全員で話し合うことが大切だ。意見は若くて下位の人から順番に聞くべきだ。上位者が先に話すと、下位者は委縮して話せなくなってしまい、良い意見が集められなくなる。

(3)「その場に行かなければ何も築くことはできない」
国務長官として112の国を訪問した。関係構築が難しそうな相手でも、直接会うことで通じ合え、パートナーシップを築くことができる。このような動きがリーダーとしてのポジションを支える。

(4)「"ささやき"は"叫び"よりも大きい。大見出し(ヘッドライン)ではなく潮流(トレンド)を追う」
物事はゆっくりではあるが、しっかりと変化していく。目立つものに目を奪われるのではなく、小さくはあっても着実な流れに目を向けることが重要だ。

(5)「批判は真剣に受けとめるべきだが、個人的に受けとめてはならない」
リスクを取って行動すると必ず批判を受けるものだ。どんな批判でも真摯に受けとめ、素直に学び、誠意をもって対応することが大切だ。決して個人的な感情で受けとめてはならない。

ヒラリー・クリントン氏の表情をスクリーンで確認

3. ブレイク・マイコスキー氏
(Blake Mycoskie/トムズシューズ(TOMS)創業者、社会起業家)

 2日目は、慈善事業とビジネスモデルの融合を実現した若き経営者ブレイク・マイコスキー氏。
 「社会起業家」に注目を集めるきっかけになった人ですが、名前は知らなくても「トムズシューズ」ならご存知かもしれませんね。
 善意を織り込んだビジネスが世界的なムーブメントに発展するまでのエピソードを語ってくれました。

 事業の原点は何かを改めて考えさせられました。
 企業の存続には、顧客の支持、会社の成長、従業員のやりがい・貢献の好循環が必要ですが、「社会に役立つこと」を中心におくことがそのカギであることを再認識しました。

【概要】
 7年前、アルゼンチン旅行で目の当たりにしたのは、貧しい子どもたちが、靴がないために学校に行けず、感染症の危険にもさらされている現実だった。
 すぐにボランティアと協力し、中古の靴を贈る活動を始めた。一定の成果は上がったが、ボランティアや寄付の限界にも気付いた。
 継続的に靴を贈るにはどうすればよいか? 答えは「ビジネスモデルとして確立する」ことだった。
 そして「あなたが靴を一足買えば、もう一足を貧しい地域に寄付する(One for One)」というわかりやすいコンセプトを考え、細々と事業を開始した。
 新聞報道がきっかけで注目を浴び、購入者が「良いことをした」という喜びの体験を自発的に伝達し、注文が激増した。在庫不足に苦しみながら供給力を上げた結果、これまでに50以上の国に1000万足の寄付をするまでに成長した。 この体験をとおして、「ビジネスに"Giving"(与えること、思いやり)を組み込むこと」が次のような大きな効果を発揮することを学んだ。

(1)マーケティングは簡単で安価なものになる
 なぜなら、消費者自身が偉大なマーケッターになってくれるから。

(2)従業員は、この惑星上で誰よりも一生懸命働くようになる
 なぜなら、自分たちの働きが世界に良い変化をもたらしていることを知れば、誰でも誇りを感じるから。

 そして、"Giving"が企業文化となれば、多額の費用をかけなくても組織は飛躍的に良くなると確信している。

創業時を熱く語るブレイク・マイコスキー氏

 前半の2日間は、ジャーナリスト、政治家、実業家の立場から世界の潮流やよりよい関係の築き方についてたくさんの示唆をもらいました。
 次回は、後半2日間の特別講演について紹介します。

 ゴア元副大統領の首席スピーチライターを務めたダニエル・ピンク氏、や元スペースシャトル船長のマーク・ケリー氏、ケリー氏の妻で元下院議員のガブリエル・ギフォーズ氏が登場します。ぜひ、ご期待ください。

 ところで、アメリカは20年ぶりの大寒波に見舞われ、凍り付いたミシガン湖の写真が報じられていますね。
 私が訪れた6月下旬は穏やかな陽気で、とても美しい光景でした。約1週間、過ごしたシカゴの街の人々が、安全で安心して暮らせていることを祈っています。

シカゴ市民が憩いの場「ミシガン湖」

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