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第103回 定額残業手当制度が法的に認められる要件は?ー1ー

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第103回 定額残業手当制度が法的に認められる要件は?ー1ー
  1.   中川恒彦の人事労務相談コーナー

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Q

最近、定額残業代についての裁判所の判決が厳しくなり、ハローワークも求人票における固定残業代の示し方に不適切なものが多いとして指導を強めているということを聞きます。
定額残業代制度は法的にどのような問題があるのか、適法と認められるための要件とは何かについて説明いただければ幸いです。

A

割増賃金を定額で支払うことは、毎月の時間外労働等に対し労働基準法上支払うべき割増賃金額がその定額を下回っているときは、その定額を支払うだけで足りますが、労働基準法上支払うべき割増賃金額がその定額を上回るときは、法律上必要な割増賃金額に達するまでの差額を支払うことが必要です。

裁判における使用者側敗訴事件の多くは、その差額が適正に支払われていないもので、差額を支払っていれば割増賃金に関し労働基準法に違反することはありません。

なお、最近は、基本給を極端に低額(最低賃金ぎりぎり)にし、80時間ないし100時間の時間外割増賃金に相当する金額を定額残業手当として設定するケースがあり、裁判所は、「そのような制度は公序良俗に違反するおそれがある」、「被告の賃金制度は不合理なものである」などとして、そのような定額残業手当の支払では割増賃金が支払われているとは認められない、あるいは、定額残業手当の一部は基本給と同様とみるべきであるといった判決を下しています。

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