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使用済み自動車のトータルソリューション企業 エコアール 2⃣

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使用済み自動車のトータルソリューション企業 エコアール 2⃣

 

―人事制度2.0へのバージョンアップを目指す取り組み―

エコアール紹介

1964年に栃木県足利市で石井正勇(まさたけ)氏が創業、本年(2024年)創業60年。1974年にイシイカー工業有限会社に社名を変更。2005年1月自動車リサイクル法の完全施行に備えて新工場建設し、全部再資源化認定工場に認定される。2006年に石井浩道氏が社長に就任し、社名を株式会社エコアールへ変更。2014年にエコアールマレーシアのエンジン再資源化工場が稼働。従業員数140名、正社員の平均年齢40歳(2024年4月時点)。2023年8月期売上高45億円。自動車解体、中古パーツのリユース、自動車整備、中古自動車販売など、使用済み自動車のトータルソリューション事業を多角的に展開。現在、貿易相手国は50ヵ国以上。

 

一般社員から管理職まで目標達成に参画

 社員全員が輝く会社にしたい――これがエコアールの新しい人事制度導入の目的でした。その取り組みの一環が「課題発見のためのワークシート」の導入です。2023年度の後半からの取り組みです。それまでエコアールでは会社が年度の経営計画の方針を策定し、マネジャーやチーフ層が中心となって事業部ごとの計画を策定していました。

 「各部門から上がってくる計画を見ると、前年度の内容とあまり差異がなかったり、取り組み方法が変わっていなかったりなど、現場の声が反映されていないのではないか、マンネリになっているのではないか、ということを感じていました。結果として、確度をもって目標達成することが難しいという状況にありました。そこでプライムコンサルタントから提案された課題発見ワークシートに取り組んでみることにしました」と、笠原さんは導入の経過を話します。

 事業部ごとの計画を策定するにあたっては、一般社員も巻き込みながら会社から提起された事業指針を達成するために、なすべきことを考えるようにしたのです。「以前の事業部からの計画書には作成者はチーフなどの管理・専門階層の名前が記されていたのですが、今期の計画書にはチーフの名前のほかに、若手の実務階層の一般社員の名前が載るようになってきました。管理職層が実務階層の社員と話し合いながら目標を細分化しながら具体的な手段を採り入れて計画書に反映させるようになったのです。上から下りてきた指針に基づき各事業部門が計画を策定する前に、課題発見ワークシートで一般社員も計画作成に参画する一段階が入ることになったわけです。実務階層の若手社員なども事業計画の目標を理解し、参画意識が強まっています。2024年度の上期の結果にどう反映されるか楽しみです。また、若手社員にとっても事業計画がどうできているのか理解が進みますし、成長も楽しみです。管理職層だけでなく、実務階層も含めて事業計画策定に関係する人を増やすことが大事だと考えています」と、笠原さんはワークシートというツールの導入に手応えを感じています。特に全員参画型の経営では、実務階層が参画することで、管理職階層に考える余裕ができてくるのが大きいと言います。

使⽤済み⾃動⾞の買取営業の皆さん。エコアールの事業はまず中古⾞の買取から始まる。

匠ルートが生み出すキャリアの多様性

 NHKテレビで放映された解体キングダムで紹介されたのが、自動車を細部にわたる解体作業。ニブラは解体用の油圧圧砕機で、鳥のクチバシのようなアタッチメントを付け、高い精度で自動車を解体していきます。必要とされるのは解体機を操縦する高度な技術を持った労働者。まさにエコアールにとっては「人財」です。高い技術を持った人材の定着と育成を図る制度を構築してほしい、という強い希望が石井社長から出されています。

 「当社には解体機などの重機に乗ったら誰にも負けないという人がいます。実務階層から管理職へと昇る社員もいるが、そうではなく専門職としてがんばろうという社員もいるわけで、こうした社員を適正に処遇する制度をつくってほしいとお願いしたわけです」と石井社長は言います。

 笠原さんも「匠ルートを社内にも浸透させ、運用も活発にしていきたい。匠ルートは採用面でも強力な武器になると思っています。重機の操縦で入社する人は年齢が比較的高い人が多いのですが、その人たちが一般職の実務階層に格付けされて管理職を目指せるかといえば、当社は役職定年が50歳なので、それはむずかしい。高度な技術を持っていれば年齢に関係なくテクニカルスタッフやエキスパートとして採用されますので、応募者にはうれしい制度です。持っている技術を若手に継承してほしいと役割を与えてポジションを提供することができます」。このように、高度技術者の採用が楽になると、笠原さんは言います。

 さらに「役職定年が50歳なので、マネジャーが50歳で役職離脱すると、実務階層のプラチナまで降格する可能性があります。でもその人に技術面で養ったものがあれば、エキスパートとして後輩を育成しながら、マネジャーのサポートにまわることができ、給与水準も大幅に低下せずに済むということもあります」と、匠ルートには様々な活用策があると言います。

貿易の部署の皆さん。品質の良い⽇本製の中古⾞は外国で⼈気。部品への需要も⾼い。収益性も⾼くエコアールにとって重要な分野だ。

構築された評価制度に応募者は好感

 石井社長は現在の人事制度については、人材の活用面や育成面それに経営に参画しようという意欲をかき立てる面でも「ほぼ理想に近づいているのではないか」と考えています。笠原さんも「制度のベースがしっかりしてきたので、今後は環境の変化に応じて進化していきたい。特に評価制度については時代とともに合わないところが出てくると思いますので、優先順序を変えるなどして進化していければと考えています」と感想をもらします。

 また、新しい人事制度の導入によって、「採用の際に人事評価制度をアピールすることで、応募者の信頼を得ることができ、入社のきっかけにもなっています」と、評価制度には副次的効果もあると、笠原さんは言います。

 現在、笠原さんの頭を占めているのは人材育成。「社業は順調に伸びていますが、次代の経営者を補佐していく経営管理層を育成していく必要があると思っています。大手企業ですと、2、3年でローテーションを回して経営管理層を育成しているようですが、当社は配属が固定化されるきらいがあります。それでは自分の部門しか見えず、会社を全体的に見る目を養うことができません。そうなるとその人は全体最適な動きができなくなるでしょう。ローテーション政策をエコアール流にアレンジして、若いうちからいろいろ経験させて育成していきたいです」と抱負を語ります。

 プライムコンサルタントへの要望として、笠原さんは「企業は生き物なので、いろいろな課題が生まれます。それを評価制度のなかに採り入れて解決できないものか、と考えています。プライムコンサルタントさんとは課題を共有しながら、評価制度を進化させることができればと考えています。」

 そして「当社だけのノウハウでは評価制度のアレンジはむずかしいので、プライムコンサルタントさんにはこれまでの経験と専門的見地でアドバイスしてほしい」と期待をこめて述べました。

 役割を終えた使用済み自動車は資源のかたまり。エコアールはその資源を循環させるためのトータルソリューションの確立を目指して成長してきました。新しい人事制度の導入によって、その歩みがさらに確固たるものになることが期待されます。

⾜利市に根を張り、地域とともに成⻑するエコアールの社員の皆さん。

 

プライムコンサルタントの
コンサルティング

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