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第26回 仕事の成果をあげる(1) 適正な成果基準の設定

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第26回 仕事の成果をあげる(1) 適正な成果基準の設定

前回まで、組織として成果をあげるための経営目標管理の進め方について説明してきました。
今回から、成果をあげるための仕事と人のマネジメントについて解説を進めていきたいと思います。
はじめに、成果をあげる最も重要な決め手となる「成果基準の設定」について取り上げます。

仕事の成果をあげる(1) 適正な成果基準の設定

(1) 成果をあげるための4つのポイント

 全ての仕事には必ず手順(段取り、プロセス)があります。それはどんなに単純な仕事であっても同じです。

 例えば、今から自宅でコーヒーを入れるとします。それもインスタントではなく、ドリップ式でおいしいものを。

 まずは台所に行って、ミネラルウォーターを火にかけ、コーヒー豆をひいて粉にします。フィルターにコーヒーの粉を入れ、お湯が沸いたらお湯を注ぎます。そのお湯の注ぎ方ひとつにも気を遣い、蒸らすようにゆっくりと入れていきます。同時に、カップにもお湯を注いで温めておきます。

 こうやって考えると、おいしいコーヒーを飲むのにもかなりの手間がかかります。それでも自分が飲むためなら、その手間も楽しめるでしょう。

 ではこれが、顧客に提供する商品の場合はどうなるでしょうか。コーヒーを飲むのは自分ではなく、お客様です。そこにはおいしいコーヒーを提供するという約束、義務と責任が生じます。成果をあげるという約束を果たしてはじめて、代価がもらえる仕事をしたことになります。

 もしコーヒーを入れることに失敗すれば、やり直すか、お客様に謝ってコーヒーを諦めてもらうしかありません。お客様は不満でしょうし、働いた方も嫌な気持ちが残ります。失敗が続けば仕事は次第に苦しくなり、焦ります。諦めれば挫折感も残ります。

 逆に、おいしいコーヒーが提供できれば、お客様は満足するでしょう。お客様の喜んでいる姿を見ればコーヒーを入れた方も嬉しいはずです。達成感が得られ、それが心理的報酬につながります。働いた人もお客様もうまくいく「ウィン・ウィン」の関係を築くことができます。

 働く人が仕事の成果をあげるためには、次の4つの要件が揃う必要があります。

1.まずは仕事の目指すべき「成果」を明確に知ることです。前述の例にたとえるなら、注文はコーヒーなのかアイスティーなのか、注文数は何杯なのかということです。

2.次に仕事の手順(段取り、プロセス)を管理し、「材料」と「ツール」、「場所」を確保することです。作るものがホットコーヒーかアイスコーヒーかということだけでも、材料や作り方、使う器材は変わります。

3.同時に、働く人を管理しなければなりません。働き手の「能力」や「時間」によって一度に提供できる種類や数には違いがあります。また、働き手の「その日の体調」などにも仕事のできばえは左右されます。

4.最後に、仕事の生産性を上げなければなりません。投入する時間や費用に対する生産性を上げなければ、時間内に予定の量をこなすことはできず、利益も実現しません。生産性をあげるためには、特別な管理方法が必要になります。

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(2) 適正な成果基準を設定するためには

 成果を上げるためには、まず何が「成果」なのかを明確にすること、すなわち成果基準の設定が重要な決め手となります。ここでは、仕事の機会とともに、成果基準をどのように設定すればよいかを考えてみましょう。

 仕事の成果とは、最終的に完成し提供されるべきアウトプット、最終製品やサービスの効用のことです。それは相手と約束したものであり、相手の期待に応えるものであることが求められます。さらに相手の期待以上のものを提供できることが、一流の証です。

 逆に最終製品やサービスの効用が期待以下であれば失望を招き、相手からの評価は下がります。リピートオーダーにつなげるためには、相手の満足と納得、信頼を得なければなりません。

 期待以上の商品・サービスは、相手に特別な経験や感動を与えるだけでなく、仕事をした人たちや会社に対する評価・賞賛をもたらします。それは仕事をした人たちにとっても高い満足になります。

 こう考えると、仕事の成果基準はできるだけ高く設定し、常に最高の成果を目指すことが望ましいと言えます。しかし、だからと言ってむやみに基準をあげ、ハイレベルのみを目指せばよいというものでもありません。

 仕事にはさまざまな制約条件があり、常に最高の材料やツール、プロセスをそろえるわけにはいかないからです。能力や時間も限られていますし、限度を超えた成果の追求は過剰仕様につながります。

 では、商品・サービスの仕様について、高い成果基準を求めつつ、しかし過剰な基準に陥らないためにはどのようなことに気をつけなければならないのでしょうか。
 適正な仕事の成果基準、商品・サービスの仕様を決めるためには次の4点を事前に押さえておく必要があります。

1.相手は何を期待しているのか、何を提供すべきなのか

2.そのためにはどういうプロセスを踏む必要があるのか、どんな材料、ツールが必要なのか

3.誰がいつその仕事をするのか

4.効率的、生産的に仕事をするためには、どのような設計仕様とすべきか

 これは、前述した仕事の成果をあげるための4つの要件を事前に想定することと同じです。4つの要件をあらかじめ先取りし、商品・サービスの設計に組み込むことで、適正な仕事の成果基準が決まるのです。

 例えば、高級レストランには高級レストランとしての目指すべき商品・サービスの仕様があり、それはその客層、ニーズに基づいて決めなければなりません。

 顧客はおいしいコーヒーだけではなく、その場の雰囲気、清潔感、スタッフの振る舞いにまで配慮を求めています。高いコーヒー代の大半はコーヒーの原材料代ではなく、その他のサービスへの対価なのです。

 一方で、ファースト・フード店が同じものを目指す必要はありません。ファースト・フード店の顧客は、待たずに熱くておいしいコーヒーが飲めればいいはずです。そのために店舗側も、性能の良い大型コーヒーメーカーを用意し、業務用のミネラルウォーターとコーヒー豆を大量に安価で仕入れます。

 そして、どの店でも、誰でも簡単に安定品質のコーヒーを提供できるようにしておくのです。大規模な標準化によるスケールメリットを活かし、安価な値段でも会社は利益が出せる構造になっています。

 このように、充足すべき顧客のニーズに対応し、どのような成果基準を設定するかによって、提供する商品・サービスの内容、そして価格も違ってきます。仕事の成果をあげるためには、顧客のニーズの絞り込みと、そこに求められる成果を定義することが、決定的に大事な第一歩となるのです。

 次回は引き続き、仕事の成果をあげるための「プロセス」について取り上げます。

 連載の内容は、『原因×集中×結果の人材マネジメント方程式』(菊谷寛之著)に詳しく書かれています。興味を持たれた方は、当社のホームページからお申込み・ご購入ください。

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