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第22回 経営目標管理(2)経営トップの担う役割

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第22回 経営目標管理(2)経営トップの担う役割

前回は、経営目標の重要な戦略軸となるマーケティングとイノベーションついて説明しました。
今回は、経営目標を共有することの必要性と、経営トップが果たすべき役割について述べたいと思います。

経営目標管理(2) 経営トップの担う役割

(1) 客観的な経営目標はなぜ必要か

 数十人の小規模企業であっても、確実に成果をあげ市場競争を勝ち残っていくためには、明確な戦略を持つことが重要です。

 小規模企業はその強みを活かし、ニッチなところを見つけ、他を寄せつけない参入障壁を築く必要があります。機敏に市場の機会を見つけ、商品・サービスの開発にも機動力を発揮することで一気にシェアを獲得し、競争優位を築くのです。

 大企業のように経営資源を大量に投入することはできません。できるだけ小さな投入で、できるだけ大きな成果を目指さなければなりません。そこには入念な 戦略が求められ、そのためには客観的な経営目標が必要になります。

 経営トップは組織の成果に対して最終的な責任を負っているのですから、目標がないということは考えられません。目標を設定し、その進捗を管理することで初めて、経営トップは事業活動全体の動きを把握できるようになり、戦略的にとるべき行動を組織に明示できるようになります。

 経営目標とは、事業の構造を決め、組織を作り、実施計画を持ち、活動し、人事を決める基盤となるものです。経営目標を持たずに投資を行っても、貴重な資源を浪費するだけです。

 また、経営目標は経営トップだけでなく、組織の構成員のためにも必要です。
 トップの力だけで成果を生み出すことはできません。成果実現のためには、組織の構成員にもそれぞれの役割責任を果たしてもらう必要があります。

  そのためには、仕入、生産、営業、物流、販売、財務、人事などそれぞれの業務活動の目的を示し、貢献の方向性を指示することのできる具体的な経営目標が求められます。
 その経営目標に基づいて、達成すべき個々の仕事の成果が明らかにされ、期限を決めて担当者が責任を負うことになります。

 もし、経営目標とその進捗を従業員に開示せず、経営トップの頭の中だけで計画・管理したとしても、思い通りに会社を経営することは難しいでしょう。

 たとえ小規模企業であっても、トップ1人の決断や決定、自由裁量だけで経営できるわけではありません。実際の仕事は、従業員の意欲や意思決定、自己管理に依存しています。特に、知識労働やサービス労働では、その依存は絶対的なもののはずです。

 従業員は、組織の中でそれぞれ役割を持ち、顧客・取引先・内部の人々との関係の中でそれぞれの仕事を持っています。そして、その仕事の成果を達成する責任・会社全体の成果に対する責任を負っています。

 また、従業員はカレンダーや計画、手順に沿って仕事を行い、それぞれの立場で仕事の意味・目的を解釈し、組織に貢献しようとします。
 そのためには、何を尺度として成果を測るのか、その成果をあげるためにはどのように行動しなければならないのを示す、客観的な経営目標が必要です。

 組織全体として経営目標管理を進める場合、確認すべき3つの運用の視点があります。
 1.経営目標管理
 2.ミドル目標管理
 3.自己目標管理

 トップによる経営目標が示されて初めて、個々の組織責任者、すなわちミドルは、自身が管理する組織の目標を、トップ・上司に示すことができるようになります。

 個々の従業員は、自分が担当する仕事の成果に責任を持ち、自己管理・セルフコントロールに基づいて期待された働きをすることができるようになり、仕事への動機を持つことができるのです。

 経営目標管理とは、本来、このような3つの構造のもとで行われるマネジメント活動です。

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(2) 経営トップの役割

 企業規模に関わらず、組織の現在、将来の業績は経営トップにかかっています。

 もし、経営トップをお神輿のように祭り上げている企業があるならば、その人はもはや経営トップとは呼べず、別の誰かが実質的な経営トップの役割を担っているのでしょう。

 経営目標管理は、経営トップがトップダウンで行います。組織がどのような事業を行うかはトップが決めることですし、戦略を決めるのも経営トップです。そこからマーケティングとイノベーションの目標が決定されます。

 経営トップは事業の目的とミッションを実現するために、トップだけが行いうる重要な決定と行動をとらなければなりません。つまり、重要な人材を登用・配置し、目標の責任者を決め、組織の主な活動についての基準を設定しなければなりません。

 これらの役割は、組織の事業全体を見ることができ、人を採用・配置し、報酬を決め、組織そのものを作り上げることができるトップだけの権限に基づくものです。

 当然、組織として最高の責任も伴います。誰かに責任を転嫁することはできず、最終的には1人で責任を負うことにもなります。この孤独と責任を自覚していなければ、トップとしての資格はありません。

 組織構造が比較的単純な小規模企業では、1人の経営トップが社内の重要キーマンの動きをほとんど掌握できているはずです。
 ただし、そうであったとしても、仕事の相手がいる限り、物事は問題の共有と協議によって決まります。スムーズに進めるためには、相手の意見や意思を確認し、合意する必要があります。

 特に、組織全体に関わる重要な意思決定であれば、経営トップといえども独断で行えるものではありません。

 このように考えると、トップマネジメントは本来、1人でできるものではありません。周りの誰かがトップを支えなければならず、相談相手にならなければなりません。

 幹部社員はトップの決定について、その意味・意図・妥当性を検討し、意見を述べる必要があります。そうでなければ、トップの決定が的外れだった場合に、結果として不測の事態を招くことも考えられます。

 また、幹部社員がトップに意見を述べ、その決定を支えるためには、事業の目的とミッションに対する共通の理解が必要です。現在、そして将来に向かって経営全体が成果をあげるための経営目標が示されていることが不可欠です。

 次回は、経営チームの必要性とミドルの目標管理について、さらに解説を進めたいと思います。

 連載の内容は、『原因×集中×結果の人材マネジメント方程式』(菊谷寛之著)に詳しく書かれています。興味を持たれた方は、当社のホームページからお申込み・ご購入ください。

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