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お互いの多様性を認めあう組織の作法(ブックレット61号巻頭言)

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お互いの多様性を認めあう組織の作法(ブックレット61号巻頭言)

株式会社プライムコンサルタント代表  菊谷寛之
(2021年6月11日(WEB開催)夏季定例研究会 ブックレット「はじめに」より)

人材マネジメントを展望する(29)

 私たちが志を同じくする会社で一緒に仕事をし、長く良い関係をつくろうとするとき、お互いの多様性を認めあう二つの作法を心得ておかねばならない。作法の一つは、お互いにどのような強みの持ち主で、どのような働き方を望んでいるかをできるだけ理解しあうことである。強みこそが人に活躍の機会を与え、組織に役立つ人材に成長させる主動因である。

 人の強みを知る手がかりは、他には見当たらない特異なスキルや知識、専門分野に着目し、その背景にある個人的な動機や、失敗・成功体験、職歴・実績等に目を向けることである。強みはポジティブな能力だけに限定されない。様々なハンディキャップが稀有な強みになり得たという逆説的な例も数多いのである。

 次に、その強みを発揮できそうな組織の課題を探り、活躍の機会を与え、仕事の成果として強みを顕在化させることである。その強みを発揮した先に、次はどのような成長のステージに向かおうとしているのかが確認できれば、自立した生活のためか、仕事の満足や自己実現のためか、組織のためか、顧客や社会のためか、その人がどのような次元の働き方やキャリアを望んでいるのかが見えてくる。

 第二の作法は、人それぞれの興味関心や志向性、働き手として抱えている制約を理解し、サポートの必要性を相互に承認することである。このような相互支援の関係を作らなければ、組織で一緒に働くメリットの大半が失われてしまう。特に、市場の機会をつかむ商品デザイン力や革新的なマーケティングが求められるなかで、過去の成功体験に囚われてステレオタイプな発想に陥りがちな組織は大変危うい。

 十人十色ともいうように、人の興味関心や志向性はまさに奥深く多様であり、その本源的な欲求や動機を仕事の課題に直接向けさせることができれば、多様なモノの見方に基づく深い思考力、入念な注意力、異次元の発想力が組織にもたらされる。
 そのためにこそ、私たち一人ひとりが抱えている現実の制約を克服できるよう、具体的なサポートが必要になる。育児・介護などの物理的な負荷、加齢、心身の障がい、闘病生活やメンタルヘルス、交通事故や自然災害、経済的困窮、個人的な無知や偏見、性差別、セクハラやパワハラ、異文化や言葉のカベ、リモートワークの孤立感など、さまざまな個別事情が働き手のハンディとなっている現実がある。

 
 これらの制約を抱えたまま、人が仕事に全力投球することは難しいし、まして自身の興味関心や志向性、個人的な欲求を仕事の場面で素直に表出することなどは考えにくい。制約を軽減する物理的・制度的・文化的な改善を進めるとともに、一人ひとりが障害や負担を自己解決し、内発的な動機から仕事に集中できるよう物心両面で個別に手助けし、組織の品位や自助力を高めていく必要がある。

 制約を自己解決した経験はその人の新たな強み、自信となるだけでなく、組織への信頼感や参画意識もより強固なものとなる。組織の全体最適を保ちつつ、自助力で個々の制約をカバーしあう組織文化は、働く人たちに自信と勇気をもたらす。 

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