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組織に卓越性をもたらす労働時間管理のポイント(ブックレット55号巻頭言)

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組織に卓越性をもたらす労働時間管理のポイント(ブックレット55号巻頭言)

株式会社プライムコンサルタント代表  菊谷寛之
(2019年6月4日(東京)開催・夏季定例研究会 ブックレット「はじめに」より)

人材マネジメントを展望する(23)

 多品種少量生産や多様なサービスが常態化し、顧客やパートナーあるいは組織内部との様々なプロジェクトが並走する複雑な組織社会の中にあって、私たちは大小数多くの仕事を抱え、毎日を忙しく働いている。労働時間管理という観点から個々の仕事のプロセスを整理すると、およそ次のような6段階に分かれる。

1. まず全体のスケジュール管理である。大小さまざまな仕事をリスト化し、必要な納期、リソース、優先順位等を考えながらスケジュール化を行う。そのためにガントチャートを作り、各人がカレンダーを書き込み、ToDoリストを作る。

2. 次に仕事の思考プロセスがある。個々になすべき目標を設定し、段取りを組む。何のために、どのような改変や成果を実現するのかを考えて具体的な成果目標のスペックを描きながら、その準備活動の手順を考え、プロセス目標を設定する。

3. 実際の準備活動の時間が必要である。テコ入れ効果の大きなプロセス目標を設定することで、成果目標の実現可能性と生産性が飛躍的に向上する。モノづくりや作業の現場では治具やツールを開発したり、複雑・大規模な工程やプロジェクトでは業務の基幹システムを整備し、進行状況を管理するシステム投資も必要になる。

4. 成果そのものを実現する勝負の時間がある。そのために納期を見計らい、本番の業務に集中し、成果を管理する。進行状況を確認し結果をテストしながら、必要に応じて作業内容を調整し、全体の成果に統合する。本番では様々なトラブルやクレームなど予測不可能な事態が起こりがちであり、臨機応変の対応が欠かせないが、入念な準備活動とシステム的な保護対策がそのための安全余裕を作り出す。

5. 製品は期限までに納品し、サービスは役務を提供して、仕事相手とコミュニケーションをとる時間が必要である。相手と全体の仕上がり状況や不具合をチェックし、予定のスペックが実現できたかを検証・説明し、ミスやクレーム等に応えて初めて仕事が完了する。その良否が次のリピートや追加オーダーに直結する。


6. 整理・後片付けを行う。起こり得る不具合や次の展開、社内共有、改善に備えて、仕事の材料、ツール、テンプレート、プロセス資料等を整理・保管しておく。

 私たちは実にこれだけのことを、日々のマルチタスクの段取り替えや時間配分に注意しながら、限られた時間内でオーバーフローしないように、お互いに連携して働くのである。そして大事な仕事の本番(4、5)に集中できる時間を最大化し、リピートオーダーを増やすうえで、前段階(1~3)やアフターフォロー(6)が全体の生産性に大きく影響することは、直感的に理解してもらえるだろう。

 卓越した組織とは、たゆみない仕事のシステム化の創意工夫や改善の積み重ね、そして組織的な価値判断基準の丁寧なすり合わせによって、このような高度な働きを、普通の人が当たり前にできるようにする組織である。そして、卓越した組織におけるハイパフォーマーや独創的な専門家とは、個人プレイヤーとしての業績ではなく、全体の組織スキルの向上に大きく貢献するか否かで、その人材タレントとしての価値が評価されることになる。

 個々人が残業を減らし、労働時間の価値を高めるには、このような組織全体の観点から、自らの労働時間の使い方を意識的に改善するように動機づける必要がある。


「プライムブックレット巻頭言」は、プライムコンサルタントが主宰する「成果人事研究会」の研究会資料「プライムブックレット」の内容の一部をご紹介するものです。

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