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2020年代の構造改革と組織・人事の二つの課題(ブックレット56号巻頭言)

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2020年代の構造改革と組織・人事の二つの課題(ブックレット56号巻頭言)

株式会社プライムコンサルタント代表  菊谷寛之
(2019年11月7日 秋季定例研究会 ブックレット「はじめに」より)

人材マネジメントを展望する(24)

 令和の時代になり、2020年代の組織・人事は大きな転換が迫られている。
 最大の要因は加速する高齢化と人口減少である。足元では緩やかな景気回復とともに雇用が拡大し、国内市場は堅調さを保っている。出産や子育てを終えた団塊ジュニア世代の復職で女性の就業率は過去最高の約7割となり、自営業からの転職や定年延長・継続雇用の後押しもあって高齢者の就業率も6年連続で増えた。

 しかしそれもこの2、3年でピークを迎え、その後は減少に転じる。労働力人口の減少は一方では国内市場の縮小を招き、他方では恒久的な人手不足が経営の制約となり、生き残りをかけた企業間競争が激しさを増すことは間違いない。
 人手不足が引き金となって、「第4次産業革命」と呼ばれるIoT、ビッグデータ、AI、ロボットなどと結びついた大規模な技術革新が一挙に加速し、世代を巻き込んだ知識によるパワーシフトが起きる。これからは大量生産・画一的なサービス提供から、ニーズごとにカスタマイズされた個別生産・柔軟なサービス提供に転換できる企業が幅広い顧客をつかみ、市場をリードするようになる。

巻頭言サイト用挿入画像2019年11月.jpg

 その担い手は、ユニバーサルなICTやマーケティング、コミュニケーションのスキルを身につけた若い世代である。過去の知識にとらわれて経営が陳腐化した企業は淘汰され、様々な業界で大規模な再編成が起きるだろう。
 中小企業がこの難しい経営環境を、構造改革を続けながら生き抜く強靭さを獲得するためには、組織・人事の二つの課題に向き合う必要があると考える。
 一つは、いつの時代も変わらない経営と人事の基本原則の徹底である。個々の顧客から世の中全体、さらには世界市場での需要に応える「顧客価値の創出」を経営の第一の目的に置き、国内・国外に新たな市場を切り開く事業成長のビジョン、有効な戦略と組織活動を徹底的に探究し、その実践にまい進する以外にない。
 二つ目は、働く人たちの活躍・成長を支え、年功序列的な管理統制型組織の中で封印されてきた若い人たちの可能性に満ちたパワーを開放させ、強固な信頼関係と組織的な集中力を実現・保持できるようにマネジメントを刷新することである。
 このような経営と人事の刷新を実現するには、働く人たちが多様な働き方を認め合い、お互いにリーダーシップを発揮して活躍できる新しい組織のかたちと、安心・納得して働ける人事制度のプラットフォームがぜひとも必要になる。

 おりしも2019年から働き方改革法制がスタートし、長時間労働の規制強化とともに、大企業は2020年から、中小企業は2021年から「同一労働同一賃金」が実施され、その対応が待ったなしとなった。同じ企業で働く正社員と非正規従業員の間で、賃金・手当・賞与などの個々の待遇ごとに不合理な待遇差が禁止され、待遇に差を設ける場合は、従業員への説明が義務づけられる。
 これからは、雇用形態のいかんにかかわらず、組織のビジョンを共有し、日々の仕事と自己啓発によって成長を遂げながら、顧客価値創出に貢献することが自分たちの評価と処遇に連動するという、いわば当たり前のことが肌身で理解できるオープンな人事の運用が大事になる。このような顧客価値創出を第一義におく役割意識が組織の主流を占めるよう、日本の人事に新しい風を吹き込んでゆかねばならない。

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