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組織がその本来の強みを発揮する道筋(ブックレット43号巻頭言)

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組織がその本来の強みを発揮する道筋(ブックレット43号巻頭言)

株式会社プライムコンサルタント代表  菊谷寛之
(2015年6月9日開催・夏季定例研究会 ブックレット「はじめに」より)

人材マネジメントを展望する(11)

 今回は、組織がもたらす「強み」について考えてみたい。そもそも人は何のために組織を作っているのだろうか。

 組織の最大の強みは、組織的な成果の実現という共通の目的に向かって、人々が協力することである。一人ひとりの力は小さくても、集団の力が一つの方向に集中するベクトル合成によって、大きな継続したエネルギーを発揮できるようになる。これによって、一人ひとりでは到底なしえない大技が可能になる。

 組織は仕事を様々な手順・プロセスに分解し、全員が手分けして効率的に仕事を成し遂げる分業を実現する。

 個々の仕事に集中する人、仕事の連携に注意する人、後方で支援する人、全体を指揮・統制する人、結果を監査・報告する人という機能的な役割分担に基づいて計画的に活動すれば、生産性は飛躍的に向上する。

 分業と同時に、組織の各メンバーが現場での気づきや経験、思考を伝え、知識を活用し合えば、組織全体の状況判断や意思決定もより的確になるだろう。
 市場の需要動向や顧客のニーズを敏感に察知し、優先順位を判断しながら柔軟に仕事の仕方を調整していけば、ムダが減り、労働の投入を最適化できる。

 さらに、経営者や管理者が組織の強みを把握して、最も効果的な場所やタイミングに経営資源を集中し、他の追随を許さない成果を上げる戦略的な行動をとり続ければ、組織は圧倒的な優位性を実現できるかもしれない。

 確実な効用・価値を提供して買い手の需要に次々と応えていくことで、組織には大きな利益がもたらされる。利益の拡大は資金の余裕を生み出し、多少の仕事の繁閑や業績の浮き沈みがあっても、組織は安定した活動を継続できる。将来の事業の機会に向けた新たな投資活動を続けることで、資本は自己増殖を遂げるのである。

 生産性の向上は、経営者や従業員の報酬を増やし、投資家に平均利回り以上の大きなリターンをもたらす。
 実力のある経営者や従業員が熱心に仕事をし、有利な条件で有力取引先を味方にできれば、組織はますます勢いづくだろう。

 すぐれた組織は、人に仕事のチャレンジと学習の機会を与え、人材を成長させる力がある。人は仕事の失敗・成功の経験を通して、熟練を深め、専門的なキャリアを積み、社会的な関係性を広げていく。

 経験や知識の学習曲線を高める人的投資は、資本の自己増殖と相まって組織の内部成長を支える原動力となる。

 

 すぐれた組織は、これらの要素が途切れることなく、調和的に連鎖し合って組織の総合的な価値・資本力を高め、社会的な信用やブランドを築いているのである。

 このような全体的な強みは、熱意さえあれば自然に実現するというものではないだろう。
 組織の先覚者は、独自能力に気づき、競争相手の弱みを見抜いたら、何を・なぜ・どうすれば優位性を高めることができるかというロジックと行動の基本方針を徹底的に考えねばならない。

 そのうえで、最も効果の上がるところにシンプルで実現可能な目標を掲げ、経営資源を集中的に投入するのである。
 そのためには、経営者・従業員・取引先が協力して、優先順位に基づく意思決定と計画的な行動がとれるよう、コミュニケーションや学習を持続していく必要がある。

 このような強みが見通せる組織には、向上心と真摯さを持つ人が集まりやすい。
 期待する役割にふさわしい報酬・評価・人材登用の仕組みを用意し、自主的な働きを促すコミュニケーションを働きかけていけば、人は自然に組織的な成果に向けて、内発的動機に基づく成長・貢献意欲を持ち続けることができる。

 いま一度、組織が本来持つ強みが発揮できているかどうかを、冷静に自己診断してもらいたい。

 

「プライムブックレット巻頭言」は、プライムコンサルタントが主宰する「成果人事研究会」の研究会資料「プライムブックレット」の内容の一部をご紹介するものです。

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