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大切な昇給を売り上げアップにつなぐ仕組みづくりー14ー

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大切な昇給を売り上げアップにつなぐ仕組みづくりー14ー

大切な昇給を売り上げアップにつなぐ仕組みづくり(14) 

 皆さんこんにちは。コンサルタント・社会保険労務士の津留慶幸です。
 前回は、賃金の中心である基本給を効果的に運用するために当社が独自に考案・開発した「ランク型賃金表®」と「段階接近法®」を使った号俸改定(基本給改定)手法をご紹介しました。
 今回も引き続き、この号俸改定手法について紹介していきます。

19.号俸改定ルールを使ってみる

(3)マイナス改定の緩和 ※(1)、(2)は前回の内容をご覧ください。
 前回、基本給額の異なる青さんと赤さんが、同じ評価を取った場合の号俸改定額の違いについて演習を行いました。

図1 前回の演習1の解題

 この演習1から言えることは、

  • ランクの高い人ほど高い評価をとらないと基本給が上がらない(上がりにくい)
  • 評価が基本給の高さに見合っていない(現ランク>評価)場合、マイナス改定もある

ということです。
 これが「ランク型賃金表®」と「段階接近法®」を使った基本給改定の原則的な考え方です。

 ところでQ3の赤さんのようなマイナス改定については、やりにくい(やりたくない)という会社もあるでしょう。
 そこで、次の図2のように、マイナス改定を緩やかにしたり、マイナスをしない号俸改定基準も用意しています。

図2 マイナス改定を緩和した号俸改定基準

 図1の号俸改定基準に比べ、図2は色のついたセルの数字(マイナス)が小さくなっていたり、全て「+0」になっていることがわかると思います。
 原則(図1)では、ランクに比べて評価が1つでも小さければマイナス改定を行います。

 これに対し、図2の左の基準は、1つ小さい場合はマイナスではなく「0(据え置き)」とし、2つ以上小さければマイナスを適用します。
 これを「緩やかなマイナス昇給」方式と呼びます。さらに、図2の右の基準は、マイナスを全く適用しない「マイナス昇給なし」方式です。

 原則的な基準を使うか、「緩やかなマイナス昇給」や「マイナス昇給なし」にするかは会社の状況や風土に応じて判断します。

 また、制度を導入してから初めての改定は緩やかな基準を適用し、2回目の改定から原則パターンに変更したり、「管理職は原則基準、非管理職は緩やかな基準」というように階層によって基準を変えるなど、さまざまな使い方があります。

(4)号俸改定演習2
 では次の演習に移りたいと思います。
 演習1は単年の号俸改定でしたが、今度は青さんがA評価・4点をとり続けた場合とB評価・3点をとり続けた場合を考えてみましょう(図5)。
 なお、演習には次の号俸改定基準(図3)とランク型賃金表(図4)を使います。

図3 号俸改定基準の例

 

図4 ランク型賃金表の例 

図5 演習2

1)Q4 「A評価・4点」をとり続けた場合
 青さんの現在(1年目)の号数・ランクは12号・2ランクです。A評価(4点)をとると、改定号数は+3号です(ここまでは図5にあらかじめ書かれています)。
 したがって2年目は15号となります。15号でもランクは変わらず2ランクです。

 では翌年はどうなるでしょう?
 2ランクにいて、評価レートがA評価・4点ですので、改定号数は前回と同じ+3号です。したがって3年目は15号+3号=18号に位置づきます。

 18号になると、ランクが3ランクに変わります。3ランクでA評価・4点をとると、改定号数は+2号なので、4年目は18号+2号=20号になります。

 このようにして、毎年、何号・何ランクになるのかを確認していくと、6年目に24号・3Tランクになります。

 3TランクとA評価・4点との交点は+1号ですので、7年目は24号+1号=25号・4ランクになります。
 4ランクになると、A評価・4点では+1号ですので、毎年ずつ1号ずつ上がることになります。

 ただし、毎年1号の昇給は14年目に32号・4Tランクに到達した時点で停止します。
 4TランクとA評価・4点の交点を見てください。「+0」となっていますね。
 これは昇給はゼロ(頭打ち)という意味です。このようにして、A評価・4点をとり続けた場合は32号まで昇給して停止となるのです。

2)Q4 「B評価・3点」をとり続けた場合
 考え方は1)と同じです。
 12号・2ランクとB評価・3点の交点は+2号ですので2年目は14号になります。

 14号も2ランクですので、2年目の改定号数は、1年目と同じ+2号です。したがって3年目は16号・2Tランクになります。

 2TランクでB評価・3点だと+1号ですので4年目は17号・3ランクに位置づきます。
 3ランクに入るとB評価・3点は+1号ですので、4年目以降は毎年+1号ずつ上がることになります。

 ただし、いつまでも昇給が続くわけではなく、11年目に24号・3Tランクに到達したところで昇給はゼロ(頭打ち)になります。
 このように、B評価・3点をとり続けた場合は24号で昇給停止となります。

図6 演習2の解題

第65回図6T.jpg

 図6は演習2の解題です。
 A評価・4点をとり続けた場合は14年目・32号まで昇給するのに対し、B評価3点をとり続けた場合は11年目・24号までしか昇給できません。

 演習2から言えることは、評価が低いと基本給は低い金額で早めに頭打ちになるということです。
 言い換えると、基本給を高くしたければ高い評価をとって上位ランクに入れるようにしなければならないということです。

 前回、今回と2つの演習を行いましたが、いかがでしたでしょうか。
 「ランク型賃金表®」と「段階接近法®」を使った号俸改定は、次の2つのことを制度化したものであることを実感していただけたことと思います。

  • 基本給が高い人にはそれにふさわしい貢献(評価)を求める(演習1)
  • 基本給は時間をかけて評価に見合った金額に収れんさせる(演習2)

 この制度を導入すると、不必要な人件費の上昇を抑えながら本当に頑張っている社員に報いることができます。
 その結果、貴重な人件費の効果的な配分と管理ができるようになります。

※本シリーズは、2015年5月19日に開催した当社主催セミナーの内容をもとに執筆しています。
※「ランク型賃金表」「段階接近法」はプライムコンサルタントの登録商標です。

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