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米国人材マネジメント協会 年次大会に参加してー2ー

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米国人材マネジメント協会 年次大会に参加してー2ー

米国人材マネジメント協会 年次大会に参加して(2) 

 今回は、「怖れ知らずのフィードバック」(Wally Hauck氏)の講演をもとに、人事評価のフィードバック面談について考えます。

1.評価フィードバックはどうしてうまくいかないのか?

 皆さんの会社では、評価のフィードバック面談はうまくいっていますか?
 おそらく多くの方々が「必ずしても満足していない」と答えられるのではないでしょうか。

 実際、アメリカでも満足している会社は半数未満です。
 大切なフィードバックがうまくいかないのはなぜでしょうか?
 その理由は、次の2つに集約されると考えられます。

 (1)フィードバックが結果の確認に終始している
 (2)フィードバックのスタイルが時代の変化についていっていない

2.評価の深い目的は何か

 理由の詳細の前に、そもそも「評価はなぜ必要か」について考えてみましょう。

 一つの目的は言うまでもなく報酬を決めることですね。
 では、他にも何かあるでしょうか。
 以前、当社の成果人事研究会の定例会(※)で、「よりよい評価」について、会員企業さんと話し合ったことがあります。

 その中で、「仮に、評価結果を報酬につなげないとしたら、評価自体をしなくてもよくなりますか?」と質問しました。
 すると多くの方が「それでも評価は必要だ」と答えました。理由は、「評価によって社員本人が自分の成長を確認できる」からです。

 実際、ある会社では、パート社員の仕事の改善点を教えるためだけに評価をしているそうです。
 賃金に反映しなくても、パート社員は改善点が分かることを喜んで、スキルアップに励んでいると仰っていました。

 そうです。評価のもう一つの目的は、働く人の成長に必要な「今後の取り組み課題」を見つけることなのです。
 人間は誰でも成長したいと願っていますから、こちらの目的の方が深い意義があります。

※成果人事研究会:プライムコンサルタントのクライアント企業の組織。2001年発足。参加企業約80社。
サービスの詳細はこちら

3.フィードバックの焦点は過去か未来か?

 話をもとに戻します。
 フィードバックではどんな内容が話されていますか?

 一般的には次のような構成になっていると思います。
 (1)評価結果の説明(点数とその根拠)
 (2)ほめたい点、改善してほしい点
 (3)今後の取り組み課題

 では、時間の配分はいかがでしょう?
 おそらく、「(1)の説明に時間をとられ、その勢いで(2)を話し、(3)についてはあまり話せない」となっているケースが多いと思います。

 そうなるのも無理はありません。
 評価者は評価の正しさを証明したいし、本人も自分の処遇の理由を正確に知りたいですから。

 ただ、結果にばかり焦点をあてていると、フィードバックの「場」は、お互いに緊張する「怖い」ものになってしまいます。
 ときには、実績の解釈をめぐって相互不信を引き起こしてしまうかもしれません。

 過去は変えられません。問題は過去から何を学ぶかです。
 フィードバックの主眼を「成長への取り組み課題を見つける」ことに置く方がはるかに生産的です。
 実際の面談では、自説に固執せず、「ここから何を学ぶことができるか」と焦点を未来に移していくことが大切です。

4.今はどのような時代か?

 では、「未来志向」でありさえすればフィードバックは成功するのでしょうか?
他にも留意すべきことはあるでしょうか?

 これを考えるために、次の2つの仮定が正しいかどうか考えてみてください。
 仮定1:どんな仕事でも、特定の個人にその責任を求めることができる
 仮定2:上司は、部下の仕事について何でも知っていて常にベストな指示ができる

 どうですか? 2つとも不適切ですね。

 仮定1は、事業の成果が多くの人が関わる複雑なプロセスをとおして生まれている現実から明らかです。
 どんなに優れた技術者でも一人で製品の開発はできません。

 販売も、チームプレイですることが多くなっていますので、個々の売上を誰があげたかを特定することはできません。
 成果は、組織的な連携で産み出しているのです。
 同じように問題も、特定の個人ではなく、組織的な連携の結果として起きていることが少なくありません。

 仮定2は、市場ニーズの多様化と変化のスピードを考えると明らかです。
 どんなに優れた上司でも、仕事の現場で起きていることをすべて把握してベストな答えを出すことは不可能です。
 現場で奮闘している部下の知識や感じ方を総動員しなければ、本当に打つべき手を見出すことはできません。

 皆さんも同じように考えられたことでしょう。
 私たちが生きている現代は、仮定1、2とも当てはまらない時代なのです。

 では、評価フィードバックのとき、この時代認識をどれくらい反映していらっしゃるでしょうか?
 実は、2つの「不適切な仮定」は、評価フィードバックを非生産的にする落とし穴(間違った「思いこみ」)なのです。

 次回は、2つの「思いこみ」を乗り越えて、実りある評価フィードバックを実現するにはどうすれば良いかについて考えてみます。

セミナー会場にほど近いミシガン湖の風景

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