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米国人材マネジメント協会 年次大会に参加してー1ー

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米国人材マネジメント協会 年次大会に参加してー1ー

米国人材マネジメント協会 年次大会に参加して(1) 

 こんにちは。コンサルタントの田中博志です。

 突然ですが、米国人材マネジメント協会という名前を聞いたことはありますか?
 これは、世界140カ国以上に合計25万人の会員を擁する、世界最大の人事領域のプロのための組織です。
 毎年6月に年次大会が開催されており、今年、当社から初めて私が参加しました。

 今年の大会は、6月16日~19日の4日間、イリノイ州シカゴのミシガン湖の畔にある北米最大のコンベンションセンターで開かれました。

 幕張メッセの2倍の広さを誇る会場に、77カ国から18,500人が集い、およそ200の一般講演と700の展示ブースが開設され、活発な議論が繰り広げられました。
 さらに毎日、ヒラリー・クリントン前国務長官など、各回の著名人が登壇する特別講演もあり、規模と質の両面で圧倒された4日間でした。

 これから数回にわたってこの大会で見聞きしたことをもとに、よりよい人材マネジメントについて考えていきます。
 1回目の今回は、全体的な振り返りをしたいと思います。

シカゴ・マコーミックプレイス(セミナー会場です)にて

1.社員の「心からの」参加・貢献を引き出すには

 一般講演は、報酬、評価、組織開発、戦略人事など、私の関心分野を中心に聴講しました。
 10余りの講演で感じたことは、社員の「エンゲージメント」(強い思い入れをともなった参加・貢献)の強化と優秀人材の定着への関心が非常に高いことです。

 アメリカというと多額の金銭報酬で社員を引きつける印象があるかもしれませんが、力説されたことの多くは、むしろ非金銭的な取り組みによって内発的動機を高めることでした。

 背景の一つには、リーマンショックに端を発する大不況によって人件費予算が限られているという実情があります。
 しかし、それ以上に重要なことは、仕事そのものが知識労働に大きくシフトしていることです。

 社会が成熟し、ニーズが多様化する現代において価値を提供し続けるためには、 一人ひとりが自分の内面に問いかけ、忍耐強く考え、新しい答えを創り出していくことが必要です。

 そのような創造的活動を支えるのは、心の底から湧き上がってくる内発的な動機しかありません。
 「馬を水飲み場に連れていくことはできても、その意に反して水を飲ませることはできない」という言葉のように、外的な刺激でできることには限界があるのです。

 非金銭的な取り組みの具体策としては、組織ビジョンの共有や戦略ストーリーに沿った仕事の任せ方、マネジャー中心のコントロールではなく相互信頼・自己組織化による自発的な業務遂行、学習のための評価フィードバックなどが挙げられます。

 当然のことですが、社員の力を信じ、人間性を尊重して関わることが最も大切なのです。
 では、金銭的報酬(外発的動機づけ)はどうでもよいかというと、決してそうではありません。

 ある有名な報酬コンサルタントは、近年言われている「外発的動機づけが内発的動機を消し去ってしまう」という見解は極論であり、両方とも必要だと断言しました。
 なぜなら、金銭的報酬をおろそかにすると、社員の心に「不満」が生まれ、内発的動機を阻害してしまうからです。

 金銭報酬を決める上で大切なことは、支払いを受ける働き手の理解と納得に十分配慮することです。

 そのため、全員に対して一律のルールが必ずしも良いわけではなく、仕事の特徴に応じたバリエーションが必要なこともあります。
 金銭的報酬においても社員の人間性の尊重が求められ、これが「エンゲージメント」強化の一つの要素になるのです。

 ところで「エンゲージメント」には「婚約」という意味がありますが、社員の参加・貢献について同じ言葉が使われるのはなぜでしょうか。
 私は、会社と社員の関係を、単なるビジネス的な契約から、共に歩むパートナーの関係に変えていこうという、国境を超えた意思の力を感じました。

シカゴ川から高層ビルを臨む

2.人と人のつながりに注目する

 そのほかに、「社会的なつながり」をテーマにした講演もありました。
 会社には公式な階層構造のほかに、自然に発生した非公式なつながりがあります。
 この非公式ネットワークのカギとなる人に協力してもらえば意思疎通が進みやすくなります。

 ソーシャルメディアを使って情報共有、意見交換をしたり、小さな感謝を表明しあう仕組みもありました。

 社外のつながりも重要です。最近、オープンな朝食会があちこちで開かれていますが、このような社外交流から新たなアイディアが生まれることもあります。
 このように、社会的なつながりのなかで人材マネジメントをとらえることで新たな可能性が広がっていきます。

 さまざまな講演をとおして、会社を人材が思い切り活躍できる「場」にするには、理性的であり感情的である、個人的であり社会的である、という人間の本質を理解し、お互いに尊重し、支え・高めあえる関係づくりが欠かせないと感じました。

 次回からは、特に印象的だった講演をもとに、評価と報酬について掘り下げていきたいと思います。
 また、格調高い特別講演も紹介していきますので、ぜひご期待ください。

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