第97回 事業場外みなし労働時間制についてー3ー

中川恒彦の人事労務相談コーナー
Q
最近、旅行添乗員の業務について事業場外のみなし労働時間制が適用されないという最高裁の判決が出されたようです。
旅行添乗員の仕事は、ほとんど全部といってもいいほど、事業場外の仕事であると思うのですが、なぜみなし労働時間制の適用がないのでしょうか?
当社でも、添乗員とは違いますが、大半の時間が事業場外である営業担当の従業員がいますので、みなし労働時間制の適用範囲について説明いただければ幸いです。
A
労働基準法が定める事業場外のみなし労働時間制は、
イ 労働時間の全部または一部を事業場外で業務に従事し、
ロ 使用者の指揮監督が及ばないため労働時間を算定することが困難な場合
に適用されます。
イ、ロの双方に該当する場合には、
(1) 原則として、所定労働時間労働したものとみなされます。
(2) しかし、その業務を遂行するためにはとても所定労働時間では終わらないと思われる場合には、その業務に通常必要と思われる時間労働したものとみなされます。
(3) (2)の場合に、必要と思われる時間について労使協定を締結したときは、労使協定で定める時間労働したものとみなされます。
(上記説明は、労働基準法第38条の2の規定をわかりやすく変えたものです。)