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第19回 事業の定義(1)

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第19回 事業の定義(1)

前回までは、報酬システムについての考えを述べてきました。
今回から、事業経営と組織運営、人事管理の基礎として最も重要な「経営目標管理」に話を移していきたいと思います。
まずは、「経営目標」を設定する際に起点となる、事業の定義について述べたいと思います。

事業の定義(1)

(1) 事業を定義し企業の目的を定める

 企業が持続的に成長していくということは、人を雇い、顧客を創造し、成果を上げ続けていくということです。そのためには、組織としての展望、将来への見通し・ビジョンを持ち、組織のミッション・使命に確信を持つことが必要になります。

 一言でいえば、「なぜ、何のために会社を経営するのか」「どのような見通しのもとに、どんな会社にしていきたいのか」について、自ら真剣になれ、周囲を共感させることのできる方向性を自分の言葉と数字を使って打ち出さねばなりません。

 将来のビジョンもなく、目的やミッションも ないままに企業を経営することはあまりに無謀であり、貴重な経営資源を浪費し、組織を消耗させる危険性があります。

 まず、自社の目的・ミッションを定義し、とるべき戦略を描き、そのうえで活動の優先順位を決めて目標を設定しなければなりません。そういう取り組みをしなければ、会社というものは組織的に動けないのです。

 ただし、自社の目的・ミッションを考えるときに、いきなり、自分たちの事業はどのような商品やサービスを提供するのかを決めるのではありません。
 それより先に、顧客にどのような効用・価値を提供しようとするのか、どのように消費者の欲求・現実を解決しようとするのかについて考えておく必要があります。

 例えば、ホンダは自社を単なる自動車メーカーとは捉えていません。「夢」を原動力として個人・社会に新たなモビリティ・移動手段を提供する会社と自己規定しています。だからこそ、小型ジェット機の開発や歩行支援ロボットなど独創的な研究開発を行っているのです。

 また、企業の目的・ミッションを考える際には、市場をどこに設定するのか、顧客とは誰なのかを考えることが入口の議論として重要です。

 例えば、電気設備工事業者にとって、顧客は建物・設備のユーザーなのか、それとも工事を発注する建設会社なのか、それとも施工内容を決める設計事務所なのか、それによって自社が注力するポイント、優先順位の付け方が変わってきます。

 実際のユーザーが顧客であれば、安定した機能はもちろん、日常的な使いやすさやメンテナンスも重要でしょう。しかし建設会社であれば仕入れ価格や工事のしやすさが問題となり、設計事務所の場合は多機能・多種類の仕様から選べることが重要なポイントになるはずです。

 もし、このような顧客の姿を明確にイメージできていなかったとしたら、事業の焦点がぼやけ、市場開拓や商品・サービス開発も目標が定まりません。
 それらをはっきりとさせるためには、「事業の定義」が必要になるのです。

 自社が人材コンサルタント会社であったとするならば、そもそも自社の事業とは何なのかを考えなければなりません。 事業の中心は顧客の組織強化なのか、リクルーティングなのか、ミドルマネジャーの教育なのか、それらの組み合わせなのか。

 このような問いかけを行いながら、事業の基本的性格と方向性を決め、組織の重要な意思決定と行動を規定し、事業の戦略とマーケティング・商品開発の目標と基準を定めます。

 ただ、以上のような手順を踏んで決定した目的・ミッションが、真に顧客のニーズを捉えているかどうかは、実のところ誰にもわかりません。

 自分たちが将来なりたいと思うもの、それが本当に正しいのかどうかを事前に誰かに尋ねることはできないからです。顧客のニーズを捉えているかどうかは、商品やサービスを実際に提供し、価格を提示したうえで、顧客が判断することです。

 そのためには、事業主が自分でリスクをとり、具体的なものを提供するしかありません。こればかりは机上でいくら議論し、事業計画書をいくら眺めてみてもわからないでしょう。市場・顧客とコンタクトを持ち、直接確かめるしか方法はありません。

次回は、引き続き、事業の定義についての考えを述べたいと思います。

 連載の内容は、『原因×集中×結果の人材マネジメント方程式』(菊谷寛之著)に詳しく書かれています。興味を持たれた方は、当社のホームページからお申込み・ご購入ください。

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