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組織統合の勘どころと変革のマネジメント(ブックレット47号巻頭言)

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組織統合の勘どころと変革のマネジメント(ブックレット47号巻頭言)

株式会社プライムコンサルタント代表  菊谷寛之
(2016年11月8日開催・秋季定例研究会 ブックレット「はじめに」より)

人材マネジメントを展望する(15)

 グローバル化と人口減少経済のもとで、より効率的な経営を求める中堅・中小企業どうしの合従連衡の動きが強まっている。小社でも、組織統合をめぐって人事領域のお手伝いをすることが増えてきた。

 複数の企業が連携したり、共同で運営を行ったりすることで、単独で行動するよりも大きな企業価値を早期に創造することを一般に「シナジー」と呼んでいる。

 組織統合の最大の目的は、いうまでもなく、お互いの強みの相乗効果を発揮して新商品や新業態を生み出し、市場シェアを高める顧客価値のシナジーである。さらに、お互いに重複する機能やリソースを統合し、ノウハウを一か所に集約・効率化するコスト・シナジーの経済効果も少なくない。

 組織統合には、資本・組織の強弱をあえて連動させず、機会平等に組織・人事統合を進める「対等統合」と、資本の論理による強制力を背景に、一方が他方を吸収する形でシナジー効果を徹底追及する「片寄せ統合」とがある。

 いずれの形にせよ、統合効果による企業価値の創出を最大化するには、周到かつ丁寧な変革のマネジメントが不可欠となる。
 まず、統合推進組織の組成から始めて、新会社の戦略や事業計画の構想、統合作業全体のマスタープランづくり、実務を担う作業部会の編成、経営トップ・ミドル層の融和と信頼関係の形成など、基礎的な取り組みが欠かせない。

 実務的な課題も多い。その最たるものは統合後の人事制度のプランニングそして新組織・人事の編成と移行準備である。
 実際に新しい組織・人事を発令し、新業務に移行した後も、必ず起きる問題点に注意し、継続的改善を続ける必要がある。

 どれを怠っても、組織統合はスムーズに進まない。例えば、早期に決められるべきことが決まらなかったり、現場の実情を無視した決定を強行したり、両社の情報発信の内容にズレが生じたりすれば、誤解や混乱は避けられない。

 決まってもいないことに根拠のないうわさや憶測が飛び交い、社内の混乱が取引先や競合にまで伝わる。

 こうしたボタンの掛け違いから、双方の経営層の不協和音が外部に漏れ出るような形で情報が発信されたりするのは、最悪の展開である。

 このような無用な混乱を避けるには、何のために組織統合を行うのか、わかりやすく強力なメッセージを発信し、それを具体化する象徴的な目標を掲げ、その実現に向けてお互いの意思疎通と協調・連携を徹底することである。

 それでもなお、従業員の最大の関心事は「組織統合によって自分の立場はどうなるのか」「仕事や処遇はどのような影響を受けるか」という点に集まるものである。
 彼らの不安を解消し、業務にかかる負荷や地位・処遇の変化を受け入れさせるには、説得や代償措置だけでは足りない。

 最良の方法は、組織統合のプロセスと課題に当事者を参加させ、彼らの発意や創意工夫、主体的な意思決定を引き出すことである。

 その中で「確かにこのほうがよい」「前より楽になった」「利益が上がる」という成果を自ら体感させ、組織統合のシナジー効果とともに、社員自身の成長や変革への期待が生まれれば、組織統合は半ば成功したも同然といえよう。


「プライムブックレット巻頭言」は、プライムコンサルタントが主宰する「成果人事研究会」の研究会資料「プライムブックレット」の内容の一部をご紹介するものです。

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