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組織運営の多面化にマネジャーはどう向き合えばよいか(ブックレット48号巻頭言)

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組織運営の多面化にマネジャーはどう向き合えばよいか(ブックレット48号巻頭言)

株式会社プライムコンサルタント代表  菊谷寛之
(2017年2月15日(大阪)2月17日(東京)開催・春季定例研究会 ブックレット「はじめに」より)

人材マネジメントを展望する(16)

 昨年亡くなったインテルのA・グローブ元会長は、その名著『ハイアウトプットマネジメント』の中で、マネジャーの責任を次のシンプルな等式で表現している。

■マネジャーのアウトプット
 =自分の組織のアウトプット+自分の影響力が及ぶ隣接諸組織のアウトプット

 この等式は、階層組織に地位・権限・責任を有する伝統的なミドル・マネジャーだけでなく、ますます高度化する知識ベースの事業構造、そしてより多様化するサービス指向の組織文化の中で、他の人々の知識・技能・理解に影響を及ぼす「ノウハウ・マネジャー」と称すべき人たちの責任をも明快に定義した。

 等式の前半部分の「自分の組織のアウトプット」は、伝統的なマネジャーの定義がよく当てはまる。

 担当部門を任された個々のマネジャーは、自らが率いる部下の力を最大限引き出して最適な仕事のプロセスを実現し、組織のアウトプットを最大化して組織全体の成果に貢献する責任がある。そのために自ら目標を設定して組織を方向づけ、情報を収集・提供して部下の能力と意欲を高め、意思決定を行い、役割モデルとして模範を示す管理階層上の職位と権限が与えられる。

 後半部分の「自分の影響力が及ぶ隣接諸組織のアウトプット」には二つの意味がある。
 一つは、担当部門のマネジャーが、他部門と連携して事業の目的や組織全体の課題を共有し、上位部門にも積極的に参画する必要性を強調していることである。

 もう一つは、組織全体に影響力を持つ財務会計、情報システム、調達、技術開発、人事などの、必ずしも部下を持たない経営管理スタッフや、時には担当部門すら持たない専門技術スペシャリスト、特定分野の技能エキスパートなどにも、経営に強いテコ作用を及ぼす責任があることをはっきりと理解させたことである。

 よく知られているように、市場・顧客の拡大に組織が適応するには、⒜地域や商品分野ごとに完全に分権化された使命中心の事業組織を並行分業させるやり方と、⒝技術開発・仕入・製造・販売・事務管理などの完全に中央集権化された機能別組織を連鎖的に水平分業させるやり方とがある。

 現実には、ほとんどの組織はこの両者を混合した組織形態のどれかに落ち着く。
 すなわち各業務分野に蓄えられる専門知識を事業のテコとして活用し、共通機能の集中によるスケールメリットを求めて⒝の機能別組織を社内下請け組織のように位置づける。その全社的な支援のもとで⒜の事業組織が地域や商品分野ごとに最適な事業展開を図り、顧客のニーズに柔軟に応えていくのである。

 時には、⒜の事業組織に属するミドル・マネジャーが、特定分野のノウハウ・マネジャーとして振舞うことを求める二重所属型の組織も少なくない。これに⒞経営の重要事項を担う特命プロジェクトや、⒟業務改善、人材育成、組織開発などを推進する横断的な委員会活動などが加わると、さらに多面的な役割が求められる。

 これからのマネジャーは、⒜⒝を中心に多面化する組織の適切なコントロール方法を学習するとともに、自分や周囲の限られた時間を生産的に成果に結びつけつつ、お互いの役割を認め、キャリアを支援的に高める文化を探求していかねばならない。


「プライムブックレット巻頭言」は、プライムコンサルタントが主宰する「成果人事研究会」の研究会資料「プライムブックレット」の内容の一部をご紹介するものです。

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