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あなたの強みが組織の強みになるとき(ブックレット41号巻頭言)

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あなたの強みが組織の強みになるとき(ブックレット41号巻頭言)

株式会社プライムコンサルタント代表  菊谷寛之
(2014年6月10日開催・夏季定例研究会ブックレット「はじめに」より)

人材マネジメントを展望する(9)

 私たち人間は、複雑な物事にシンプルなパターンを適用して仕事を単純化する。
 他方ではパターンそのものを創造的に再構成して、より複雑な物事にも対処する。
 こうして知識や能力を増やし、仕事の世界をスパイラル的に拡大していくのである。

 普通の人なら誰でも、同じ働きで同じ結果が繰り返し得られるように物事を単純化するのがユニバーサル・デザインのアプローチである。
 使いやすい食器や家具などの生活用品、手になじむ工具、歩きやすい道路や案内標識、直感的に操作できる器具などがその例である。

 モノだけでなく、マニュアル化された作業手順やシンプルなルール、公式などは、プロセスそのものを単純化する。

 単純化の創意工夫は人々の負担を減らし、確実な効用や利便性を社会に提供する。
 分業制に基づく大量生産・大量販売は、この仕事の単純化ロジックを徹底的に活用し、生産性を飛躍的に拡大してきた。

 商品・サービスの効用や利便性の向上は、大衆社会における巨大な需要を創造し、経済成長をもたらす最大の駆動力となっている。
 他方で、私たちは未知の領域に興味を抱き、未来の可能性に意欲をかきたてられる欲張りな好奇心のカタマリでもある。

 自分の知識やスキルをさまざまな機会に適用し、混沌とした現実の中に新たなロジックを見出し、成果をつかむ醍醐味は、私たちの生きがいそのものといってもよい。

 私たちは、感性や能力を総動員するクリエイティブな遊びや労働にふけり、仕事や生活の中で学習や経験を繰り返すことで、現実世界の新たなパターンを発見し続けている。
 さまざまなツールやシステムを開発し、新たなモノの見方を獲得し、流儀作法やルール、制度、法律を作り出している。

 その好奇心や達成欲求は、学習や経験を積めば積むほど動機が増し、熟練や達人の領域に達してもやむことがない。

 このような一人ひとりの人間による、生産と消費における、極めて個性的な学習プロセスの進化と知識の交流こそ、社会が発達・進歩する真のフロンティアである。

 私たちは組織の一員として仕事をするときも、一人ひとりの人間的な成長プロセスをたどる。

 どんな新米社員も、単に与えられたポジションで役割を引き受け、期待される働きをするだけの受け身の存在なのではない。
 人から一方的な指示や指導を受け、その配慮のもとに仕事をするだけの未熟な存在なのでもない。

 人によって自覚の程度には差があるが、誰もが自分で獲得してきた一人ひとりの内的な動機や役割意識に基づいて、仕事に自分の強みを発揮したいと願う主体的な能力の担い手なのである。
 この能動的な担い手の意識を「内的キャリア」と呼ぶ。

 どんなに有能な経営者に仕えようとも、同じ価値観のもとで画一的に行動を統制され、同じ思考を仕向けられるような組織は不毛である。
 顧客や取引先、仕事相手に真摯に向き合い、自分の強みを発揮して、他者を支援し、社会に価値を提供するあなたの働きこそが、組織に活力を生み、組織に強みをもたらす源なのである。

 このようなリーダーシップを開発するには、一人ひとりがやってきたこと、やりたかったことを丁寧にとらえ返し、再確認する支援的な取り組みが有効である。

 他者の支援を受け入れつつ、現在そして将来の仕事のフィールドに意味や価値を見出し、新たな仕事の動機や使命感を持ち続ける内的キャリアの働きがなければ、組織の複雑な関係性の中で真実を探求し、共有するエネルギーは持続できない。

 一人ひとりが自ら納得できる個性的な強みを追求し続け、お互いによい影響を及ぼしあうとき、その相乗効果によって、組織は市場の機会に対し卓越した力を発揮するようになる。
 その事業が成功を収めるとき、私たちは個人的な仕事の醍醐味を超えて、より大きな全体の強みにつながる真の満足感を得ることができるだろう。

 

「プライムブックレット巻頭言」は、プライムコンサルタントが主宰する「成果人事研究会」の研究会資料「プライムブックレット」の内容の一部をご紹介するものです。

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