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第4回 企業の社会的役割

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第4回 企業の社会的役割

 前回は「事業と顧客価値」について、個人事業を例に考えを述べました。しかし、個人事業では限界があることも、前回の内容をお読みいただいた方はお分かりいただけたと思います。

 そこで、今回は「企業」について取り上げます。事業を行い、顧客価値を生み出している主体は企業であり、人材マネジメントが行われている第一線でもあります。企業の社会的役割や価値を知ることがマネジメントのポイントを知ることにもつながります。

企業の社会的役割

(1)企業が満たす社会的ニーズ

 個人事業と違い、企業には多くの人が働いています。そのため、個人事業をはるかに超える規模や複雑さ、生産性、継続性が求められる事業を行うことができます。企業は、個人事業では満たすことができない大きなニーズを満たすことができるのです。

 もちろん、多くの人が働いている分、個人事業とは比べ物にならない大きな成果が求められます。そのためには、より多くの顧客に、より優れた商品・サービスを提供し、よりよい価値・効用をもたらす必要があります。

 大きなニーズを満たし、多くの人に価値・効用をもたらすために、企業は様々な人を雇い、組織化し、さまざまな 商品・サービスを開発し、さまざまなルートで提供しています。そこには企業だけが満たし得る大きな社会的ニーズがあり、企業はそのニーズを満たすことでより大きな利益をあげ、さらに成長していきます。

 個人事業家にも顧客は存在しますし、個人事業家が提供する価値・効用を望んでいる顧客もいます。ただ、企業の持つ設備や業務プロセス、高度なノウハウ、ネットワーク等がなければ満たせない社会的ニーズというものがあります。

 

 実際に、様々な企業が多様な分野で、複雑な社会的ニーズを担っており、そのカバー範囲はますます広がりを見せています。皆さんも「そんなこと(ところ)までビジネスになるとは思わなかった」と驚いた経験があるかもしれません。

 企業は目に見える市場、見えない市場を含め、社会のすみずみまで浸透し、大きな経済的成果をもたらしています。多種多様な価値・効用をもたらすことで社会・経済を支えています。

(2)新たなニーズを市場とする

 企業が満たすニーズは、初めからそこに存在しているものばかりではありません。むしろ企業自身が事業を興し、商品・サービスを通して自ら作りだしたニーズがほとんどです。

 例えば今、遠方の知人や取引先に品物を送ろうと思ったとき、皆さんはどうしていますか。郵便局に持って行き、郵便小包で送る方もいるでしょう。しかしそれと同じくらい、それ以上に宅配業者を使うのではないでしょうか。

 近くのコンビニに送りたいものを持って行く、あるいは電話で集配に来てもらうこともできます。期日指定もできますし、昔とは比べものにならいくらいの便利なサービスを受けることができます。インターネットによる通信販売の普及にも、この宅配事業が大きく寄与しています。

 これらの宅配事業のサービス、それによる価値・効用は、企業が新たな事業を始めたことによって広く得られるようになったものです。新たな事業が新たな社会的ニーズを作りだし、それが市場となるのです。

 その市場に複数の企業が参入することで、より良いサービスが生まれていきます。そして、別の新たな市場を作り出すことにもつながっています。

 企業にはニーズを満たし、市場を生み出すことで社会を変えていく力が備わっているのです。

(3)企業の価値は顧客が決める

 これまで述べてきたように、企業に対する社会的ニーズの多くは、企業自身が新しい事業を興し商品・サービスを提供することで自ら生み出したものです。企業は、顧客に新たな商品・サービスを提供し、これまでなかった価値・効用を体験してもらうことで収益・利潤をあげようとします。

 しかし、その商品・サービスの価値を決めるのは企業自身ではありません。価値を判断するのは顧客です。顧客が満足し、再び同じ商品(あるいは自社の別商品)を購入しようと思ってもらえなければ、企業は長く存続することができません。自社の商品・サービスを信用してくれる多くの顧客の存在が企業の経済的基盤となるのです。

 ですから、いま目の前の顧客に「売る」ことだけ成功すればいいわけではないのです。その瞬間は売上があがり収益につながりますが、それだけでは長続きしません。実際に価値・効用を感じ満足してもらい、リピーターとして繰り返し買ってもらえるような支持・信用を勝ち得ることができなければ事業としては失敗に終わるでしょう。

 次回は企業がどのように成り立っているのかを、経営システムの面から捉えていきたいと思います

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