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第5回 経営システムのなりたち

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第5回 経営システムのなりたち

第4回では、企業の持つ社会的役割について述べてきました。企業は市場を作り、顧客に価値を提供し、また一方で、雇用を生み出し人々に生活の糧を与える存在です。

企業が社会の中で果たす役割は非常に大きく、企業だけが満たし得る社会的ニーズがあることをご理解いただけたと思います。今回は、その「企業」はどのように成り立っているのかを、企業の経営システムという面から捉えてみたいと思います。

経営システムのなりたち

(1)人を雇い仕事をさせる

 企業は、人を雇うことで企業となります。  人を雇うことで、個人事業ではなし得なかったさまざまなことを実行できるようになり、大きな社会的役割を果たすことにもつながります。

 しかし一方で、個人で事業を行っている間に発生しなかった大きな変化も起きてきます。一つは、使用者(経営者)と従業員という雇用関係が発生するという変化です。使用者は労働の対価として賃金を払う必要があり、使用者は従業員の労働によって「より大きな成果」を得ることができるようになるということです。

 ただし、その「より大きな成果」を得るためには、ただ従業員を雇うだけでいい、というわけではありません。 これまで個人で行ってきた仕事を従業員に行わせるわけですから、仕事の意味や目的について説明し、仕事内容や手順を明確にし、求める成果について理解してもらわなければなりません。その上で、実際に成果を上げることができるように教育する必要もあります。

 また、雇われた従業員は経営者と同じ目線、責任感を持っているわけではありませんし、経営者ほどの権限もありません。もちろん、中には経営者と同じような責任感を持つ人や、大きな権限を付与されている人もいるかもしれませんが、従業員全員にそれを望むことは難しいでしょう。

 従業員が仕事の意味や内容を理解・習得し、自分の仕事の成果に責任を持つようになるためには、個人事業で行っている以上の新たな仕掛けや工夫、すなわちマネジメントが必要になってきます。

(2)永続的に繰り返される経営システムのメカニズム

 従業員を雇い、企業としての体を成すようになったということは、経営者として個人事業とは比べ物にならないくらい、成長し存続し続ける責務を負ったということでもあります。企業は従業員に報酬を支払い、生活を支える義務があり、法的にも安易な解雇は認められていません。

もし、いまこのときだけ最大限の成果を得ようとするならば、企業は今日の事業活動に専念するだけでよいのかもしれません。しかし、将来にわたって成果を実現し続けようとするならば、明日の事業活動すなわち投資が必要になります。

 そもそも今日の事業の成果は過去の投資によって作られたものです。企業は、永続的な投資によって事業活動を継続していくという一つの自律的なシステムにならなければ、企業とは言えません。

その企業のシステムの中心は、必要な材料や設備・人材に投資を行い、自社の商品・サービスを生み出し、それらを顧客に販売して投資を回収し利益をあげるという生産的なメカニズムが支えています。

 経営システムのインプットにあたる部分は、材料や設備・人材であり、アウトプットは顧客に具体的な効用や価値を提供し、最終的な利益を実現することです。

 最終的な利益を増大させる方法は、少々乱暴ですが極めて簡単に言えば、「売上を増やす」か、「コストを抑える」のどちらかです。

 どうしても経営が苦しくなると、経費を抑えたくなります。しかし、コストを抑えるには限界があります。人件費を抑えすぎると優秀な人材の流出を招きますし、従業員がいなくては企業として事業を行えないためゼロにはできません。

 減価償却を減らすには資産の売却や廃棄が求められますし、投資も抑えざるを得ません。コストを抑えるだけでは将来の事業拡大に備えられなくなり長期的な成長性を失うことにつながります。

 これに対して、売上をあげるということには論理的な限界はありません。売上を増やし、売上の増加に伴う変動費を抑制することが優先すべきことなのです。

 今日の成果だけを重視すればコストを抑える方向に向かいがちです。将来にわたって事業を存続・発展させるためには、変動費を上回る売上の増加に向けて、マネジメントを集中させるポイントを見つけ、そこを中心に戦略的な投資を行うことが求められます。

(3)利益は企業の未来への原資となる

 企業にとっての成果とは、会社にとっての利益だけでなく、顧客にもたらす効用・価値という意味も持っています。

 会社にとっての利益は、顧客が効用・価値を感じて進んで対価を払ってくれることにより生じます。しかし、顧客にとっての効用・価値ばかりを追求し利益を生まない商品・サービスには意味がありません。

 リスクに備えるための余裕を持った利益が絶対に必要ですし、将来にわたって顧客に価値を提供し続けるためには投資に充てる費用も必要になります。利益に余裕がなければ投資活動には大きな制約を受けることになります。

 利益をあげ会社が成長していくためには、上に述べたような経営システムのメカニズムを、よりシンプルで強力なものにし続けていく経営努力が必要です。

 そのためには、事業活動の中に投資活動(原因)を組み込み、目標達成に向けて資源と行動を効果的に集中することで、より多くの成果(結果)を実現させる必要があります。

 次回は、企業の経営システムを実際に動かしている、組織について述べたいと思います。

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