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第2回 仕事のなりたち(2)

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第2回 仕事のなりたち(2)

前回(第1回)の人材マネジメントセミナーでは、「働くということ」について述べました。第2回は、「働く」こととは対極にあり、しかし密接な関係がある「消費」について考えていきます。 

「人材マネジメントセミナー」なのに、なぜ「消費」について考える必要があるのか、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、私たちは労働者であると同時に消費者なのです。これまで皆さんは、「顧客視点が足りなかった」と反省されたような仕事の経験はなかったでしょうか。仕事の時間以外では消費者として生活を送っているのに、いざ仕事となると消費者の気持ちを忘れてしまうことがよくあります。

「働く」ことの対極にあるようにみえて、実は非常に関係の深い「消費」について理解しておくことで、よりよく「働く」ということへの理解が深まるのです。このことは、人材マネジメントのあり方を考える上でも、きっと役にたつと思います。


仕事のなりたち(2)

2.消費のなりたち

(1)すべての消費には意味がある

  私たちは何かを消費して生活しています。生きていくために必要不可欠な消費もあれば、趣味・娯楽など心理的な欲求を満たすためだけの消費もあります。その目的や消費量は実にさまざまですが、どの消費にも意味があります。「ただ何かを消費した」ということではなく、その消費によって得たいと思っていた(得られると思っている)本当の効用が裏に隠れているのです。

 消費するためにはお金が必要です。お金を手に入れる手段は様々ありますが、一番の基本はやはり「働く」(働いて賃金をもらう)ことでしょう。

 あなたは働いて得たお金を使い、誰かが生み出したモノやサービスを消費します。一方で、あなたが働いて生み出したモノやサービスを、他の誰かがお金を使い消費します。当たり前のことですが、誰かが「働く」ことは、他の誰かの「消費」によって完結し、そこで得られたお金が企業や個人に渡り、また次の「働く」につながっていくのです。

 このように、「消費」することと、「働く」こととは、お互いに深い関係でつながりあっているのです。

 

(2)購入することは消費のきっかけにすぎない

 欲しいものがあり、がんばって働き、お金を得てその欲しいものを買う。それは非常に嬉しい瞬間だと思います。しかも、手に入れたらそこで終わりではありません。使ってみて、自分が期待した通りのもの、またはそれ以上のものであれば嬉しくなり、大きな価値を感じることでしょう。

 逆に、思っていたほどのものではない場合もあります。そのときはがっかりし、ほとんど価値などないように見えるかもしれません。また、思っていたものとは違っていても、意外な良さがあったのでこれはこれで良かった、ということもあるかもしれません。

 このように、私たちは購入前の期待と消費(実際に使って感じた効用)の体験を通して意味づけ・価値づけを行います。お金は有限のものですから、消費者(ユーザー)側から見れば、「購入前の期待よりも消費で体験する価値(実際に使って感じた効用)のほうが大きい」ということであって欲しいものです。

 一方で、モノやサービスを提供する「働く」側は、購入してもらうことだけで満足してはなりません。購入はただのきっかけでしかなく、消費されたときに感じてもらう意味や価値にこそ注意を向ける必要があります。

 よりよい仕事をするには、消費の瞬間にユーザーが何を感じるのかについての洞察が欠かせません。ユーザーに何を体験してもらいたいのかを突き詰めてはじめて、どのような仕事をしなければならないかが見えてくるようになるのです。

 このような気づきを通して、どのように働くかという強い覚悟を持ち、よりよく働こうと決意した人でないと、真の仕事のプロフェッショナルにはなれません。

 

(3)働く意味を知ってこそわかる正しい消費

 ユーザーは、購入し消費することで欲求を満たそうとします。しかし、消費には経済的な限界があります。また、経済的に余裕があったとしても全てを使いきるわけではなく、貯蓄へ回そうとしたり、節約したりします。

 「あれも欲しい・これも欲しい」という欲求を、「金銭的な制約」や「節約する気持ち」が抑え込むことでバランスがとられているのです。

 この「金銭的な制約」や「節約する気持ち」の裏には、「働く」ことの大変さ、お金を得ることのありがたさ、労働への敬意が隠れていいます。反対に、浪費や無駄遣いの裏には「働く」ことに対する軽視、軽蔑が隠れています。

 「働く」ことの意味を知り、「働く」ことと「消費」の関係を知ることで、両方の大事な意味がよりはっきりと見えてくるのではないでしょうか。

 

 次回は、仕事についてさらに掘り下げ、「事業と顧客価値」について考えていきます。

 連載の内容は、『原因×集中×結果の人材マネジメント方程式』(菊谷寛之著)に詳しく書かれています。興味を持たれた方は、当社のホームページからお申込み・ご購入ください。

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