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障がい者が「普通に暮らせる」時代を作る☆特定非営利活動法人トムトム様ー3ー

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障がい者が「普通に暮らせる」時代を作る☆特定非営利活動法人トムトム様ー3ー

 前回は、NPO法人トムトムが新たに人事評価制度を設計・導入しようと決断したきっかけや、人事・組織改革に取り組む姿をお伝えしました。
 今回は、人事・組織改革により生じた職員の意識と行動の変化についてお伝えします。熱い思いを持つ職員が集まったトムトムが、人事・組織改革をきっかけにさらに発展しようとしている姿を、ぜひご確認ください。(編集部)

特定非営利活動法人トムトム様の工夫(3)


新制度の運用スタート。職員の意識にも変化が

 NPO法人トムトムに新しい人事評価・等級・賃金制度が導入されてから、約1年が過ぎました。これから先は「運用」の課題に取り組み、組織に制度を浸透させていく段階です。

 「年度が始まる前に職員1人ひとりが目標を立てて、半年後に目標を振り返って評価して、また次の半期の目標を立てる。私たち全員が、毎日の業務をこなしながら、この新しいルーティンを身体に馴染ませないといけません。今はまだマゴマゴしてますね。幸い、制度導入にあたってひとまず全員が昇給しているせいか、文句らしい文句は出ていません。でも、評価の結果が、昇給/降給や昇格/降格につながるのは、これからです。どうやって制度を定着させていくかで、頭がいっぱいです」

 並行して、職員たちの意識改革は着々と進んでいるようです。これまで「評価する-評価される」ことに反発もあったトムトムの職員たち。しかし新制度のもと、5段階の等級ごとの役割責任を明文化したことで、職員たちの納得度は高まりました。また半期に一度、キャリアアップシートやステップアップシートを提出するのにあわせて、上司と部下が面談する機会を持つようになったことも、意識改革を促しています。

 「特に変わったのは、意外だったのですが事業部長ですね。彼は現場のボスで、利用者のために昼夜を問わず働いている熱血の人。反面、人事のことについて、新制度が始まる前までは、現場に追われて部下の面談の時間が、なかなか取れない状態が続いていましたが、新制度が始まってからは『やらなければいけないことなんだな』とストンと腹落ちしたというか、トムトムが事業を続けていくためには必要なことだと理解し、自ら意識的に面談の時間をもってくれるようになりました。」

利用者の「きらきら光る」暮らしを支えるために

 新制度の狙いは「給料を良くすること」「職員に長く勤めてもらうこと」。これが職員の安定的な採用と定着、そして事業継続に寄与することを、加藤さんは願っています。

 こうして制度が刷新されていく一方で、20年前のトムトム設立以来、変わらないものもあります。事業にかける職員たちの情熱です。「いかにして職員のモチベ−ションを高めるか」といった、民間企業の多くが抱える課題は、トムトムには無縁のように見えます。それは「トムトムの理念に共感してくれる職員が集まっているから」だと加藤さんは言います。「設立当初は熱い思いの人『だけ』が集まっていて、収集がつかなくて大変だったのですが(笑)、今でも『熱い』人たちの集まりであるのは変わりません」。

 障がいのある人たちの「普通の暮らし」を支援するのがトムトムの理念。そんなトムトムらしいエピソードを加藤さんは教えてくれました。
 以前、利用者のご家族が急に亡くなってしまった時のこと。身寄りのない利用者の生活を支えられるのはトムトムの職員たちしかいませんでした。行政側の手続きが済み、利用者が施設に引き取られていくまでの間、利用者の自宅に交代で泊まり込んだのです。

 「利用者が困っていたら、とにかく何とかしなきゃいけない、職員同士で意見がぶつかりながら何とかする。そういうところはトムトムらしいなと思いますね。トムトムがこれまで事業を広げてこられたのも『やってほしいと言われているけど、どうする?』と聞けば『やるっきゃないでしょ!』と答える職員たちが、いたからです。逆にいうと彼らが納得しないと、私たちは前に進めません」

 彼ら頼もしい職員たちが安心して長く働ける環境をつくること。それこそ、トムトムの永続的な発展を後押しするものでしょう。そしてそれは、人事評価・等級・賃金制度の改革に限った話ではないはずです。

 「例えば、10箇所ある事業所の『横のつながり』は、もっとつくるべきだと考えています。職員たちが、自分が働く事業所のことだけを考えるようになると、どうしても組織の風通しが悪くなる危険がありますから。新制度を導入する以前に、職員それぞれの業務をどう評価すればいいか議論が進まなかったのは、施設ごとの業務の違いを皆が理解していなかったせいもあると思っています」

 事業の拡大にも、本腰を入れることになるでしょう。これまで法整備を追い風としながら成長してきたトムトムですが、直近4年間はいわば成熟期にあたり、拠点を増やしてはいません。しかし今回導入した新しい人事評価・等級・賃金制度は、賃金が着実に上がり続けていく制度でもあります。職員たちの情熱に報いるためにも事業の拡大は不可欠。またそれは、トムトムによって「普通の暮らし」を手にする障がい者の数が増えていくことを意味します。

 「トムトム」とは、アイヌ語で「キラキラ光る」の意味。利用者それぞれのキラキラ光る暮らしのため、トムトムの活動は続いていきます。

 

特定非営利活動法人トムトム様のホームページはこちら

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