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人の働きと学習力を高める経営とは(ブックレット34号巻頭言)

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人の働きと学習力を高める経営とは(ブックレット34号巻頭言)

株式会社プライムコンサルタント代表 菊谷寛之
(2012年2月21日・東京、23日・大阪会場・春季定例研究会ブックレット「はじめに」より)

人材マネジメントを展望する(2)

 私は、経営という仕事のエッセンスを「VSOP」の4文字で説明している。
 V(ビジョン):会社の目的と使命、方向性を明らかにし、人々の共感を得ること
 S(戦略):社会の成果に向かってシステムを働かせるストーリーを描くこと
 O(組織):仕事を組織化し、人に具体的な責任を持たせ、成果を上げさせること
 P(利益):雇用の継続と投資に必要な利益を実現し、企業を存続させること

 背景も生活環境も異なる人々が事業活動を共にするためには、目的とする成果に向かって意思決定を行うトップマネジメントの機能と、それを支える強靭かつ柔軟な分業組織の機能、そして組織学習に基づく人材活用の機能を持つ必要がある。

 分業組織の機能とは、仕入・オペレーション・販売・サービスなどのバリューチェーンの基軸となる主活動と、それを側面から支える調達・会計・情報・人事労務・研究開発等の支援活動のことである。

 経営者は組織の機能・階層ごとに責任者を配置し、目標を示す。成果責任とともに予算と権限を与え、成果を上げさせ、業績を評価する。責任者は部下とともに組織目標を設定し、仕事のプロセス化を進め、仕事を統率し、結果に責任を負う。

 人材活用の機能とは、一人ひとりの強みを活かす最適な仕事に人材を配置し、高い基準・目標を設定し、組織的な学習の環境を整え、現在行える能力以上の仕事の機会と責任を与えて活躍させることである。人々の動機と知識・スキル・判断・意思決定を引き出し、組織の目的(成果)に貢献させ、その働きに応じた適正な報酬を用意することこそ、人事管理の最も重要な機能である。

 内発的な動機によって自ら仕事に挑戦し、失敗や成功の体験を重ねることでしか、人は成長できない。企業もまた、人の潜在的なポテンシャルを最大限引き出す活躍と成長の場を提供し、人の強みを組織の優秀性、卓越性に結びつけなければ、その社会的・経済的な能力を高めることはできない。

 多様な価値観や動機を持った人々を組織に参画させ、責任を持たせ、成果を上げさせ、貢献に報いるには、強固な統合力のある配分の枠組み、すなわち役割責任と報酬を明確にできるシンプルな人事制度が不可欠である。

 1.従業員の組織上の位置づけと役割責任を明確にする等級制度
 2.役割責任に基づく発揮能力=実力に連動した報酬制度
 3.組織の成果と価値の創造に向けて具体的な行動と気づきを促す評価制度
 4.学習の機会と成長の目標を与え、自己啓発を助ける組織開発
これら4つの枠組みが相互に機能して初めて、個別の人事・賃金の決定や働きの評価、人件費の適正配分、キャリアの支援などが可能になる。

 評価基準の真の目的は、組織の目的である社会の成果に対して、すなわち組織が創造しようとする未来のビジョンに向けて人を動機づけ、具体的な行動を促すことである。現実を直視し、よりよく行おうという欲求を引き出し、仕事の主人公として知識とスキルを発揮させる。仕事を生産的なものとし、実際に成果をあげさせ、社会を支える人材として成長させることである。

 社会の成果に目覚めた人材は、自分が心から大切に思うものを所属する組織の目的に重ね合わせ、自らその一員になろうと決心する。組織にとって最善の行動をとるために互いの思いを語り、耳を傾ける。社会に貢献できたかどうかを自らの評価尺度として、職業人としての「物の見方」を通して自身の成長を自問自答するようになる。人材の成長とは、そのような内省と学習の継続をいうのではないだろうか。

 

「プライムブックレット巻頭言」は、プライムコンサルタントが主宰する「成果人事研究会」の研究会資料「プライムブックレット」の内容の一部をご紹介するものです。

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