賃金制度をつくるべき5つの理由
賃金制度の設計は「後回し」になりがち
従業員に支払う基本給の金額や諸手当の支給方法をルールとして定めた「賃金制度」。経営コストでありながら、従業員のモチベーションを左右する重要な要素でもある賃金は、経営者や労務管理者の頭を悩ませる存在と言えるでしょう。
しかし、特に制度と呼べるようなものが無く、経営者の直感で昇給を検討している企業も少なくないはずです。
「従業員がもう少し増えてから…」
「事業がもう少し軌道に乗ってから…」
こうした理由で制度設計を後回しにしていませんか?
激動するビジネス環境の変化に対応し「会社の持続可能性」を高めるには、賃金制度の存在が大きく関わってきます。特に、制度が未整備になっている中小企業は注意が必要です。
すぐにでも賃金制度を設計すべき5つの理由
ここからは、中小企業が今すぐにでも賃金制度をつくるべき理由を5つ紹介します。
自社の状況と見比べながら、「制度がしっかりしている理想的な組織」とはどんな状態なのかをチェックしてみてください。
REASON
01
人件費のコントロールを容易にする
賃金制度を導入することで、人件費配分を最適化したり、経営状況に応じて昇給原資総額を上手にコントロールしたりできるようになります。
以下で2つの事例を紹介するので、導入前後のビフォー・アフターでどのような変化が起こるのか確認してみましょう。
事例1:人件費の最適配分
Before
社長の直感で昇給額を決定
従業員の経験・習熟度を考慮して昇給額を決めていたが、社長の直感に頼っていたため、賃金のばらつきが発生していた。
After
役割と貢献度で昇給額を決定
役割と貢献度によって昇給額にメリハリをつけることで、人件費の最適配分を実現できた。
事例2:人件費の総額管理
Before
人件費が肥大化し経営を圧迫
年功的な賃金決定をしていたため、年々人件費が肥大化し経営を圧迫。賃金表など長期的に発生する給与額を計算するモノサシもなく、改善するにも何から手を付ければいいか分からなくなった。降給できないと思い込んでいた。
After
経営状況に応じ昇給を適正化
経営状況に応じて毎年の昇給原資をコントロールできる仕組みを整えたことで、人件費の総額管理が可能に。また、役割等級の考え方と賃金表(基本給テーブル)を導入したことで、実力と賃金の関係が明確になり、抑制・改善点が可視化できた。
REASON
02
従業員のパフォーマンスを最大化できる
賃金制度を整備することで、従業員のモチベーション・労働生産性の向上を図れます。
また、安定的な組織基盤の構築にもつながり、ビジネス・社会環境の変化に柔軟に対応できる組織がつくられます。
以下でよくある問題と解決策を2つずつ紹介するので、賃金制度でどのような改善効果が得られるか確認してみましょう。
よくある問題:従業員と組織のパフォーマンスが低下する
賃金制度がなく、年齢や勤続年数で毎年の昇給額を決めるような固定的・惰性的な方法をとっている企業は少なくないでしょう。
しかし、賃金制度がないと以下のような問題が起きがちです。
問題1
年功的な仕組みによる士気低下
年功的・固定的な仕組みのせいで「頑張っても頑張らなくても一緒」という心理が働いてしまい、従業員のモチベーションが低下していた。
問題2
将来不安や閉塞感が組織に蔓延
昇給ルールが不明確なために従業員が将来の見通しを描けず、一人ひとりの成長意欲は低下。停滞感や閉塞感が組織に蔓延していた。
賃金制度で改善:従業員の意欲を高め強い組織をつくる
従業員一人ひとりが成長意欲を持ち、モチベーションを高めるきっかけとなるのが賃金制度の存在なのです。
変化の激しい現代のビジネス環境を生き残るには、賃金制度のちからで労働生産性の向上を図ることが重要です。
改善1
納得感のある仕組みでモチベーション向上
自身の役割と貢献度に見合った賃金が用意されれば、従業員は高い納得感を得られる。報酬による成功体験を得た従業員は、経験学習によって貢献意欲が高まり、ぐんぐん成長していくようになった。
改善2
将来に希望を描ける未来志向の組織に変革
透明性の高い仕組みで納得と希望を生む賃金制度を確立。将来に夢を描き、成長意欲が向上した従業員一人ひとりが互いに高め合うことによって、売上拡大、コスト削減、納期短縮、イノベーションの創発など会社の成長につながった。
REASON
03
採用活動に有利にはたらく
賃金制度を整備し、応募者にとって魅力的な給与額を設定すれば、採用市場で高い競争力を得ることができます。
【新卒採用の場合】
将来のキャリアビションとともに具体的な年収イメージを提示できるため、意欲的な若者を採用するチャンスが増大します。
【中途採用の場合】
世間相場や従業員とのバランスを考慮しながら、給与額を設定することが容易になります。
REASON
04
離職防止(定着向上)につながる
内閣府の発表した「子供・若者の現状と意識に関する調査(平成29年度)」によると、「将来性がないと判断したから」という理由で初職を離職した若者が少なくありません。
相場より高い賃金をもらっていたとしても、将来の成長イメージを持てなければ、従業員は離職を考えてしまうでしょう。
キャリアステップと将来的なモデル年収を公開すれば、従業員が将来をイメージでき、離職防止につなげることができます。
REASON
05
組織風土がよくなり企業文化が洗練される
明確で納得感のある賃金制度がなければ、従業員は賃金に対して不満を抱いてしまい、仕事に集中できなくなります。
賃金制度に納得し、仕事に100%向き合えるとき、そこにやりがいや満足感が生まれます。こうした組織では、従業員が自発的に仕事の精度を高め、クリエイティビティを発揮する風土が育ちます。
組織風土がよりよくなれば、おのずと企業文化も洗練されます。
まとめ
ここまで、賃金制度をつくるべき5つの理由を紹介しながら、制度構築により得られるメリットを紹介しました。
最後にもう一度、5つの理由を確認しましょう。
- 人件費のコントロールを容易にする
- 従業員のパフォーマンスを最大化できる
- 採用活動に有利にはたらく
- 離職防止(定着向上)につながる
- 組織風土がよくなり企業文化が洗練される
このように、従業員の納得感が高まるだけでなく、企業経営にも様々な好影響をもたらします。
「制度設計の仕方がわからない…」
「場当たり的に対応してきたけど何とかなった」
そうした理由で、賃金制度の導入を見送っていませんか?
賃金制度は、従業員のやる気と能力を引き出し、組織活性化と生産性向上に寄与します。加えて、中長期的にも経営の基盤を強化するとなれば、すぐにでも賃金制度を構築すべきです。
自社単独での設計が困難な場合は、専門コンサルタントの活用を検討してみてください。
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賃金制度の設計には、関連法規に対する正確な理解や緻密な昇給シミュレーションなど、「複雑かつ高度な専門スキル」が求められます。
また、従業員の納得感を醸成するには公平性を担保する必要があるため、社内当事者だけでなく「第三者の存在」も欠かせません。
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