子ども・子育て支援金制度とは
Q
当社は食品製造を行う中小企業で多数のパートを雇用しています。
同一労働同一賃金の法改正によって、パート社員と正社員の待遇差について説明義務が生じると聞きましたが、会社はどのような対応をとればよいのでしょうか。
A
本年4月からは中小企業にも「同一労働同一賃金」のルールが適用されることになり、正社員との待遇差について事業主の説明義務が強化されました。
この説明義務は2018年の「パート・有期労働法」の改正に基づくもので、説明義務には「雇入れ時の説明義務」と「求めがあった時の説明義務」があります。以下、改正法の内容に沿って具体的な対応について検討します。
パート・有期社員の雇入れ時には、「契約期間、就業の場所、始業・終業時刻、賃金に関する事項、賞与・退職金の有無など」決められた項目につき書面による明示義務があります。そして、これとは別に、パート・有期労働法では、以下の事項について、会社として講ずることとしている措置の内容についての説明義務を定めています(同法14条1項)。
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以下は、雇入れ時の会社の説明の一例です
【説明例】
以上のように雇入れ時の説明では、会社が実施するパート・有期社員の雇用管理において共通する一般的な待遇決定や措置内容について説明すれば足りると考えられます。個々の労働者ごとに行うことも、複数の労働者に説明会等で同時に行うことも可能です。説明は労働者が的確に理解できるように口頭で行うことが原則ですが、口頭と文書併用で行うのもよいでしょう。

一方、正社員との待遇の相違についてパート・有期社員から求めがあった時の説明義務では、次の2つの点(以下、①並びに②)について説明しなければなりません(パート・有期労働法14条2項)。
| ①通常の労働者(正社員)との間の待遇の相違の内容及び理由 ②前述した「均衡待遇」など法8条~13条の6項目、更に「労働条件に関する文書の交付等(同法6条)」、及び「就業規則の作成手続き(同法7条)」)を加えた各規定により措置を講ずべきこととされている事項に関する決定(待遇の決定)をするにあたって考慮した事項 |
このうち、①は同一労働同一賃金ルールに関する法改正で新たに追加されたものです。これは正社員との待遇の相違について均等・均衡待遇に違反しているか否かをパート・有期社員が判断できるように、その資料等を事業主に提供させる趣旨で新設されたものです。したがって将来、訴訟といった事態になることを避けるためにも、会社の説明には十分留意する必要があります。
前述の「雇入れ時の説明義務」では個々の労働者レベルについての説明までは求められませんが、求めがあった時の説明義務では当該対象パート・有期社員と通常の労働者との待遇の相違について内容及び理由を説明することが必要です。
この際、比較対象になる通常の労働者とは、職務の内容等が当該パート・有期社員の職務の内容等に最も近いと事業主が判断する通常の労働者(正社員)を選定して比較することになります。
説明の求めをしたことを理由として、解雇その他不利益な取扱いをすることは禁止されますので、その点にも注意が必要です(同法14条3項)。
それでは、具体的な例で考えてみましょう。パート・有期社員から自身の「基本給」「賞与」そして「食堂の利用(福利厚生施設)」について正社員との待遇の違いについて説明を求められた場合、会社は待遇の相違とその理由(考慮した事項)を答える必要があります。以下は会社の説明の一例です。

著者プロフィール
特定社会保険労務士/中小企業診断士。
東京都出身。東京大学理学部卒業後、富士通株式会社に入社。
コンピュータの基本OSの企画・開発に携わったのち、事業改革、人事労務管理、企業年金業務など幅広い分野を担当。平成17年に同社を退職し独立、米田経営労務研究所を開設。
現在は、経営全般・人事賃金制度・退職金制度設計を得意分野とし、「キラリと輝く会社づくり・人づくり」をモットーに中小企業のコンサルティングを中心に活動中。