子ども・子育て支援金制度とは
Q
当社では、通勤手当については、従来から6カ月定期券代を6等分して毎月支払っていますが、先日社内で、
ということが議論になりました。
賞与でもないのに6カ月に1回支払うことは労基法に違反しそうですし、一方、月1回支払っていても1カ月定期券代に足りないのでは通勤手当の名に値しないのではないかという気もしますが、どのように考えるべきでしょうか?
A
通勤手当額の決定に際し1カ月定期券代によるか、6カ月定期券代によるか、あるいはその他の計算によるかは労使間の取決めごとですが、6カ月定期券代によるとした場合の支払方法については、当該額の6分の1を毎月支払うこととするのが労働基準法の賃金毎月払いの原則に従った方法であり、一括支給する義務はありません。
「労働契約は、労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことについて、労働者及び使用者が合意することによって成立」(労働契約法第6条)しますから、使用者は労働者の労働に対し賃金を支払わなければなりません。
しかし、通勤手当制度を設けて通勤手当を支給することとしなければならないかについては、そのような義務は課せられていません。通勤手当制度のない企業もあります(平成27年就労条件総合調査結果によれば、8.3%の企業には通勤手当制度がありません)。
通勤手当制度のない企業は、基本給等に通勤手当も含まれていると考えることができます。その場合、労働者はもらった賃金の中から通勤費用を支弁するということになります。
ただ、多くの企業が通勤手当制度を設けているということは、通勤費用を手当として支給しようという考え方が産業社会に広く存在しているからであるといえます。
「会社に出勤するまでの費用は労働者持ちであるべきだ」という考え方もあり得ますが、現在の一般的な雇用関係では、通勤手当を支給する企業が多数であるということです。
厚生労働省は、
「通勤手当」とは、労働者の通勤距離又は通勤に要する実際費用に応じて算定される手当と解される
としています(厚生労働省労働基準局編「平成22年版労働基準法コンメンタール」(上)513ページ)。
一般的には、定期券代そのものを支給する企業が多いと思われますが、厚生労働省は「通勤距離に応じて」といっていますから、たとえば、
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という定め方が考えられます。また、厚生労働省は「実際費用に応じて」ともいっていますから、たとえば、
①通勤手当は、1カ月通勤定期券代に相当する額を支給する。
あるいは
②通勤手当は、6カ月通勤定期券代に相当する額を支給する。
という定め方でも差し支えありません。
「相当する額」といっていますが、定期券代を支給するのではなくて「定期券代に相当する額」を手当として支給するのです。
また、「実際費用に応じて」ということは、定期券代そのままではなくて「実際費用に比例して」という意味も含むと思われますから、
③通勤手当は、1カ月通勤定期券代の半額に相当する額を支給する。
でも差し支えありません。
「半額」というのは、ちょっと極端ですし労働者にとっては不満かも知れませんが、法的には定期券代をそのまま支給することとする義務はありません(もちろん、これは通勤手当制度を設けるときの決め方についてであって、現に1カ月通勤定期券代を支給しているものを一方的に半額にしてよいということではありません。不利益に変更する場合は、労働者の同意が必要です(労働契約法第9条))。
上記2で説明したとおり、通勤手当額はいろいろな決め方がありますが、「6カ月通勤定期券代に相当する額を支給する」とした場合、労働基準法第24条第2項は、
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(賞与等を除き)賃金は毎月1回以上、支払わなければならない |
と規定していますから、支給の方法としては、6カ月通勤定期券代を6等分し、毎月6分の1ずつ支払うという方法によらなければならないということになります。
一括して支払うという方法もありますが、その場合には6カ月のうち最初の月に支払う必要があり、その後の月に支払ったのでは賃金の遅払いになります。
すなわち、先払いを条件に「一括払いしてもいい」ということであり、労働基準法上、一括支給をしなければならないという義務はありません。
著者プロフィール
昭和43年(1968年)、労働基準監督官、以降、労働省労働基準局監督課中央労働基準監察監督官、同賃金課主任中央賃金指導官、静岡労働基準局次長、滋賀労働基準局長などを歴任し、平成10年(1998年)6月退職。
その後も、主に労働法制を中心とした労働問題の第一人者として活躍。