リーダー研修 心理的安全性 × 情報共有で“チームで勝つ組織”へ 【関東商事株式会社様】
◆概要
一部の優秀なメンバーが強いリーダーシップで組織を引っ張る、いわゆる「昭和型」の組織運営から、
メンバー1人ひとりの力を活かしながら、チームで成果を上げる組織へ――。
関東商事様とは10年以上のお付き合いがあり、当社が継続して人事制度の運用を支援していますが、新制度を導入した5年目から現在まで半年ごとにリーダー研修を実施しています。下記の変化を目指す長期的な伴走支援の中で、組織がどのように変化していったのかをご紹介します。
◆ご依頼の背景
同社はトップの強いリーダーシップのもと、業容を拡大しながら成長を続けてきましたが、環境変化が進む中で、メンバーそれぞれの工夫やアイデアを持ち寄り、皆で改善策を探求する組織へ進化していく必要性が高まっていました。そこで、三代目の現社長は、「新人事制度を基盤として、全員の力を結集して成果を上げる組織にしていきたい」という考えのもと、組織づくりに取り組みます。
幹部クラスを対象にした研修から着手したところ、組織の雰囲気に変化の兆しが見られました。例えば、上司が 部下の話によく耳を傾けて対話をしたり、張り詰めた空気が和らいで若手に活気が感じられるなど、社長は研修の手ごたえを感じます。
次の研修ターゲットは、「組織のハブ」となるリーダークラスです。彼らは、 幹部と実務者の間に立って話を受けとめ、双方に影響力を発揮できる存在です。この層の意識が変われば、組織全体の情報の流れと意思決定の質が大きく変わりますが、残念ながら、当時のリーダー層には、次のような昔ながらの傾向が強く残っていました。
- 上司に対して率直な意見を言いにくい
- 部下の話をしっかり受けとめずに一方的な指示をしてしまう
- 都合の悪い情報の報告を避けようとする
この意識改革を目指してリーダー研修の企画がスタートしました。
◆リーダー研修の内容
リーダー研修では、心理的安全性をベースに情報共有と組織学習を進め、生産性を高めて成果を上げる組織をつくることを軸に据えました。
この流れを各職場で実現するために、「知識の習得」「ワークや現場での実践」「対話と振り返り」を織り交ぜた研修を半年ごとに実施しています。

基本コンセプト
• 人はそれぞれ異なる見方・考え方・背景を持っている
• その違いを前提に、対話を通じてより良い解決策を導く
具体的なテーマ
◆第1フェーズ
・ 働くとは何か、会社はどのような考え方や仕組みで成り立っているのか
・リーダーの役割責任
・ コミュニケーションの基礎、リーダーシップの基礎
⇓
◆第2フェーズ
・コーチングの基礎、部下とのコミュニケーション、関わり方
・主体性、フォロワーシップの基礎、キャリア
・ 現場でありがちなコミュニケーションのすれ違いや対立への対応
⇓
◆第3フェーズ
・心理的安全性の理解と実践
・意見の違いや対立を前向きに扱う思考
・解決策を点検・補強する思考プロセス
特徴的な設計
- 「対話」を中心に据えた研修
毎回、ワールドカフェの精神に基づく対話を実施しています。少人数での対話と全体共有を繰り返しながら、お互いを尊重した率直な意見交換を行うことで、傾聴と対話によって課題の解決方法を探る意識が浸透してきました。 - 段階的に学びを積み上げる設計
半年に1回のペースで継続することで、思考と行動の変化を無理なく定着させていきました。 - 伴走型で内容を設計
毎回の研修内容は、大きな方向性のもと、社長と担当コンサルタントが対話を通じて組織の課題を共有し、その都度テーマを設定しながら、一つひとつ手作りで設計してきました。
◆結果
会社の変化
一部のメンバーが強く引っ張る形から、チームで成果を上げる組織へと変化していきました。そのベースには、「 心理的安全性に根ざした情報共有」と「相互尊重に基づく対話」があり、そこから新たな解決策をともに導いていく動きが生まれています。また、研修開始当初に注目され始めた「心理的安全性」は、研修を進めるなかで自然に現場に浸透していきました。知識としてではなく、日々の関わりの中で実践されるものとして、組織の土壌として醸成されていった点が特徴です。
リーダー層の変化
• 上司に対して、自分の意見を分かりやすく伝える場面が増えた
• 部下の話に耳を傾け、その人の強みに着目した対応をとるようになった
• 情報を抱え込まず、共有する意識が高まった
職場の変化
• 多様な意見があることを前提に、互いを尊重しながら建設的な議論を行う文化が形成された
• より良い解決策を協力して探る姿勢が現場に根付いた
• 部門の壁を越えて対話が生まれ、協力関係が深まった
◆お客様の声・エピソード
研修を開始してから約6年が経過した頃、社長から、研修開始時に、
「ようやく『心理的安全性』という言葉を、みなさと現実味をもって共有できるようになりました」
という言葉がありました。長年にわたる取り組みの中で、経営トップが目指す組織のあり方が一つの実感として共有された瞬間でした。
また、現場ではこんな変化も起きています。以前は、設備の故障や破損といった情報が、社長に届くまでに何日もかかることがありました。しかし現在では、そうした情報が、ほぼリアルタイムで社長の耳に届くようになっています。小さな異変でもすぐに共有される状態が、組織全体に広がっています。
◆今後の展開
現在は、リーダークラスに広がった変化をさらに次の層へと広げるため、「チームづくり研修」という新たな取り組みを進めています。この取り組みは、単なる研修ではなく、組織変革の基盤として位置づけられています。
また、リーダー研修についても、組織のさらなる変化を促すため、現在も継続して実施しており、今後も発展的に続けていく予定です。