株式会社プライムコンサルタント

共感・発見ミーティングを起点とした組織変革

概要

・主体的に動く人材育成と組織風土の醸成を目的に、役職や立場を越えてフラットに対話を行うプログラム『共感・発見ミーティング』をご提案
・様々な階層に対してプログラムを実施し、対話テーマの設定や当日のファシリテーションを当社が担当した
・個々のキャリア意識の醸成に加え、部署や世代を越えた相互理解が深まり、会社としての“全体最適”を志向する意識が社内に広がった

依頼の背景

S社では、新人事制度の導入以降、制度の浸透と活用を目的に管理職研修を継続的に実施し、人事制度への納得感向上や人材育成の土台づくりが着実に進んでいましたが、新たな課題も顕在化してきました。それは、「若手・次世代幹部の育成」「熟練人材の活躍促進」「キャリア形成の見通しづくり」といった、中長期的な組織課題です。
そこで、社員一人ひとりが将来の見通しを持ち、主体的に目的をもって長く働き続けられる状態を実現するとともに、会社の持続的な発展を支える人材の育成・定着を目指し、当社から2つの施策を提案いたしました。1つは、若手・次世代幹部の育成するための「長期育成型ローテーション」、もう一つは社員の主体性を醸成するための「共感・発見ミーティング」です。前者は時期尚早として制度化は見送られましたが、後者は計画的・継続的に実施するプログラムとしてご依頼をいただきました。

「共感・発見ミーティング」はこうして進められた

「共感・発見ミーティング」とは、ワールドカフェの手法をベースに、リラックスした雰囲気のなかで、役職や立場を越えてフラットに対話し、社員一人ひとりの思いや考えを引き出していくものです。当社コンサルタントがお客様とすり合わせしながら、組織の未来像と自分自身の役割を結びつけていくようにプログラムを組んでいきました。

①参加者の選定
参加者全員が発言できるように1つの対話グループは4~5人とします。さらに各グループの意見を全体で共有する等の運営を考えると、1回あたりの参加人数は25人程度までが望ましい規模感です。S社では、参加者層に合った対話テーマを設定することも考えて、下記のような階層別で「共感・発見ミーティング」を実施することとなりました。

・管理職
・匠人材(熟練層)
・管理職手前の現場リーダー層
・入社3年目までの若手層
・中堅層

➁”問い”を設定する

グループ対話のテーマ(=問い)をどのように設定するかで、その場の盛り上がりや出てくる意見も変わります。また、自由なアイデアや意見を尊重するものですから、会社が期待する結論に誘導したり、正しい答えを求めるような内容では「共感・発見」の効果が薄まってしまいます。
そこで、対話を通じて組織と個人の未来が社員1人ひとりの想いのなかでつながるように、「10年後の会社はどうなっているか」「その中で自分はどうありたいか」などの問いを設定しました。

➂当日の進行

各回のプログラムは3時間半。島型にテーブルを並べていただき、その上には次のようなものを並べてもらいました。

  • 模造紙
  • 人数分のカラーペン
  • 飲み物やお菓子など

また、ふだんとは異なる視点や意見に触れてもらうため、各グループのメンバー構成もなるべく異なる部署・階層・世代を混ぜたものにするようにお客様にお願いしました。そのうえで、下記のようなプログラムを用意し、対話のファシリテーションを当社コンサルタントが担当いたしました。ファシリテーターが時間を上手くコントロールしながら、各グループを回って参加者の発言を促したり、意見の取りまとめをサポートすることも「共感・発見ミーティング」を成功させる重要なポイントです。

1)自己紹介 他
2)社長メッセージ
3)問い➀ 対話と共有
4)問い➁ 対話と共有
5)問い➂ 対話と共有
6)振り返り と 感想・気づき共有

自由な対話の中で、「育成や業務の属人化」「部署間連携の不足」「育成制度の未整備」といった組織課題に対する意見が出た一方で、「人間関係の良さ」「フラットに話せる風土」といった組織の強みも再確認され、今後の組織づくりの軸が明確になりました。

効果とお客様の声

こうした「対話」をきっかけに、S社では組織が自ら動き出しました。保留となっていた「長期育成型ローテーション」は、匠人材(熟練層)が制度化に参画したことで「キャリアアッププログラム」として再始動しました。さらに、新人研修の再定義や育成施策の見直しといった取り組みも現場主導で企画・推進され、「自分たちで考え、動かす」という風土への組織変革が実現しています。

S社の社長様からは次のような声をいただきました。
「これまでは“決められた施策を進める”という感覚がありましたが、今回の取り組みを通じて、自分たちの会社の未来を自分たちで考える機会になりました。部署や立場を越えて本音で話せたことで、これまで見えていなかった互いの考えや思いに触れることができ、組織としての一体感が高まったと感じています。また、『将来こうなりたい』『そのために今これをやる』といった具体的な行動を考えるきっかけにもなり、対話が行動につながりつつある実感があります。止まっていたジョブローテーション施策も、自分たちの意思で再び動き出しました。今は、この流れを具体的な仕組みや制度につなげていく段階にあると感じています。」

 

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