評価制度づくり
(1) 評価制度の目的
評価制度は何のために必要なのでしょうか?
人の能力ややる気をランクづけて、賃金や賞与を査定するためでしょうか。それとも人を競争させて、仕事に駆り立てるためでしょうか。
私たちは、このようなアメとムチで社員一人ひとりにプレッシャーをかけるような評価制度づくりには限界があると感じています。何よりも社員一人ひとりを孤立させ、会社の中が暗くなってしまいます。個人の強みを伸ばすよりも、弱みが浮き立つ結果となり、人材にやる気、元気、勇気を与えることができません。
評価制度の真の目的は、組織の目的である全体の成果、すなわち顧客に価値を届けることに人を動機づけ、具体的な行動を促すことにあります。知識とスキルを発揮させ、仕事を生産的なものとし、従業員一人ひとりに実際に成果をあげさせることにあります。
(2) 組織に必要な二つの評価基準
すべての組織には「成果」に対する評価基準と、「行動」に対する評価基準が必要です。この二つが補いあうことで、組織は全体性と一貫性を維持することができます。
組織の「成果基準」とは、事業の目的そのもの、すなわち組織としてあげるべき成果がどれだけ達成されたか、顧客にどれだけの価値を届けることができたかを評価するものです。病院でいえば治療・治癒した患者数、学校では社会に送り出した卒業生の数などです。
組織の「行動基準」とは、組織が大事にしている価値観や倫理観、規範などが組織の構成員にどれだけ浸透し、実行されているかを見ていくものです。病院では患者の生命と健康を守り、安心をもたらすという医療チームとしての使命や義務、学校では学生の将来に心を砕き、よい影響力を与えようという教師としての使命やリーダーシップなどです。
このような組織の成果基準、行動基準を従業員一人ひとりに意識づけ、経営成果の向上に向けて人を動機づけ、具体的な行動を促すもの、それが評価制度なのです。
(3) 評価制度づくり
私たちは、クライアント企業の実情とニーズに合った、分かりやすい評価制度づくりを数多くお手伝いしてきました。
はじめに評価制度の基礎を固めるために、組織が必要とする仕事のポジションと従業員一人ひとりの役割責任を整理し、等級制度を作ります。組織における役割責任が能力発揮のステージとなり、そこで成果をあげさせることこそ、人事管理の基本です。
次に、事業の目的・ミッションから出発して、経営目標すなわち成果基準に連動した「業績評価」と、行動基準に連動した「行動評価」の仕組みづくりを行います。
役割責任にふさわしい目標を達成させ、等級別の行動基準を意識づける仕組みをつくり、管理職の皆さんがしっかり評価やフィードバックを行えるような研修も行います。
このような等級制度、評価制度と連動してはじめて、仕事を割り当て、個別に報酬を決め、昇進や昇格を決めていく実力主義の人事管理が可能になります。
ここでは、一般的な評価制度のつくり方をご紹介しましたが、会社の沿革やビジネスモデルによって、評価制度のニーズは様々です。また経営方針や目標を組織的に展開していくやり方にも会社ごとの作法、流儀があります。
まずは貴社の実情をお聞かせいただき、具体的な問題点や障害をお聞かせください。確かな問題解決への道筋を一緒に考えてまいります。




