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強みは「ステンレス容器の特注品」。大手が参入しない特異なマーケットで競争優位を築く☆日東金属工業株式会社様ー2ー

【人と組織の元気を探る「教えて!御社の工夫」】(連載第20回)

 

(2019年2月)

 前回は、ステンレス加工に強みを持つ日東金属工業株式会社が活躍するマーケットの特異性をお伝えしました。
 今回は、細かな仕様の特注品に前向きに向き合う「職人」に焦点を当て、同社のモノづくりに対する姿勢やこだわり、技能継承についてお伝えします。また、東大・京大をはじめとする難関大学出身者が続々と集まってくるほどの採用力がある同社。社員数100人の中小企業ですが、2019年春には新卒採用で17人が入社する予定です。採用難の時代にこれほど人が集まる理由とは一体何なのでしょうか...?同社のユニークな採用方針・活動もあわせて紹介します。(編集部)

●「より面倒な」特注品にやりがいを感じる職人たち

 日東金属工業の従業員は、現在100人ほど。そのうち、手を動かしてモノづくりに携わる職人は、50名ほどいます。彼ら彼女らこそ、「面倒くさい」リクエストに応え、特注のステンレス容器を作り上げる職人たちです。

 「そこに匠の技があるかというと、そんなことはないと思います」と大山さん。「こんなこといったら職人たちに怒られてしまうかもしれませんが(笑)、当社にしか作れないわけではないのです。当社はただ、面倒を嫌がらないというだけ。それに、新入社員でも3〜4年すれば戦力になります」

 しかし、そこは確かに、モノづくりの楽しさにあふれた職場です。それは、社員の離職率の低さにも表れています。
 仕事が面白く、職人たちが辞めないこと。それが技術の蓄積、継承につながっていることはいうまでもありません。

 「僕が職人を他部署に異動させると、怒られるぐらいです(笑)。やはり、手を動かしている製造部門の人間は、仕事が面白いのだと思います。一人のステンレス容器を一人で作るわけですから、自分の『作品』のような気持ちになるようです。一人の作業ですから、極端な話、コミュニケーション能力がゼロな人間でも、問題ありません。僕もそれでいいと思っています。実際、当社では挨拶ができないような人間でも、仕事ができる人はたくさんいます。」

 世界にオンリーワンの特注品を手がけるからこその、面白さもあります。図面はあっても、特注品に決められた作業手順はありません。職人それぞれが、自分の頭をひねって考えるのです。
 作業効率を考えるなら、標準的な作業手順をつくり、みなに同じように作らせたほうがいいに違いありません。でも特注品の場合、それは不可能です。
 「しかも、職人それぞれに『自分はこのやり方』というものがあるんです。そこにはいい面悪い面あると思いますが、でも、そういったモノづくりのほうが、楽しいですよね。

 例えば『美味しいたこ焼き』を作る手順だったら、1つ編み出したら終わりじゃないですか。でも『好きなように作っていいぞ』といったら、チーズ入りたこ焼きやメキシカンたこ焼きができるかもしれません。そうやって自由なモノづくりができる余地があるところが、面白いのだと思います」

 作業手順のないモノづくりは、正解のないモノづくりともいえます。時には、アイデアが煮詰まることも。しかし、そういう時、隣にいる職人に相談できる空気が、日東金属工業にはあります。ベテランの職人がアドバイスするシーンも、日常的に見ることができます。「製造の人間だけではなく、技術や営業の人間も一緒になって『ああだ、こうだ』とやっている。僕自身は、モノづくりに関わっていないのですが、見ていて楽しそうだと思います」

 必要な知識や技術は、主にOJTで身につけていきます。指導にあたるのは、ベテランの先輩職人たち。最初は任せられるのは溶接だけ。やがて、簡単な製品を1つまるごと任されるようになり、最後には複雑な製品を任せられるようになっていきます。
 必然的に、腕のいい職人は、より面倒な特注品にやりがいを感じるようになっていきます。30年会社にいる職人などは「もっと面倒くさいの持ってきて」とリクエストするとか。

ステンレス定規.jpg

 「特注品の何がいいかというと『お客様に怒られない』というのもあります。こちらから提案しつつ、お客様と相談しながら進めていきますから、どこが難しいかも、予めわかっていただける。多少の失敗は、お客様も納得してくれます。

●出身学部不問の採用活動。モノづくりに惹かれた若者が集まる

 そもそも、日東金属工業に集まるのは、どのような人たちなのでしょうか? 採用活動は大山さんご自身が手がけています。

 どの職種も、出身学部学科は不問としているのが、日東金属工業のモットー。すべての技術は入社後のトレーニングで身につけることができます。また「私たちの仕事を一言でいうと、高度なプラモデル創り」「「野心まんまんの人はお断り」「とっても愉快である必要はない」「競争は嫌い」といったユニークなフレーズを掲げているのは「僕がひねくれているから(笑)」と大山さん。

 結果として集まってくるのは東大、京大をはじめとする、難関大学出身者ばかりだとか。文系出身の学生も珍しくありません。しかし皆、日東金属工業のモノづくりに惹かれてやってくる若者たちであるのは、共通しています。
 「昔は、採用活動といっても合同説明会に参加して担当者が座っているだけでした。これでは誰も来るわけないということで、パネルをつくり、チラシをつくり、製品を見せ、WEBもやって、と工夫するようになりました。今では工場見学も、インターンも受け入れています」

 こうした取り組みが奏功してか、採用は順調。2019年春には、17人が新たに入社する予定です。しかし100人の会社が17人を採用するとは、かなりのハイペース。何か狙いがあるのでしょうか。

 「つくばに新しく工場を建設したんです。それに皆の残業も減らしたい。だから人を増やすという判断です。当然、会社の利益は減りますが、この採用難の時代にこれだけの人が集まってくれたのだし、ということです。売上を伸ばしていくために工場を増やし、人を増やすのは当然のこと。それに、入社してから何年か経験を積まないと、当社の製品は作れるようになりません。だから早めに採用を心がけています。17人の採用がどんな結果になるか、まだわかりませんけどね」


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