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株式会社アオバヤ様☆顧客満足は社員満足から。100年続くと確信できる会社を目指しー2ー

【人と組織の元気を探る「教えて!御社の工夫」】(連載第2回)

 

(2017年11月)

 前回は、株式会社アオバヤが「3年間収入がなくても、社員を守り続ける会社にする」というミッションを掲げるようになった経緯と、高橋社長が同社社長に就任するまでの歴史を振り返りました。
 今回は、高橋社長が「会社の永続」と「社員満足の経営」を目指して実践している取り組みを紹介していきます。一風変わったユニークな制度も数多く登場します。具体的な仕組みとともに、背景にある信念や成功の秘訣を、ぜひ感じ取ってください。(編集部)

●永続する会社にふさわしい「形」を模索して

 高橋社長がアオバヤに入社したのは、大学を卒業してすぐのこと。創業30周年の年です。そのとき会長は60歳。いずれは後継にと強く言われたことはなかったそうですが、高橋社長にはこんな思い出があるといいます。

 「幼稚園の時だったか、アポロ11号が月面着陸した頃ですよ。先生に『大きくなったら何になりたい?』と尋ねられて、宇宙飛行士になると答えたら、すごく褒められたんですね。そのあと、父にも同じ質問をされました。また褒めてもらえると思って宇宙飛行士!と答えたのですが、父親は苦虫を噛み潰したようなしかめっ面をした(笑)。
 すると私に母親が耳打ちをするわけです。『お父さんの後を継ぐって言ってみたら?』。言われたように答えると、今度は満面の笑み。子供ながらに父の笑顔が嬉しくて、何度も繰り返し同じことを言ったんでしょうね。自分で自分を洗脳したようなものです。学校を卒業したらアオバヤに入社するものなんだと思いこんで、就職活動もしませんでした」

 以来、アオバヤ一筋の仕事人生です。社長就任は1996年、33歳の若さでした。当時のアオバヤは、すでに200人の従業員を抱える規模にまで成長していました。しかし高橋社長には以前から気になっていることがありました。それは制度らしい制度が存在しなかったことです。昇給や賞与は先代の裁量1つで決められ、経営理念も就業規則も明文化されたものはありませんでした。

 なぜそんなことが起きたのでしょう?
 「業績がいい時と悪い時とが交互にやってくる会社なら、業績低迷にも耐えられる強い組織を作ろうとするじゃないですか。でもアオバヤにはそれがなかったんですね」。創業以来、安定成長が続いていたことが、思わぬ弊害をもたらしていたのです。
 「大きな問題が生じていたわけではない」といいますが、「企業経営において永続こそ最大の目的である」と考える高橋社長が、見過ごせるものではありませんでした。目指すのは、永続する会社にふさわしい「形」をつくること。そのため、社長就任以来、高橋社長は数々の勉強会に学びながら、さまざまな施策を打ち出していきます。

●経営計画が「絵に描いた餅」に終わらない理由

 社長就任の翌年から見よう見まねで経営計画書を作成しました。他の会社を知らない私にとって、地元の青年会議所での経験も経営計画の作成には活かされたと思います。経営計画書は、アオバヤという会社に何ができて、何を目指しているのか、そのためにいま何をするべきなのか、まさしく会社としての「形」を定めるものです。
 平成15年から手帳サイズのものに変更しました。この年から書いている「経営計画作成にあたって」は、アオバヤのHPで見ることができます。平成15年までの経営計画書は高橋社長が1人でまとめました。
 しかし翌年からは、経営幹部も参加して、経営チームと合宿を行い、合議を重ねながら作るようにしています。「まずは私を入れて8人の経営チームで事前会議を行い、拠点責任者以上50人ほどで、前年の振り返りと、翌年に向けての提案を事業部ごとにまとめてもらうんです。それをもとに経営チームが合宿し、最終案を作成。その後に、私が個人合宿をして仕上げをして、再度経営チームの承認を得て、ようやく完成です」

 「だからけっこう手間がかかるんですよ」と高橋社長が苦笑いしつつもこれを続けているのは訳があります。社員自らが関わった計画というのはそれだけ思い入れが深くなりますし、目標を達成しようというモチベーションが生まれ、社員たちが自主的に動いてくれるようになるというのです。
 社長たった1人が独断で定めた経営計画には、誰もついてはいかないことでしょう。現場の従業員一人ひとりに「ランクアップノート」を書いてもらっているのも、同じ理由からです。経営計画書に書かれた内容は、あくまで会社の方針。個人の目標とはギャップがあります。
 このギャップを埋めるものが、ランクアップノートです。従業員1人ずつが自分のポジションに応じた行動計画を毎月まとめ、その結果と、結果を踏まえた翌月の計画を書き込みます。そして、計画の確認のために上司と部下が対話を行う「成長対話」も十年以上続いている習慣だとか。会社の目標としての経営計画書が「絵に描いた餅」に終わらないのは、ランクアップノートによって個人の計画に落とし込まれ、さらに成長対話がそれを後押しするからにほかなりません。

●会社の内外で従業員満足を追求する

 お客様満足は社員満足あってこそ。前述の「ランクアップノート」などは、仕事を通して自分が成長していることを実感するためのツールでもあるのでしょう。研修制度も、新入社員向けから管理職向けまで、広範にカバーしています。
 福利厚生に大きなリソースを割いているのも、アオバヤの特徴です。そのなかには、禁煙者に最高10万円を支給する「吸わない手当」や、ゴールデンウィーク中に帰省して両親に感謝の言葉を伝えた新入社員に交通費を支給する「親孝行手当」など、ユニークな制度も。

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 自分の意見を言いやすい、意見を聞いてもらいやすい空気づくりの一環として、従業員の声を吸い上げる満足度アンケートを10年以上前から毎年実施しています。その集計結果が出る日は、高橋社長にとって「運命の日」だといいます。
 「皆のためにと思ってやっているのに、出てくるアンケート結果がその通りにならないこともありますから。例えば以前、ダスキン事業の支店長は支店内で行う複数の事業の責任者でした。それをある年に、細分化された事業毎の小さいチームに分けて、リーダーを複数にしました。
 これなら社員どうし顔も見えやすく働きやすいだろうと思ったのですが、満足度アンケートでは『支店長がいないと統制がとれない、前のほうがよかった』。3年続けましたが、結局もとに戻しました」。加えて、正社員との面談が年に2回行われます。そこでは「会社をよくする提案を5つもってくる」のがルール。一番新しい経営計画書にも、面談で社員から提案されたものが14案、含まれているそうです。

 高橋社長が考える社員満足とは、会社内に留まるものではありません。従業員の個人的な夢を応援する施策もあります。「生涯幸福設計」と名付けた人生設計を全員がつくるよう奨励しているのです。
 これは合計240項目、「1年後に実現したい」と思う目標を掲げ、取り組んでいくというもの。ごく個人的な目標でよく、高橋社長であれば「休肝日を作る、飲んでも12時までに帰る、英語を勉強する、ちょっと運動する、そんなところでしょうか(笑)」。会社に提出する必要もありませんから、それこそ何を書いてもOK。ただし、目標を文字ではなく写真や絵などで表現したビジュアライズと読んでいるものを提出してもらいコンテストを年1回開いています。「目標を具体的に書ける人ほど、実現する確率が高くなるんです」。ビジュアライズコンテスト上位者も含めた年間表彰者には豪華なプレゼントが。今年は30名ほどに鹿児島旅行がプレゼントされたそうです。

(次回へ続く)

 

 

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