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第94回 中堅・中小企業におけるこれからの管理職のあり方-27-

【強い組織を作る!人材活用・評価・報酬の勘どころ】

 

(2017年10月)

【第27回 管理職の成長を支援する効果的な管理職研修とは?(1)】

 こんにちは。人事コンサルタント・CDA・中小企業診断士の渡辺俊です。
 これまで1年10ヶ月にわたり、「マネジメントとは何か?」「管理者の役割とは何か?」「管理者の役割を果たすために必要な素養とはどういうものか?」、さらには「これからの管理者に求められる新たなあり方とは何か?」について、みなさんと一緒に考えてきました。
 連載を始めた昨年2月ごろ、私は、多くのクライアント企業で管理者育成に対する関心やニーズが高まり、また変化していることを感じていました。
 そこで、「そもそも管理職って何者なんだろう?」「中堅・中小企業の管理職って、実際にどんな人たちで、どんな思いで、どういう役割を担っているんだろう?」という素朴な興味・関心を抱くようになり、「中堅・中小企業におけるこれからの管理職のあり方」というテーマでの探求・執筆を開始したのでした。
 この間、執筆に平行して、8社ほどのクライアントで管理職研修を実施しました。実際に研修の場で起きたことや感じたことは、連載の中でもたびたびお伝えしてきました。
 以前は、各クライアントの状況やニーズに合わせて研修プログラムを企画することに主眼をおいていましたが、執筆開始後は、中堅・中小企業における管理職研修は、何を目的に、何をすべきなのか、どんな効果が求められるのか、そのためにどんな手法を使えばよいのかを俯瞰的に考え、各社のプログラム企画と研修実施という実体験を通して深掘りしていくようになりました。
 実際、連載の中でもお伝えした通り、各現場でさまざまなことが起こり、たくさんの気づきや発見が得られました。
 こうした、研修企画→研修実施→気づき・発見→研修企画...という繰り返しの結果、多くのクライアント企業のニーズに通じる共通項をシンプルに整理し、管理職研修の基本プログラムとして体系的にまとめることができました。
 ここまで探求してきたことの集大成として、今回から、そのプログラムについて紹介していきます。

1.管理職研修基本プログラムの概要

 下表が全7回構成の管理職研修の基本プログラムです。

強い文中図表1.JPG

 この研修の目的を一言でいうと、「管理職とは何か?」を、参加者各自が探求することにあります。具体的な成果目標は、参加者一人ひとりが、「管理職とは何か?」を自らの言葉で語れるようになることです。それは、管理職としての立場や役割を、当事者として意識するようになることでもあります。
 さらにその自覚を持って、管理職としての基本的な活動ができるようになること、また、立場や役割にふさわしい姿勢・スタンス・振る舞いができるようになることを目指しています。
 そんな目的、目標のもと、研修内容を以下の4つの要素で構成しました。

(1)対話 「共感・発見ミーティング」
(2)ワーク 「キャリアを振り返る」
(3)体験学習 「目標管理の運用」
(4)ミニレクチャー 「管理者とは何か?」

 主に(1)~(3)を中心とした参加体験型の研修ですが、そればかりでは、その場限りの一過性のもので終わってしまうこともありがちです。
 そこで、毎回、さまざまな角度から「管理者とは何か?」を考えるミニレクチャーを行い、研修での体験を、自身の内面に取り込み、整理し、意味づけること支援するようにしています。レポートやチェックリストを活用し、職場での日常も含めた学び→実践→振り返り→学び→実践のサイクルを創り、学んだことを定着させる工夫をしています。

強い文中図表2.JPG

 なお、参加対象者には、組織責任者である部門長、課長、チームリーダーなどに加え、その予備軍である係長や班長、サブリーダー、さらには社長や取締役などの経営幹部をも想定しています。中堅・中小企業の場合、トップ、ミドル、ローワーを区別することなく、会社を担う管理者が一体となって学び合うことで、組織的な内省が進み、成長が促進されると考えています。
 以下、それぞれの研修要素について、詳しく紹介していきましょう。

2.わが社の幹部としての自覚を促す「共感・発見ミーティング」

 この研修では、初回に、参加者全員で「共感・発見ミーティング」を行います。(「共感・発見ミーティング」の詳細については、連載第24回~26回に詳しく述べていますので、そちらを参照してください)
 研修のスタートにあたり、これからのわが社を担う管理職の率直な思いや考えを共有することを通して、管理職としての自覚を深め、研修参加の心がまえをしてもらうことを目的としています。
 対話のテーマや問いは、クライアント企業との相談で決めていますが、たとえば、次のようなものを提案しています。

強い文中キャプチャ.JPG

 研修の冒頭で「共感・発見ミーティング」を実施することによって、次のような効果が得られます。
1)同じ立場の管理職同士で対話をすることにより、他部署の仕事の内容や状況を「わが社の管理職として」受けとめることができ、全体感が持てるようになります。
2)各自が抱えている問題や悩みを仲間と共有することで、同じ立場の仲間もそれぞれに何かを抱えていることを知り、負担感が和らぐとともに、仲間意識が高まります。
3)他の人の声に耳を傾けることで自分自身の内省が進み、意識面での変化が起きます。
 「共感・発見ミーティング」という対話を体験することで、一人ひとりが、この研修が自ら学習・探求してお互いに成長していく場であることを感じ取ります。そうした自覚によって、2回目以降への興味・関心や参加意欲がおのずと高まり、管理職として学んでいくための心がまえが芽生えていると実感しています。

 次回は、より具体的な学習内容である、「キャリアを振り返る」、「目標管理の運用」についてご紹介します。

 

 

本連載は、下記の当社コンサルタントが順次、執筆いたします。
菊谷寛之(代表)
渡辺俊(中小企業診断士)
田中博志(中小企業診断士)
津留慶幸(特定社会保険労務士)

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